プロローグ
舞台は2100年。
第三次世界大戦後から、10年後の物語である。戦後は少子化対策により、多数の先進国が移民を受け入れる事になった。
海外マフィアなどは、移民というシステムを悪用して、先進国に犯罪者を送りこんだ。表向きは善良な移民のふりをして、裏では犯罪の限りをつくしていた。
その結果、先進国は治安が乱れてしまった。
警察も大使館との兼ね合も関係もあり、移民を簡単に取り締まれる状態ではなかった。そこで、移民の犯罪を警察に代わって、取り締まる職業が出来た。それを人々は賞金稼ぎと呼んだ。
政府は国としてではなく、個人が捕まえるという建前で、大使館を黙らせたのであった。
賞金稼ぎの免許を持っていれは、国境を関係なく逮捕権が与えられるのだ。
依頼主が賞金額を設定して、賞金稼ぎに依頼をするシステムが出来た。
それが、インターネットの『ワイルドバンチ』という賞金稼ぎ専用のサイトである。依頼主が賞金首を登録すると、賞金稼ぎが仕事内容を見ることが出来る。
ただし、賞金稼ぎは依頼主の承認をもらう必要がある。承認を貰った賞金稼ぎのみ、賞金額が支払われる。
これは、賞金稼ぎ同士の殺し合いをなくす為である。
以前に同じ賞金首を巡って、殺し合いになってしまった事例があったからである。
ただし、採用する人数は依頼主が決める事が出来る。就職活動に近いシステムだと考えて頂ければ分かりやすいだろう。若者の間では、賞金稼ぎという仕事が当たり前の時代になっていた。
ある者は一攫千金を狙う目的のため。
ある者は腕試しの目的のため。
ある者はスリルを味わう目的のため。
目的は人それぞれだった。
そして、ここにも2人の賞金稼ぎの少女達がいた。