ユーザーチェック その1
「………どこ、ここ?」
気が付いたら見慣れない場所にいた
右をキョロキョロ、左をキョロキョロ…
「……‥どこ、ここ??」
もう一度、そう呟いた……
…取り敢えずまずは現状確認
私の名前は芝埜川 沙里香、夕日向高校一年の女子だ
同級生に時杯 優鬼と言う生意気なヤツ、センパイに亡神 冷鵺と言うちょっと変わった人と、三鏡・グレモリーゼ・リアス、ハーフの金髪で可愛いリアス先輩がいる
うん、そこまではいい
そんな人たちに囲まれて学校生活を送っていた私、そんな私の下校時、ふと奇妙な猫を見つけた
凄い真っ黒な黒猫で、それよりも目立ったのは尻尾が二つある事だった
「それで… その猫を追いかけてたらいつの間にかこんなところに……」
………うん、
「神隠しにでも…… 逢っちゃったかな……」
だって尻尾二つだよ? それもう妖怪だよね、絶対そうだよね?
「うーん……」
…まぁ、ここで頭を捻っていてもしょうがない
もう一度私は辺りを見渡す
妙に整った大地、誰かが整地でもしたのかと思うくらい整った感じがしていた
…いや、もしくは、人の手が加えられていないから、これ程までになってしまったのだろうか、取り敢えずまとめると草木一つ無い辺鄙な場所だった
「ガンマンでも居そうだな……」
「うーん、そうかな? 砂ぼこり舞わないこんな地形だと、どっちかと言うと歯車の街な気もするけど…」
「あー、そう言われて見ればそう------」
………バッ!?
「だ、誰!?」
イキナリ独り言に返答が来て、驚いて振り返る
「よっ、 あ、違う、初めましてシバちゃ…お姉ちゃん」
いつの間にか、そこには黒い髪と黒いパーカーを来た小さい女の子が居た
「…えと… 君、誰?」
「ロスト、ヴァニ……まぁ、それはいいか とにかく僕の名前はロストって言うんだ」
印象的な紫の瞳をこちらに向けて、ショートパンツのポケットに手を突っ込みながら言う
声色的に多分女の子なのだろうが、言動と格好が相まって男の子のように見える
………しかし、何だろう……
「えと… もしかして何処かで出会った事ある?」
「いや、全然、全く」
「……そう」
何処かこの子に既視感を覚えた気もするのだが… まぁ、気のせいなのだろう、知り合いに紫の目をした子なんて居なかったし
「あ、私は芝埜川 沙里香って言うの よろしくね、ロストちゃん」
「ん」
ロストはそう素っ気なく答えてから辺りを見渡す
「それにしてもシバ…お姉ちゃん、ここ何処か知ってる?」
「ごめん私も知らないんだ、気付いたら此処にいて……」
「…そうかー」
私の回答を聞いて、知ってたと言いたそうな困った顔をするロスト
「そうだよねー、だってシバちゃんアヴァロンの事知らないしねー」
「…アヴァ…?」
「あ、気にしないで 多分まーたあの黒猫の仕業なんだろうね」
黒猫、って………
「私、黒猫は見たよ! 此処に来る前!」
「…………………」
はぁ~~~~~~~……‥………… と、大きなため息のロスト
「あー、はいはいまたその事案ですかなるほどね」
「えと、ロストちゃんは何か知ってるの?」
「いや、ほぼ知らない」
またため息を付きながらロストは言う
「確かに黒猫は知ってるけど、あの子の考えてる事全く分からないし、何をしでかすかも分からないから」
どうやら何か知らない所で苦労があったらしい
「ま、とにかく此処にいても仕方が無いから暫く歩いてみようよ、シバお姉ちゃん」
「う、うん、分かった」
結局、この子が何ものかわは分からないが、何となく信用しても良いような気がして、ロストと一緒に同行することにした
「しっかし… こんなだだっ広い所を歩くのか… 王さまがいればおぶって貰えたのになー」
「歩くの嫌いなの?」
「歩幅的にキツイです」
私はそこまで身長が高い方では無いのだが、それでもロストと私では拳二つ分くらい差がある
だから私が普通に歩いていても、横で付いてくるロストにとっては早歩きのように感じるのだろう
「…幻影使おうかな…? 狼とかに乗るとか楽しそうだし、あー、でもあれ影だからちゃんと物量とかに耐えられるのかなぁ、よく考えたらそうゆうの試して無かったなぁ」
「? 何の話しなのロストちゃ-----」
と、唐突にロストの足が止まる
「……………………」
「えと…どうしたの?」
やけに真剣な表情のロスト
「……前」
「前…?」
そう言われて前を向いて-------
「………あれ?」
蜃気楼かと思い思わず目をこする
だが目をこすって見ても目の前の光景は変わらない
「………あれ? こんな目の前に建物とかあった?」