無題:3
【──】様は、結構ポンコツな節がある。
この前なんて、自分のエネルギーの効果の残留を忘れたまま新築した自分の部屋に戻って50年以上放置していたから、生態系がまたおかしなことになってしまった。
まあ、私のようなことにならなくて良かった。大急ぎで調整した甲斐があったというものだ。
【──】様が自らやるか、時間を戻せば万事解決だというのに…
不干渉を貫くのもいいのだが、既に生物たちに与えてしまった影響に気付いていないのだろうか?
全く。なぜ私が行ったり来たりを繰り返さなければならないのか…
私がいなければどうなっていたことか分からんな…
最近の【──】様は、いつも動画を見ている。
人間達の作った動画がお気に召したらしい。
昔はあんなに毛嫌いしていたのにな…
なんだか悪巧みをしているらしく、部屋に入れてもらえなくなった。
ボイトレするの聞かれてたら恥ずかしいからと言われ、追い出されたのだが…
ボイトレ…ボイトレ…これか。ボイストレーニング、発声練習、ふむ…ふつう人間がするものでは?
それ貴方に必要なのか?
貴方、神様なんだから、練習せずともどんな音でも出せる上に、声も裏返ったりしないから、やはり練習必要ないのでは?
まあ入ってこないでというくらいなのだから、そっとしておこうか。
やっと部屋に入れてもらえた。
と思ったのだが、昔のような、私用のエリアがない。
いや、あることにはあるのだが、なんだこの狭苦しい檻は。
私は犬猫ではないのだぞ。
サイズを考えろサイズを。
いやはや、【──】様の人間かぶれが酷いな…
それになんだこのエリアは…
なにやら機械がたくさん立ち並んでいる…
…ん?ここは配信部屋?
いや、なんなんだそれは…
なんでそんなもの自分用の部屋に作ってるんだ?
配信する気なのか?
貴方が?
えぇ…?
そのためのボイトレぇ…?
否が応でも配信しようとする【──】様は喜色満面で、私には止められなかった。
歌とかゲームの配信をやりたいらしい。
なんでも、地上で行われている配信を見て、やってみたくなったらしい。
ふーん。
でも貴方歌完璧だし、ゲーム完璧だし、逆につまらないのでは?
え?つまんないって言われたら白(私)を出す?
はぇ?