混乱が招いた混乱 その2
「……もう全面戦争すれば?」
ロストは呆れたように言う
「と言うか、それは戦争すべきだよ、人間とは過ちを起こして成長するものだ 歴史は繰り返してはならない、逆に言えば一回くらいはやっても良いんだよ、それこそ核爆弾を開発しようが地球温暖化が起きようが、次に失敗しなければ良いから、ね? だから一度くらいは全滅しよ、 ねっ?」
「にんげんはしすべし」
「あっ、やめっ 分かった! 分かったから!! その何処からか取り出したか分からなナイフを向けるのは止めて!! やめ、ちょ、マジで殺しに来るのは止めてーーーー!!?」
ロストに言われた通りアインはイドルの敵である人間、ロストを抹殺しようとしているところを見ながら私は自称マスターとアリスと話しをする
「えと… つまり、これ、どうすれば良いんですか?」
「ドウシヨウも無いと思うのですガ……」
グラスを磨きながら自称マスターは言う
「これは本当に巻き込まれた、と言うよりも、混乱に乗っかってしまったと言うべきでしょうか
何せこれ、悪いのほぼイドルでは無いですか?」
「正確には、イドル達も悪い、よね」
「いどるたちはわるくない …と、いいたいが…… ねこがいったとおり、こんらんにのっかってしまったこっちもわるい」
ロストを捕獲したアインは、申し訳半分、呆れ半分で言う
「あの、話しを切る様で悪いんですが、そろそろローブ一枚はどうにかしません? その…ロストちゃんを抱えている状態だと、その…見えそうですよ?」
すっかり忘れていたが、アインは現在ほぼ着ていない状態だった
「にげるときにげすいどうをとおったため、ふくがやばくなってしまって それをきるくらいだったらぬいだようがよかった」
「どうやら、コロニーは環境の事は考えていないのね だから戦争なんてするのよ 全く、美意識に欠けるわね」
アリスは呆れたように言う
「まぁきにするな、さーびすださーびす」
「サービスって……」
一体誰に? 自称マスターしか男性居ないけど……
「ま、気になるんだったら、ほい」
パチン、と指を鳴らすロスト
「こんな感じで良いかな? 少し作業着感出してみたんだけど」
「……ロストちゃん、君本当に何者?」
ロストが指を鳴らすと同時に、アインは首に作業ゴーグルをして、何処かお洒落なミニタリー風な格好になっていた
「気にしない気にしない」
「いや、そろそろ誤魔化さないでよ……」
流石に二回目は許容できない、いくらここが異世界みたいなところだから使えると仮定しても、明らか昨日今日出来るようになったと言った感じでは無さそうなのだが
「……よく考えればこのメンツって、ほとんどがシェイドよね?」
ふと思いついたようにアリスは言う
「しぇ、しぇいど……?」
そしてまた私の知らない単語
いやその言葉が陰と言う意味なのは知ってるけど
「………………もしかして…………」
と、アリスは顎に手を当てて考え込み、
「ワンちゃん、もしかしてアナタも何か出来ない?」
「え…? 何かって何ですか……?」
「何かは何かよ」
質問を質問で返すアリス
「えと… 良く分からないですけど、私は何も出来ませんよ…? いえ、誰かと話すくらいは出来ますが…」
「そうでしょうね、アナタは何も出来無さそうだもの」
「……………」
聞いておいてその反応は無いと思うんですが……
「ま、アナタには期待しておくわ 精々、マネージャー… ユウキ君とは違い、アナタは有能な事を期待してるわ」
「…マネー、ジャー…?」
本当に良く分からない事だらけだった