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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「王と  」
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「無名の人間」 その3


「願い  願いねぇ・・・」

もう夜が深くなる時間 食事も済ませ、自由に使っていいと言われて部屋のベットで二人、考え込んでいた


「そもそも、願いが叶うって、どんな形でかなうんだろ?」


「・・・・・どうゆうことだ?」


ベットに寝っ転がり、考えるように窓から見える、実際には真っ暗で何も見えないが、景色を見ながら言う

「例えば・・・・猿の手って、知ってる?」


「猿の手って、あれだろ? 願いが願わない形で叶うってやつだろ?」


「そ、その猿の手」


猿の手、確かジェイ・・何とかという小説家か書いた小説で、三つまで願いが叶う猿の手のミイラを貰った主人公は大金が欲しいと願った すると息子が事故で死に、賠償金(大金)を得たという話だったか


「つまりさ、願いを叶えられる時に、知らないうちに何か代償が支払われている可能性があるんだ」


「ふむ・・・確かに」


確かにそんな都合がいい話がノーリスクってのも変な話だ

そうなれば裏があると考えるのも当然だろう


「もしくは何か、こう、ギフト的な?」


「ギフト?」


「要は天武の才的な、『君に才能を与えよう その代わり、使えるかどうかは君次第だけど☆』とか これなら一応は可能性的にはあるんだけど」


成る程、暇を持て余した神々が面白がって人間に力を与える訳か

「はは、面白い発想だな!」


「・・・・・こっちは真剣に考えてるんだけど?」


「はは、悪い悪い」

オレは起き上がり、頬を膨らませる幼女の真っ黒な髪を撫でながら言、う・・・・・・・・・・・・・

「って、! 誰だお前‼」


「あ、バレるもんだね」


いつの間に居たのか、真っ黒な黒髪に紫色の瞳 黒をベースに所々星形の黄色いラメが入った、少しサイズの大きいパーカーとショートパンツを履いた幼女が、いつの間にやらそこには居た


「うーん・・・このまま隠し通せると思ったんだけど、そんなに都合よくいかないか・・・・・」

頭を掻いて、一人幼女はぶつぶつ言う


「仁にも気づかれてたし、ああ、でも刹那ちゃんには気づかれて無かったし、君もさっきまでは気づいてなかったよね」


「お、おう・・・・?」

良くわからない、良くわからないが、独り言を聞いている限り、どうやらこの子が、仁の言っていた()()()らしいってのは何となく分かった


「うーん、何で今になって気付いたんだろ・・・・・・」


「あ、あのー・・・・」


「ん? 何?」


良かった 仁みたいに問答無用に話を聞かない子じゃなかった

そう安堵しつつ、少し警戒して言う


「そろそろ、君が誰かって聞いてもいいかい?」


「ん?僕は



・・・・あー、名前考えて無かったなー・・・・・」

「んー、名前は———————ロスト、で行こうか ロスト、ロスト・・・うん何かいい!」

「後は・・・ あ、そうだ! 僕も吸血鬼と人間のハーフって事にしよう!」

「何かカッコいいし、それに・・・・・・・」

「それにしても・・・・・・ こっちはちゃんと効いてるみたいだね いや隠せてるって言った方がいい?」

「やっぱ何でバレたんだろ・・・・ 触られたから?」

「ま、いいやそろそろ戻して・・・・・・



ロスト ロストって言うんだよ!」


「ロスト、ね」

ロスト 確か翻訳すると失うって意味だったか

名前的には結構不吉な名前だな 親はどんな意味を込めてそう名付けたんだ?


「それで吸血鬼と人間のハーフなの」


「お前もなのか?」


「うん、そう」

そう吸血鬼と人間のハーフってポンポンいるもんなのか?


「それよりも、」


「それよりもって・・・・・」

もっと種族のことに追及してほしかったのか、少し残念そうにしているロストを無視居て言う


「・・・何時から居た 何の目的で居る」


もしかして、こいつがオレをここに連れてきた犯人か?

何があっても何か行動は取れるように少し身構えていたが、


「何時からって言われてら最初から」

特に何もなくロストは言う


「最初って、オレが森に居たところからか?」


「うんそうだよ」

ガチ最初じゃねぇか

・・・・・まさか、あの人影はお前が?


「それで何の目的かって言うと、」

ふと、ロストの紫色の瞳と目が合った


・・・・・その時の様子を何と表現したら良いだろうか

「君が心配だから」


子供を心配する親のような、それでいて友達と別れたみたいにとても悲しそうな、それなのに何かを決心したような

そんな様々な感情が入り組んだ瞳が、そこにはあった


「だから安心して、君に危害を加えるつもりは無いから」


「・・・・・・そうか」

ロストの頭をナデナデしながら、オレは言う


「・・・・・・あの、何で僕の頭をナデナデしてるの?」

邪魔そうに言うが払いのけようとはしない


「んー、ナデナデしやすそうだったから」


「何その理由!」

頬を膨らませてロストは言う


「・・・・・・・・・うむ」

やだ、何か可愛い 

て言うか今更だがこいつ僕っ子幼女なんだよな

結構属性が良いな


「何か他にしてほしいことがあるか?」


「してほしい事って何!?」


「抱っことか、子守歌とか、高い高いとか、」


「僕は赤ちゃんじゃ無いから!!」


「じゃ、一緒に寝る?」


「・・・・・・・・・・・」


チラリ とロストは一つしかないベットを見る

「ま、まぁベットは一つしかないからね」

とロストはベットのシーツの中に入り、

「それならしかたがないね、うん」


片側のスペースを開けて寝る体制に入った


「もう夜も深いし、もう寝よ、王さま」


「そうだな」

・・・・・・・・ん?

「王さまって、オレのことか?」


「うん、レイってそうゆう意味でしょ?」


「・・・・・そうなのか?」

そうだったっけ?


「まぁいいからほら早く寝て」


「お、おう・・・・・」

取り敢えず電気を消して寝っ転がる

自分が感じている以上に疲れていたのか、びっくりするほどすぐ眠れた







・・・・・・・寝たね と、言うか寝ちゃったよ


寝さすことも出来るのか実験する前に寝ちゃったよ

相当疲れてたのか、はたまたそうゆう性質なのか、僕を抱いたまま、ものの数秒で寝てしまった


抱かれてて身動きが取れないので、とりあえず天井を見ながら整理してみる


まず一つ、願いはスキルみたいな感じで叶えられる 現に今、僕は何かを『隠す』ことが出来るみたいだ

例えば自分がいることを隠して姿を消したり、話している内容を隠して聞かれないようにしたり、話をしていること自体を隠して僕と話をしているのに気づかず話が出来たり


・・・・・うん、中々に面白い

そして、これが僕の願い、なのか・・・・


隠すこと、秘匿すること、邪魔されないこと?

考えてみるが、自分でもよく分からない


「そもそも、この状況が最も分からないんだよなぁ~・・・・」


よもや人に抱かれる日が来ようとは・・・・

王さま(レイ)を見ながら、ため息をつき、そう思う


「・・・・・・本当に、どうなってるんだ?」


なぜ触れると僕の力が働かなくなったのか(仮定)

それに、これは()()()()()()()()()()()()


・・・・・これは、影武者、ということなのか?

考え度考え度、分からない


「まぁ、いいか・・・・・」

取り敢えず、今はまだいい

問題は二つ目だ


輝闇 仁、やつは侮れない すぐ僕が隠れていることに気付いたこと


そして説明下手なこと

あいつが説明下手なのは、自分で全てのことを予測でき、理解できるほどの頭を持っているのだろう

何故分かると聞けば、なぜ分からないとあいつは返すだろう


全く天才肌め・・・・・・・


・・・・・しかし、だからこそ悪い噂が出て、嫌われるのだろう

そこには、気の毒に思っとくか


「ふぅ」

とため息をつき窓から見える月を見る

そういえば試しにさっき窓から見える風景を変えてみたのだが、王さまにはどう見え


「ふぐ」

寝ている王さまに強く抱きしめられた


「だ、抱き枕じゃないん・・・・・・」


・・・・・・・ふと感じる、人の体温


「・・・・・・・・・・・」

そういえば、人に触れるのって、いつぶりだろ


・・・・・・まぁ、いいや 寝よ

そう思い目をつぶる


段々と意識が薄れる

そんな中、ふと思い出す


『本当の願いってのは本人にも分からないものなので、くれぐれも気を付けてくださいね 君』


それって、どうゆう、 いみ   な   んだ  ろ・・・・・・・・・・・・

それと・・・・・・ 仁に  は  気を 付けな い  と

下手する と    殺 さ    れ     ちゃ   ・・・・・・・・・・・

———————————————————



気付けば、自分は微睡の中にいた

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