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おはよう  作者: 澄篠夜凪


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2/2

ただいま

「ただいま・・・」




 ここ一か月ほどは毎晩終電やタクシーでへとへとになって帰宅する。


 ちらりとこっちをみたと思うけど彼女は返事もしてくれなくなった。




 彼女とは2年ほど前から一緒に暮らしている。初めの頃はそれはもう熱烈な歓迎をしてくれたのに今はこのありさま。


 僕はIT系のスタートアップで働いていて、誰がみても立派なブラック勤務。今は大変だけどいつまでも続く忙しさではないし、やりがいがあって大好きな仕事だ。 と、いうかコンピュータオタク一筋だった僕にはこの仕事以外なにもできないと思う。だから疲れてはいるけど辛いと思ったことはない。




 僕は会社で仕事をしながらカップ麺を食べたので、へとへとの身体にムチを打って彼女の食事を用意する。




「はい、どうぞ。」




 前は大喜びで駆け込むように抱きついてきてお礼を言ってくれて、それはもうおいしそうに食べてくれたのに今は見向きもしてくれない。


 しかたないので半分目があかなくなるような眠気に耐えてシャワーをあびる。身体を拭きながリビングに出ると、食器は空になっていたのできちんとごはんは食べてくれたみたいだ。




 まだ生乾きだけど疲れ果ててドライヤーをかけるのをあきらめベッドに向かう。




「おやすみー そっちで寝るの?」




 返事もしてくれないけどソファーの陰ですこし頭がゆらいだ。ベッドに引っ張りこみたいところだけどそんな気力はない。もう勝手にふてくされててくれ。




 おやすみ。








 2分おきにセットしたスマホの目覚まし、何回鳴って何回スヌーズしたかわからないけどようやく身体を起こす。


 彼女の姿はみあたらないけど、さっと彼女の朝食を準備して身支度を済ませる。


 スマホを鞄の外ポケットにしまい込み、スーツの内ポケットに財布と交通ICカードが入ってるのを確認し、ダイニングの椅子の上に脱ぎ散らかしてたコートを羽織って家をでる。




 どこにいたのか彼女は家を出る時には部屋の奥からこっちをじっと見ていた。




「いってきます。」




 ドアを開けて挨拶するとにらみつけるような無言。結構なご立腹なんだろう。


 僕だって君のふわふわのくせ毛に鼻を突っ込んで深く安らかに寝たかったよ。でも今は本当に仕事が大変なんだから少しは理解してほしい。




 コンビニでパンを一つと飲み物を買って食べながら駅に向かう。行儀はよくないけど時間の節約になるんだから仕方ない。


 駅に着く前にパンを平らげ空を見上げる、大丈夫、体はまだ元気だ。大きく息を吐きだすと真っ白になった息の塊が空に消えていく。


 少し気分よく、背筋を伸ばして両手をポケットに入れて歩き出す。左手にはぐにゃっとした感触。


 ぐにゃ?




 ぐにゃっとしたものを取り出し叫び声を上げる




「うわぁぁぁ!」




 うんち。どうみてもうんち。違う言い方してもうんこ。


 椅子の上に脱ぎ捨てたコートのポケットに彼女が仕込んだんだろう。なんていう嫌がらせをするんだ。


 ひどい、ひどすぎる。




 1ケ月以上日付が変わるまで家に帰れないくらい頑張ってるのに!


 1ケ月・・・もう1ケ月以上か、それだけさみしい思いさせてたんだよね。ごめんね。




 今日は昼休みに彼女の大好きなちゅ~ると、まぐろとささみのミックス缶詰を買って少しはやめに帰ってご機嫌とりをしよう。


 それからふわふわの背中からしっぽまでゆっくりブラッシングするから仲良く寝ようね。

最後まで読んでくれてありがとう。

起伏が少ない日常シーンの描写が苦手なので練習に書いてみました。


評価やブックマーク等していただけるととっても嬉しいです。


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