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ユメかreal?それとも天国…  作者: Spica
第一章 〜覚めない夢〜
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朝食での団欒

「いや、あの、先程使用人のリーティアさんから俺を助けるよう指示したのはその、エトワールさんだと聞いたので…」


そう言いながらリーティアを探すが、どうやら厨房(ちゅうぼう)に居るらしい。


「ああ、エトワールさん、ね!」

と、男が言い、横を向いた。

蒼太も男が向いた方を見てみると、先程入って来た青年が座っている。


「エトワール様はあの方だよ、少年。私はモブリット。ただの穀潰しさ!」


「主の前でただの穀潰しって胸張って言えるなんて、なかなかなのものですね!」


「ガハハハハッ!!」

皮肉とも取れる蒼太の発言にも大きな笑い声で応じ、モブリットは席につく。彼はきっと、自分が緊張しているのを察し、場を和ませようとしたのだろうと思った。恐らく只者ただものではない。…色んな意味で。


今度こそ、エトワール本人にお礼を伝えようと歩み始めたその時、残り2つの椅子の利用者と思われる2人が入って来た。

蒼太より2、3歳年下に見える少年と少女だ。双子か?

気になる身だしなみは、まぁ年相応といった感じだ。

ということは、1番最初に入って来た少女が姉になるのだろうか。この子達の為にも、もっとしっかりしてもらいたいものだ。


「誰?、何その服」

そう言ったのは少年の方だ。


だいぶバカにされている感じだがここは抑えて、

「俺は高木蒼太、よろしく!」と応じる。


「ふーんソータね、へんな名前、服もダサいし。」

今度は少女の方がそう言った。


この子達の教育はどうなっているんだ!、と周りを見たのだが、目に入ったのは姉であろうボサボサの少女だったので、肩を落として諦めた。これから俺がしっかりと躾けてやる。


「2人とも、そろそろ席につくんだ」

エトワールがそう言うと、2人は黙って席に着く。

なんだ、案外素直じゃないか。


配膳が終わり、それぞれ朝食を食べ始める。


「美味い!!、これを、リーティアさんと、セルフィちゃんが作ったの?」と聞くとリーティアが、


「はい、お客様。料理は主に私が担当しています。セルフィは一人前まではもう少しです」


リーティアにはただただ感心するばかりの蒼太だった。


「君たち2人は双子なの?」

生意気な双子に話しかける。


「うん。俺が一応兄でパルス、こっちが妹のサーシャ」

「へぇー、しかし、お年頃の割には2人とも中良さそうだよね」

「仲が良いのかは分からないけど、双子だしね」と、パルス。

「年下に興味あるなんて変態の極みね!」

「今の会話でどうしてそうなる!?」

妹の方は要注意だと肝に銘じておこう。


今いるメンツの中で聞けていなかった名前を知れて満足する蒼太。年頃の子供が多い中、母親らしき人物が見当たらないのはあえて聞かなかった。


「それで、君はどうしてこの屋敷の庭で倒れていたんだい?」エトワールが言う。


「それが、何も分からないんですよね。俺だって目が覚めたらベッドにいた訳で」蒼太はありのままを伝える。


「ふうむ、この国のことも知らないみたいだけど、どこか頼る当てはあるのかな?」


「いや全く、今はとにかく早く、住むところと、仕事を見つけないと」


「ならウチに住むと良い。使用人として働いてくれるのならね!」

エトワールからの突然の提案だった。

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