突然の出発
捨てられました。
はい、まだ子供です。ようやく安定したひとり歩きを覚えました。今、僕は森の中に居ます。
どうしてこうなったか、説明しましょう。
僕は灰猫族という猫の獣人の集落に、可愛い女の子として生まれました。しかし、そこでいきなり問題が発生しました。僕は毛の色が黒かったんですよ。まあ、毛の色の遺伝子なんて複雑なもの、組み合わせ次第では白も黒もあるでしょう。しかし、僕が生まれた直後に、集落が狼の群れに襲われ、4人が怪我を負いました。まあ、後はお察しの通り、親に匿ってもらっていましたが、見つかって、難癖をつけられ、置き去りにされました。
父さん母さんには悪いことをしたと思っていますが、ある意味いつか抜け出す予定が早まっただけかもしれません。 (いくら何でも早すぎですけど。)
「しゅてぃえーたしゅ」
『完全耐性』(斬撃完全耐性、打撃完全耐性、刺突完全耐性、魔法完全耐性、出血完全耐性、毒完全耐性、麻痺完全耐性、薬物完全耐性、睡眠完全耐性、疲労完全耐性、断食完全耐性、呪い完全耐性、精神干渉無効、熱変動完全耐性、空気成分変動完全耐性、圧力完全耐性、etc.)
『言語理解』
『土魔法』
神様 (?)すら全部書くのが面倒になったみたいですね……。
「しゃて、むぉりをでましゅょうか。」
集落と逆の方向に向かって進んで行く間に、喋る練習が必要そうですね。
ちなみに、彼女が殺されていないのはただ単に出来なかったのです。斬撃等無効ですし。