まだ届きますか
ノロウイルスとの戦いに勝利しました。
では、どうぞ。
案外、終わりは唐突で味気のないものだと思う。だからこそ、後悔はなるべく少ないほうがいいのだと言った。それに対して誰かが口を挟んだ。
後悔の数など関係ないのだ、と。どれほど強い後悔なのかが重要だと言った。
美鶴は周囲からの嫌な視線を感じていた。相手の事情をその様子から推し量ろうとするかのような、探りを入れてくる視線。そこで頭痛が酷いのだと示すように左手で額を押さえれば、納得したようで見られている感覚が消える。それも暫く歩けば、再び視線を感じるようになり、自分を悩ませている頭痛と相まって、かなりの心労へとなっていた。
美鶴は一人、主婦で賑わう商店街を自転車を転がしながら帰宅していた。道の両脇には八百屋や雑貨店、肉や魚を売っている店が軒を連ねている。時刻は午後二時近くで、活気づいた声がそこかしこで響き渡っている。
現在も西徳付属では授業が行われている頃だ。美鶴が帰宅している理由は単に早退をさせられたからだった。昼を過ぎた辺りから治まらなくなった疼痛は次第に程度を増して、平静を装うのも難しくなり、それを見つけた由佳里によって先生に密告された。
由佳里は誠から美鶴の調子が悪そうであれば無理をさせるな、と言われていたらしい。
抵抗空しく強制早退させられた結果がこれだった。単身で主婦の視線に晒される地獄。
主婦の方々から向けられる視線には、慈愛ともとれる感情が含まれているようで身震いが止まらなかった。発熱があるだけなのかもしれないが、寒気がした。
舗装された道を進むたびに揺れる自転車が、騒々しい音を立てている。視線を落とせば、自転車の前カゴには蜜柑や長葱や大根、春菊にニンニク、シソと生生姜が詰め込まれている。美鶴が通りを進むたびに、我も我もと無料で提供されていた。これには感謝した。一昨日に食糧危機を迎えた美鶴の冷蔵庫への救済措置としては上出来だった。
食材を提供される度に感謝を口にするのは億劫だと感じながらも、無愛想な態度では失礼だと考える良心はもっている。
しかしそれを続けた結果、いつの間にか拍車がかかっていった。途中、「キャー、あんな可愛い子に感謝されちゃったわ」などとのたまう声が聞こえたのは、幻聴だと思うことにした。
その後も食料の提供を受け続け、美鶴の姿は頭痛に苦しむ高校生(仮)から家事に勤しむ高校生(仮)へとアップグレードしていた。
哀れむ視線は、美鶴の姿に感心したモノへと変わっていた。
「何故、こうなったんだ……」
美鶴は長く嘆息して、帰路を辿る。その胸に僅かな後悔を抱きながら。
一昨日の文蔵の言葉が思い出される。
──邪龍が関わっとるかもしれん……放課後はなるべく由佳里と一緒にいろ。
学校が始まった週の初日から忠告に背いてしまっていた。美鶴自身、それを忠実に遂行しようとしていたのだが、まさか由佳里に密告されようなど夢にも思わなかった。
色が剥離して黒ずんだアパートが姿を見せていた。何十年も雨風に晒され続け、修復工事がされなかった結果だ。あの姿を見るたびに、落胆による溜息が尽きない。やっと家に帰ってきたと思って現れるのが、あのボロアパートだ。安堵ではなく、落胆が勝って何が悪い。
自転車は裏手の方に止め、カゴに詰め込まれた食材の数々を取り出す。その場でたたらを踏んで転倒を回避すると、錆び付いて軋む階段を上がる。
自室の居間に上がりこんだ頃には息が切れていた。
美鶴は堪らず仰向けで、日に焼けた畳の上に寝転がる。ズキリと軋む痛みはだいぶ引いてきていた。この分なら午後の授業も乗り切れたかもしれない。
手を伸ばしてテレビのリモコンを取ると、電源ボタンを押した。流れ出すのは連日世間を騒がせている爆破事件であった。依然、犯行グループは声明を発表しておらず、予断を許さない状況だと言えた。
少なくとも、この一週間のうちに動きはあるだろう、そう美鶴は推測している。相手が邪龍であるならば。
ふと重く感じ始めた目蓋を幾度か瞬かせた後、美鶴はあっさり眠りに落ちた。頭痛の痛みが、少なからず美鶴の体力を奪っていたのだった。
『──只今、首都圏内に緊急事態宣言が出されました。ニーズヘッグを名乗る武装集団がエリア内各地に出現し、その場を占拠しているとのことです。なお、世界各国でもニーズヘッグを名乗る集団が出現しており、各国は先日の事件を踏まえ、これをテロ行為と判断し、然るべき制裁措置をとると発表しています。しかし、現在、人質の数は世界全土で数万人にも達していると見られており、現状打開は厳しい状況です。首都圏内においても、人質の数は数千人に上ると見られています』
ふいに鳴った着信音で目が覚めた。美鶴は眠気眼を擦りながら、懐からスマホを取り出して耳に当てた。同時に鼓膜を破かんばかりの大声に眠気が吹き飛んだ。
『おいッ!! 美鶴か、無事なのかッ!?』
「んだよ、オヤっさん。無事って何が? 俺は元気だけど、あぁ少し頭痛がするな」
『もしや、おぬし一人か? 由佳里は傍におらんのか?』
明らかに狼狽する文蔵の声が聞こえてきた。ふいに嫌な感じがした。胃が掴まれたような気持ちの悪さと背筋に走る怖気。言いようのない不安が急速に膨れ上がり、息が詰まった。
「……いない。俺、学校を早退させられたから」
通信に髪を掻き毟るような雑音が紛れこみ、後に文蔵の長い溜息が続いた。文蔵の方で気持ちの整理が出来たのか、数秒の間をあけたあとに言葉が発せられた。
『ニュースを見ればやっていると思うが、とうとう邪龍が動きおった。現在、首都圏各地で戦闘が続けられておる。全部で敵は六箇所に出現し、そのうち四箇所が早々に占拠された。戦闘が継続されとるのは、クロヅカ本社ビル周辺と各国大使館が密集した行政区だ』
「で、本題は?」
声が震えそうになるのを必死に堪えた。先ほどの文蔵の狼狽した声が耳にこびりついて離れなかった。文蔵が上げた名前はエリア2内ではかなりの要所だ。それを失えば、エリアとしての機能が完全に麻痺する。それでも、由佳里がいないことを知った文蔵の様子を説明できない。つまり──
『落ち着いて聞くんだ美鶴。すでに占拠された四箇所に、とある学校名が含まれとった。西徳大学だそうだ。それで、現れたのが一体の騎士であればまだマシであったろうが、二体いるそうだ。そのため、高校側も人質の確保のために占拠されとるらしい』
血の気が一気に引くような、サァーという音が美鶴の耳元で聞こえた気がした。スマホを取り落としてしまわぬように手に力を込める。
『大勢の学生が現在も学校内に取り残されとるんだろうな。警察や各企業およびランカーが各地の解放に動いておるが、奴らは騎士だけでなくマシナリーまで投入してきおった。それによる妨害でたどり着くには時間がまだかかるらしい。だが、美鶴。お前さんは出るな。一人で騎士との同調をして、万一危険が迫ったら対処できん。それに小埜崎が龍王で学校に向かっとる。あやつなら、皆を無事に助けだせるはずだ』
「オヤっさんはどれくらいでこっちに戻ってこれるんだよ」
美鶴の問いかけに対し文蔵は逡巡した。
『多分、今日は戻れんかもしれん。交通機関は完全に麻痺しておって、儂は組合に留まるしかないらしい』
「そっか。分かったよ、ありがとな」
美鶴の眸には無人の転送装置が映し出されている。その隣に吊るされた騎士は静かに待っている。
『おい、美鶴ッ。莫迦なことはするな。オイッ──』
通話を終了して、新たに別の電話番号を呼び出す。数回の呼び出し音が続いた後、留守番サービスに接続するアナウンスが聞こえてきた。
通話を切ると、スマホを部屋の隅に畳まれた布団の上に放る。美鶴はゆっくりと重い腰を上げて、背筋を伸ばした。
その場で目を閉じて深呼吸を数回続ける。気持ちが落ち着いた。
目を開けた美鶴の目の前には、少年がいた。脳が作り出した幻覚だと割り切るには、あまりにリアルだった。その目に浮かぶのは泪。
「何でお前が泣いてんだよ」
『ミツル、オマエはバカだ。ボクと同じくらいバカだ、アホだ、チビだ』
余計なお世話だと、小さく呟く。そこで少年の胸元に目がいった。そこに取り付けられた名前は<ミツル>になっていた。
「おい、その名札……」
少年はまるでイタズラがバレた子供のような顔をして、慌ててその名札を手で隠そうとした。
「いいよ、お前に似合ってるよ。その名前」
美鶴は転送装置に乗り込んで、バイザーを付ける。一人での精神転送は少々厄介だ。
本来ならばサポーターがしてくれる認証も全て自力でやらねばならない。手順も多少変わってくるため、簡単にはいかないのだった。
苦労して準備を整えると、美鶴は深く息を吸い込んだ。
「──精神転送開始ッ」
意識は飛翔し、新たな器へと飛び込んだ。
やがて静まり返った部屋には、カプセル容器の中で眠りにつく少年の姿があった。どこからか鈴の音が響き、無常の余韻を残していた。
◆◇◆◇◆◇◆
文蔵が言っていた通り、国道はどこも渋滞していた。その車両の列の中には、パトカーの回転灯の明かりも見え、警察も思うように動けていないのが分かった。
美鶴はもはや麻痺して停滞したままの車の間を縫って、道路を横断した。多くの人間が、人間離れした速度で駆け抜けていく少女に度肝を抜かれた様子だった。途中、『頑張ってくださいッ』と掛け声が聞こえたのは、この姿を騎士のモノだと理解してくれたからだろう。
ガラス張りの高層ビルは周囲で絶え間なく昇る黒煙を映し、上空を行き交う軍用ヘリが事態の深刻さを物語っていた。
途中、どこからともなく上がった飛翔体がヘリを直撃し、爆破させたのが見えた。ヘリの残骸は旋回しながら川へと墜落し、巨大な水柱を作った。
あちこちで上がる悲鳴は、美鶴を急かした。由佳里たちもまた、恐怖で悲鳴を上げているのではないかと思うと、気持ちが急くのは無理もなかった。
やっと見え始めた西徳付属高等学校の姿は、下校時に振り返って見た頃と変わっていなかった。ただ、学校周辺を徘徊している複数のロボットと校庭の方角で昇る白煙を除けば。
ロボットはスパイダータイプのマシナリーであった。直径三〇センチ程度の金属製の球体の身体に八本の脚が伸びた形。胴体の下に装備された短機関銃が一斉に、美鶴が同調する騎士、七彩に照準を定める。
どうやら敵は早速臨戦態勢らしい。
美鶴は軽い身のこなしで銃弾を躱すと、一体の上に着地と同時に狂刄鈴蟲を抜いた。火花が散って七彩の周りを乱舞する。そのまま身を捻って、トリガーを引き絞る。鈴の音を響かせて、空気の刃が二体の機械蜘蛛を切り裂いた。
これであとは四体の機械蜘蛛が残るだけ。
アスファルトを跳躍しながら狂刄鈴蟲を鞘に納め、機械蜘蛛の横に着地すると再度トリガーを引く。片側の脚を全て切り落とし、胴体も深々と抉った。
七彩が履く天狗下駄を路面に擦過させて、その胴体を蹴り飛ばし、それ目掛けて空気の刃を射出させる。他の機械蜘蛛を巻き込んで爆発。四散して焦げた残骸へと化した。
美鶴は周囲を見渡して、近くに他の機械蜘蛛がいないことを知ると、ほっと一息ついた。
「学校に入る前から、こんな歓迎とかいらねぇよ。俺、蜘蛛嫌いだし」
一人ぶつぶつと呟きながら、校門へと辿り着くと一気に飛び越えて敷地内に侵入を果たした。
人質にされている生徒の救出に向かおうと、生徒玄関の方へと足を向けた美鶴を止めたのは学校中を揺らす轟音だった。
──たしか、オヤっさんの話だと、小埜崎さんが先に向かってるって話だったな。
彼女の強さは本物であるが、何か悪寒がした。
美鶴はその不安の正体を確かめるべく、校庭の様子を探りに走った。
入り込んだ校庭には既に先客がいた。視界に表示されたカーソルが示す答えは、それらは騎士であるということだった。
美鶴はその中に見覚えのある騎士を見つけた。
小埜崎叶望が同調する龍王であった。どうやら無事にたどり着けていたらしい。だが、その姿はすでに満身創痍の状態だった。龍王の左腕は根元からもぎ取られており、損傷部はいたるところにあった。
そんな龍王の前には二体の騎士がいた。
一体はどこぞのマスコットキャラクターかといったツギハギだらけの豚人形で、その手には巨大な包丁が握られている。使い込まれた薄刃包丁を等身大にしたような無骨な刀剣。その他に武装らしいものは見受けられなかった。
もう一体はまるで洗練されたフォルムをした漆黒の人型騎士。全体として翼をイメージさせる鎧を着込んだ少女だった。全身にターコイズブルーのラインが走り、右手には巨大なライフル銃をもち、左手には淡青色の刀身をした片手半剣を握っている。身体中から常に蒸気のような白い煙が発せられている。
美鶴の目の前で、豚人形の騎士が大きく得物を振りかざした。その動作で美鶴に戦慄が走った。
破壊される様を黙って見ている事は出来なかった。
大きく地面を蹴り上げて、彼らのもとへと急ぐ。狂刄鈴蟲を抜き放って、その刀身を豚似の騎士に対して向ける。目測にして五〇メートル弱。
きっとここからの距離では届かないかもしれない。それでもこれ以上距離を詰める時間は残されていなかった。スローモーションで流れる映像。龍王に対して振るわれる刃。
美鶴は意を決してトリガーを引いた。
それは奇跡的ともいえただろう。狂刄鈴蟲から射出された空気の刃は最後にはただの突風となりながらも、包丁の軌道を逸らすことに一役買った。
龍王の大きく上を薙いだ刃は、美鶴にまで届く風切り音を上げた。
その瞬間を小埜崎は見逃さず、龍王を後ろに大きく跳ばして敵と距離をとった。
「大丈夫ですかッ、小埜崎さん」
美鶴の声に、小埜崎の同調する龍王の顔が声のした方角を見やった。七彩の姿を見た龍王の首は傾げられ、そのカメラアイの奥には疑問符を浮かべた小埜崎の姿があるようだった。
「もしかして、美鶴君だったりするのかな?」
「はい、そうです。だいぶやられたみたいですけど、大丈夫ですか」
龍王と二体の騎士の間に割り込むと、七彩の背中に龍王を隠すようにして問いかけた。
美鶴の問いかけに自嘲気味に笑った小埜崎は「ごめん」と呟く。
「美鶴君、ソイツらはニーズヘッグのメンバー。あたしじゃ手に負えないみたい。結局、このざまだよ」
「人質の生徒たちは?」
『大学側のガキも高校のガキも、入口を蜘蛛共に見張らせてるからまだ学校内だぜ。なぁ、おまえは誰だ? おいらの狩りの邪魔をすんのはいいけど、おまえは狩られる覚悟があんのか?』
ふいに男の声が聞こえた。高い調子の声は、どこか戦闘を愉しむ様子を窺わせた。発したのは豚似の騎士。得物である包丁には赤黒い染みが付着しており、美鶴は嫌な想像をしてしまった。
「あんたらこそ、狩られる心配をしなくていいのかよ」
よくて美少女の幼女な見た目の騎士である七彩の粗暴な口調に、豚似の騎士は心底愉快といった様子で笑い声を上げた。
「おまえ、面白いやつだな。おいら、気に入ったぜ。んじゃ仕切りなおしといこうか──」
「No.8、時間がない。さっさと仕事を済ます」
男の言葉を遮ったのは、先ほどまで完全な無口を決め込んでいた漆黒の騎士だった。淡々とした口調には感情の隆起が乏しく、生き物としての躍動が感じられなかった。
そこで美鶴の目に止まったのは、騎士の足元だった。白煙を上げる全身から垂れる液体が落下した場所に氷柱が出来ていた。ここで騎士の煙が熱からではなく、冷気からのものだと分かった。
「いいだろ、No.100。どうせ警察は敷地内には入ってこれねぇんだろうからな」
「でもそこの幼女は入ってきた」
美鶴は内心、ムカっとしたが、平静を取り繕った。七彩の見た目はやはり幼女なのだ。誰がどのような状況で見ても、結果は変わらない。
「分かった、さっさと片付けるから今は赦せ。おいらはニーズヘッグのNo.8、吹切多聞。んで、こっちの無愛想はNo.100、灰渕洸」
その数字が強さの順であるのかまでは判断出来そうにないが、どちらも強いと感じた。戦うことに慣れており、愉しもうとするような雰囲気があった。
豚似の騎士は手にした長包丁を地面に突き立てると、言葉を続けた。
「んで、おいらの騎士の名前はピグモ。この得物の銘は首切り包丁だ。そこにいる序列一五七番の野郎なら少しは骨があるかと思えば、そうでもなかったな。おいら一人で十分だった」
つまり小埜崎の龍王をここまで消耗させたのは、このピグモという豚似の騎士だというのか。美鶴は驚いて、確認の意味を込めて龍王を顧みた。静かに首肯した龍王の姿で答えは足りた。
「まぁ、相手が悪かったと思ってくれ、龍似の騎士の操者。おいらはおまえの技を見慣れてるだけだ。それももっと強力なやつでだ」
ピグモの操者である男、ニーズヘッグのNo.8、吹切多聞は 呵々大笑した。それを漆黒の騎士の操者である洸は呆れた眼差しで見る。話し過ぎだと、暗黙のうちに注意していた。
「──カグツチね」
ふいに発せられた小埜崎の声に、多聞は敏感に反応した。
「んだ、おまえ。瑠衣と知り合いか?」
「瑠衣って、そんな……」
美鶴は小埜崎が動揺するのが分かった。
「相良瑠衣の知り合いなのか? おまえ」
多聞は再度質問を重ねた。それはまるで小埜崎の動揺を面白がるようでもあった。
その名前を聞いた瞬間、美鶴の脳裏にはとある後輩の姿が浮かんだ。相良瑠璃。まさか彼女の血縁者の人間なのだろうか。
「その子の居場所を吐いてもらうわよッ」
それが戦闘の合図だった。
龍王の躯体がバネのように跳び上がり、残された右腕が振り上げられる。
それを追うように駆け出した美鶴の耳元で少女の声が響いた。
『美鶴、私が今からサポートするよッ』
それは人質にされているはずの由佳里の声だった。