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ドラッグ

 片山とママは、二人で町へショッピングに出掛けていた。


 あの薬によってほぼ人格に障害を負ってしまった片山は、薬がなければ精神状態を維持出来ない状態になっていた。しかも、ママが所持している薬もそろそろ底をつきかけている。


 なんとか、薬を体から抜くように片山に説得もしたが、元々意思の弱い片山は、薬を止めることがなかなかできないようであった。


 それでも、少しずつ薬を遠ざける努力はするのだが、時折衝動に負けてママに薬を懇願してしまう。彼女も、薬のお陰で若い片山を好きなように出来るので、折れてしまう。

 

 今日は、片山の気をまぎらわせるという意味も兼ねて、二人で出掛けたというところだった。片山は焦点の合わないような目でママの後を惰性で歩いているような様子であった。


 後で、気づいたのだがあの薬は媚薬などでは無く、人格を改変し狂暴性を増加させる。そういう薬のようだった。薬をママに渡した男が私間違えたということであった。


「ママ、ママ、お願いだから……、あの薬をくれよ」最近はところ構わず薬を要求してくる。ママへのご奉仕をすれば薬が貰えるように刷り込まれているようで、必要以上に片山はママの体への接触を繰り返す。


「片山ちゃん、外ではやめて!」ママは、片山の体を突き飛ばした。彼は人並みの中で転けそうになる。すでに彼には自分の体を支える力もないようであった。


 周りの人々は、祖母と孫位のアベックが、イチャイチャしている姿を好奇心で見ていた。それはあまりにも滑稽であった。片山は転げる瞬間にママの鞄を奪った。この中に薬があることを片山は知っていたのだ。


「か、片山ちゃん!ダメ、ダメよ!!」ママは、鞄を取られたことに気づき、あたふたしている。


 開けるというよりは、引き裂くように、片山は鞄を左右に開いたその鞄の中に薬は見当たらない。


「なっ、ない、ない……、どうして?!」片山は錯乱している様子だった。鞄の中を何度も何度も確認している。しまいには鞄を逆さまにして中身を辺りにぶちまける始末であった。


「片山ちゃん、ごめんなさい。もう、おしまい。薬は終わりなの……」ママは薬の在庫が底をついたことを彼に告げた。

「な、なんだって、薬が……、薬がない……だって?!」片山は、仰天するような目で、ママを睨み付けた。


「だっ、だって、あれは高価な薬だしあの男もそんなに置いていかなかったのよ」ママは、片山の目を見て、少し後退りしている。片山の目を見て自分の身に危険を感じているようだ。


「ぶ、ぶっ殺してやる!全員、ぶっ殺してやる!!」片山は、自分の鞄から短刀のような刃物をとりだした。


 


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