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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「王と  」
13/129

「偽るは王の道」 その3

「黒毛の動物?」

オウム返しにロストは聞き返す


「そうなんだ クロウの時も見て、今回のアイスホッグ、だっけかな?あのハリネズミ そいつが現れる直前にまた

最初はクロウの事だと思ったのだが、流石に二度目はな・・・・」


アイスホッグが現れる前、その時にも見たのだ 黒毛の動物を


「・・・・・・・・・・そのことは、刹那に?」


「いや、言って無い」

その時ははぐらかしておいた 一応ロストの意見を聞いてから言おうと思ったからだ


「もしかして・・・・・・・・・・・・」


「? ロスト?」

ふと、ロストの顔が真剣なのに気が付いた


「何か、知っているのか?」


しまった! と言ったような顔にロストはなる

「あ、いや、別に何も!」


「・・・・・ロスト」

疑問形では無い

何か知っているなら言ってくれ そんな気持ちを込めて言う


「その・・・・・・・・」

言いづらそうにして、結局観念したのか、ため息を付いておずおずと言う


「・・・・・これ、僕が犯人っぽくない?」


「え?」

いやどうしてそうなるんだ?


「だってさ、真っ黒な動物って、」


そう言って机を見るロスト それにつられて机を見ると、

「これは・・・・・」


真っ黒な毛の猫が居た

いや、正確には目だけがくり抜かれて白い、影絵のような猫が


「黒毛の猫が居た何て言われたら真っ先に偽れる能力を持つ僕が疑われるだろうね・・・」

ため息を付きながらロストは言う

そういえばシザースもロストが犯人じゃ無いかと疑っていたな


「でも、それだとクロウに襲われていたのは」


「自作自演って言われるだろうね」


「う・・・」

確かにそうゆう予想も出来るが・・・・

「でも」


「だから、」

とロストはオレの言葉を遮って言う


「この事は、他言無用で」


「・・・・・・・・・・・分かった」

不満はあるが、ロストが嫌に真剣なので黙っておくことにした


「しかし、『反王』って」

何故かいつの間にやら付けられた二つ名、だよな? を思い出したのか急に笑い出すロスト


「変か?」


「いや?」

ふと、その笑い方が妙に嫌に変だったのに気づく


「ちょっとカッコいいなって」

嬉しそう、と言うより、

「ホント、僕とは大違いだね・・・・・」

自嘲気味、と言うか、何か変な感じだった


「・・・・・なら、お前もカッコいいのを自分で付ければ?」

何かまたロストが部屋の隅で縮みこむ不陰気があったので強引に話題を変える


「自分で二つ名ねぇ・・・・・・・」


「何なら、オレが考えてやろうか?」


「・・・・・因みに?」


あまり期待して無いが とでも言いたそうな顔だった

これは良いのを出さないと


「そうだな・・・・・・ まずはシンプルに『偽りの女王』ってのはどうだ?」


ロストは偽る能力がある そしてオレ、レイ()の隣にいる人物

割と偽りの女王はカッコいいんじゃないか?


「却下 女王って響きが嫌」

速攻で一蹴された しかも真顔で


「てか、僕が王さま(レイ)を王さまって呼んでるんだから女王って言うより家臣だよね・・・」


「うーむ、ん? そうか? 別に女王が王さまって言ってもいい気がするが・・・・・」


「そう? まぁどのみち女王は嫌だから却下で それとも家臣路線で考える?」


「ん? んー・・・・・・・」


ロストが家臣、偽りの能力を持つ家臣・・・・・ 下手をすると毒を盛られそう

王の最後は身内の暗殺で終わる よくある話しだ

てかマジでしそう


「家臣路線は止めよう!」


「??」


何かマジで暗殺されそうに思えて来た

「女王が嫌なら王に、偽りの王『偽王(ぎおう)』はどうだ?」


「うーん、カッコいいけど・・・・・」

これもお気に召さないらしい


「わがままなお姫様だな」


「いや始めたのそっちでしょ!」


「ごもっとも」


「・・・・てか、何で僕を高い身分にしたがるのさ」


「いや、何となく、オレが王さまなら隣に居るのも身分が高い人かなぁ、って」

これも何となくのイメージだが・・・・

それに、やっぱりロストには着飾って欲しいという思いも少しある 


「それならもう偽りの大臣でいいよ」


「却下 ぜってーオレを殺す気だろ」

数舜キョトンとしてから「そうゆう事ね」とロストは笑う


「うーん、けど、女王は嫌だし、あ、姫も嫌だよ 王の隣に王が居るってのも船頭多くして船山に登るみたいだし・・・・・」


「うーん・・・・・・・」


王の近くにあるもの、玉座? 召使い? 市民?

「・・・・・・城?」


「城?」

そう聞き返されて自分が思っていたことを口に出していた事に気付く

何でもない そう言いかけたとき、


「城 城 城壁・・・・・・・」

そう呟きながら何回か頷くロスト そして、

「・・・・うん、これだ」


と、オレの方を向いてロストは言う

「虚栄の城壁、『ヴァニティ・(虚栄の)キャメロット(城壁)』 これが良いや!」


「・・・・どうして、虚栄の城壁なんだ?」


「決まってるじゃん!」

と、ロストはオレの手を、その小さな手で包み込む


「僕は偽り(虚栄)で王さまを守る(城壁)になりたい だから、ヴァニティ・キャメロット!」

偽りなく、変な感じも無く、ロストは笑う


「ロスト・・・・・・・」

包み込むロストの手は、温かかった


「あ、そろそろ夕食じゃ無い?」

照れ隠しなのか、そう言ってオレの手を離す


「今日は何が出てくるのかなー 結構美味しいんだよね、ここの夕食は!」


「・・・・そうだな」


「折角だから、仁と一緒に食べよっか」


「そこは刹那とシザースも入れてやれよ」


「・・・・・シザースって物食べるの? 人形でしょ?」


「うーん、どうなんだろうな」

そうゆうやり取りをしながら、オレとロストは部屋を出る





「・・・そういえば、ロストって、猫、好きなのか?」


「?? まぁ、犬よりも好きだけど、どうしたの?」


「・・・・・いや、何でもない」


「???」

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