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高収入悪夢治療バイト・未経験者歓迎  作者: 木岡(もくおか)
第5章 ケース4:ホラーゲームRTA
74/113

第74話 RTA動画

「それじゃあ。おやすみ」


「はい。まだ暗いので気を付けてください」


 微かに明るくなり始めた空の下、マンションの外まで桜田を見送った――。


 その後、部屋に戻った凛太はさっそく行動を開始した。ノートパソコンを立ち上げて検索ボックスに「闇憑き洋館」と打ち込む。


 凛太もそろそろ寝る時間だったがこんな日の後に興奮が抑えられるはずもないのでもう少し起きていることに決めた。


 さっきまで桜田がいたベッドに寝そべりマウスを操作した。少し外に出てきたのでまだ自分のものではない香りが残っていることがよく分かる。何の匂いとは分からないがとにかく甘くて良い匂いだ。


 検索ボックスに続けて打ち込んだのは「考察」という文字だった。やる気がべらぼうにあるのはそうなのだが早朝にもう1周いくのはきついので眠くなるまでは本編で気になったところを調べる。次の練習を効率的にする為であることはもちろんのこと、単純に気になった。


 闇憑き洋館のラストは……主人公を要所要所で苦しめた赤黒い球体が洋館という建物自体に寄生し化け物たちも吸収して、滅茶苦茶になった内部をなんやかんや死に物狂いで逃げていたら心臓のような部屋にたどり着き、それを破壊することで化け物たちを消し去り洋館を脱出するというハッピーエンドなのだが……結局のところあの化け物たちは何だったのかははっきりとは語られていない。


 考察を載せたサイトや考える人は思ったよりもたくさんいた。画面をスクロールして求めるものが書いていそうなサイトをいくつか見ていく。


 ゲーム内の謎のメモや意味ありげな演出や部屋でも予想がついていたことだったが、どのサイトでも主人公が迷い込んだ洋館では昔連続殺人事件が起きたという考察があった。ミステリーにありがちな館もの殺人事件の成れの果てがああなったらしい。


 童謡や絵画の通りに殺人が起きたことや化け物たちがもとは人間だったという演出があった。


 そしてゲームをある条件を満たしたうえでクリアすることで見れるトゥルーエンドでは主人公こそがその殺人事件後行方不明になった犯人だということが分かるということも知った。


 言われてみればなるほどという内容の考察や、このゲームなかなかやるじゃないかという感想を凛太は抱いた。作中にも凛太がプレイ中に気づかなかった結末を示唆するものがあったらしい。


 考察にほどほど満足した凛太は次にRTA動画を見た。もともとクリアしたゲームを最速でクリアした人がどんな動きをするのか見るのが楽しいので見たことがあるようなものだったが闇憑き洋館のものは特に見てみたくて思い立ったら我慢できなかった。


 RTA(Real Time Attack)とはあるゲームのクリアタイムを計測して短さを競うプレイスタイルのことで、人気のゲームなら例外はあれど全てにいくらかの競技者がいる。


 RTAプレイヤーの動画は見るのが面白くて人気があるし、これからゲームを極めんとする人の攻略動画にもなる。今の凛太にとってはぴったりだった。


 眠くなってきたので寝る準備をしながら……それが終わったら布団に入って枕に頭を乗せながらざっと見ていった。

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