ユーザーチェック その4
「まずはここの説明ね ここの名前は『アンティーク』文字通り、ほとんど雰囲気を楽しむ以外に無用な場所よ」
ぐるりとアリスは店の周りを見渡す
確かにアリスが言った通り雰囲気はかなり良い しかし雰囲気が良いだけ、という事は…
「お察しの通り、もっと先に最先端な都市があるわ つまりここは時代に置いて行かれた場所」
そうアリスが言った当時に、 ボーン… ボーン… と、歯車仕掛けの時計が鳴る
「…今や、目をつぶってない限り時刻が見える時代なのだから、こうゆう定時的な鐘の音も、もはや雰囲気づくりの産物なのかしらね」
「そう? 僕ら学生的には雰囲気どころか大事な物… あぁ、でもどの道学校という雰囲気を出す為にチャイムが鳴ってると言っても間違いでは無いのか 前に学校で『会社ではチャイム何て物は無いんですよ』何て言われたし、ある種の演出って事か」
何処か寂しそうにため息を付く外見小学生のロストちゃん
「凄いねロストちゃん、そんな歳でそんなに考えられるなんて」
「…………………」
何故か凄い微妙な表情のロストだったが、まぁ、照れているのだろう
「それでアリスさん、何で私たちはこんな場所、 異世界…なんですかね、こんな知らない土地にいるんですか?」
「さぁ? そんなの分からないわよ」
その言葉を待ってたとばかりに肩を上げて言うアリス
「あの子がこんな場所に連れて来たって言うんだったらアタシには分かりようも無いし、精々ネタが欲しいいからRPGでも楽しんで、それをネタにさせてくれくらいなのよねぇ」
「右に同じ」
どうやらアリスとロスト、この二人は誰が、ロストによれば多分黒猫らしき物がこんな事をしていると分かってて、それでも真意は知らないようで、アリスは分からないのを楽しそうに、ロストはめんどくさそうに言った
「そこの三毛猫マスターちゃんは何か知らないの?」
「知りませんネー、何せ、タダのマスター気取った猫デスから」
何か知っているような、そうで無いような、そんな笑みで自称マスターは言う
とにかく誰もこうなった理由は分からないらしい 私はほとんどみんなが言ってる事は分からなかったが、タダ一つ、分かる事はある すなわち……
「……あの、皆さん、何で私だけこんなに仲間外れなんです…?」
どうやら自分だけ何一切知らないという事だ
「そりゃ、シバお姉ちゃんはずっとその立場だったからね」
「?」
「そうねぇ、アタシもテッキリずっとそんな立場にいると思ったのだけれども… 何でワンちゃんなのかしらね」
「??、?」
えと… 本当に何の話し?
「あー、アレなのではナイですか? 序盤に沢山キャラ出し過ぎた為に出所に困っているとか、あの、人…? まぁあの人、清書の文章中に意味ありげな文でメモをするタイプですから、メモがてらに序盤にキャラ出しまくったのは良い物の、出るのが後半になりそうで現状空気になりそうだから、スキがある内に出して置こうって寸法では?」
「なにその過去の自分に怒り出しそうなタイプ……」
「???????」
何故かマスターも会話に入り、全く訳が分からず置いてきぼり過ぎる私
「しっかもそうゆう事スルと新キャラ出しにくくなるのに、現に前のヤツ、新キャラほとんどフェードインしなかったからですからネ、見ちゃイケナイ物と故人だけでしたからね」
「そうねぇ、確かにちゃんと一章ごとに違う女の子は出さないといけないって言うのが、最近のノベルの風潮よねぇ でも、あんまり増えすぎても覚えれないのは事実だし、基本的人気作品のキャラって序盤に居た人の名前しか覚えて無い物だし、むしろ序盤で一気に出す方が良いんじゃ無い?」
「あ、そう言えばその骸骨王のヤツもそんな感じ… なん、だっけ? 僕その作品マンガの一巻とカード化された奴しか知らないから」
「ナ、アレ見て無いんですカ!? せめてアニメは見ましょうよ!」
「んー、でもアニメ見るのあんま好きじゃ無くて……」
「なら、思い切って小説買ったら? あれおっきいタイプで少し高いけど」
「いやー、でもなー………………」
「……………………………」
カラン カランー…
私は理解するのを諦めて、何か分かるかも知れないのでこの歯車の街を探索する事にした
未夜)これが尺稼ぎってヤツだね!