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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「王と  」
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「影絵の鴉」 その2

森の中の一本道をオレ、シザース、ロストの三人で進む・・・・・・


「ん? あれ、ロストは?」

ふと気づけばロストが居なくなっていた


さっきまで隣にいたはずだが・・・・・・

キョロキョロと周りを見渡しても居ない


「かくれんぼでもしてるのでは無いか いずれ現れるだろう」

そう言って興味の無さそうに歩き出すシザース


「いやいずれって」

でもま、確かにそうかもな


何故か妙にロストがそういうのをしそうな気がする


そう思い、ありきだそうとしたら

「ま、待って~~~~~!!!!」


後ろから声がして、振り向くとロストが居た 結構遠くに

「ぜぇ、ぜぇ・・・・・ ふ、二人とも早いよ・・・・・」


ようやくこちらにたどり着いたのち、息も絶え絶えで、ペタリとその場に座り込んでしまうロスト


「大丈夫かー?」

ロストに駆け寄りながら言う


「歩幅が狭いからな」

ロストに近づくなり、シザースは言う


「ほ、歩幅   ぜぇ、狭いとか 言うな・・・・・っ」

未だに息を切らせながらロストは言う


「取り敢えず、呼吸を整えようぜ ほら、ひっひっふー ひっひっふー」


「そ、それ出産のやつ!」

そう言いながらも ひっひっふー と繰り返すロスト


やるんだ、結局


ようやく呼吸が落ち着いたのか、 ふー と最後に一呼吸入れて、「それにしても・・・・」と、ロストは自分の体を眺めながら言う


「こんなにも小さい体が大変だとは思いもよらなかったなぁ・・・・」


・・・・・その言い方だと、まるで元は体が大きかったようにも聞こえるが、

まぁ、たまたまだろう


「それより早くいくぞ」

再び歩き出そうとするシザース


「今度は僕の歩幅に合わせてよ」

「断る」


速攻でロストのお願いを切るシザース


「大体お前の足が遅いのが悪い」


「そんなこと言われても・・・・・」

確かにそれは理不尽だ


「なら、こうするか」

「んぇ?」


オレはロストを持ち上げる

見た目以上に軽いロストに驚きつつ、ロストを肩に乗せる


まぁ、ただ単な肩車だ


「え、ちょ、ま、待って!」


「ほらほら暴れるな 落ちるぞ」

上でじたばたと暴れるロスト


「とっとと行くぞ」


「待って、降ろして王さま! ねぇってば!」

恥ずかしいのか何なのかは知らないが、未だに降りようとするロスト


「歩くよりはマシだろ? ほら、恥ずかしいなら街の手前で降ろしてやるから」


「う~~・・・・・・」


まだ不満そうだが、暴れるのは止めるロスト

と、


「・・・・・どうした、シザース?」

ふと、シザースがこっちをじっと見ているのに気づく


「いや」


そう言って少し黙るシザース

相変わらず無表情だが、何か考え込んでいるようにに見える


そしてこんな質問をされた

「お前らは兄妹なのか?」


「いや違うよ?」

と、答えるのはロスト


「てか、何でそう思ったの?」


「いや 妙にお前らが仲が良いからそう思っただけだ」


「・・・・そんなに仲が良さそうに見えるか?」


「見えるな」

即答された


「ところで、お前らは何時から知り


まぁいい、行くぞ」

そう言って歩き出すシザース


「? お、おう」

何か今違和感があったような・・・・・・・・・





会話を『隠す』 そうすると脈拍もなく会話が終わる

自分が言ったことが認知されず、相手が言ったことも認知出来ない

ふぅん、結局使い勝手が良いな、これ


「・・・・・・どうした?」


「いや別に?」

王さま声に反射的に反応して下を見る


「・・・・・・・っ」

ち、ちょっと怖いな・・・・


前まではこれくらいの目線が普通だったのに、何故か身体が小さいとこの高さでも怖くなってしまう

おまけに少しぐらぐらするし


しかし・・・・・

「・・・・・・・・・・・・」


王さまの顔を覗き込むようにして、落ちないように気を付けながら、前のめりになる

それに気付いた王さまがこっちを向き、僕に向かって微笑む


「どうした?」


「・・・・・・・・いや、別に」


・・・・・こうゆうのも、悪くないかな?

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