白紙の一ページ
「やっほー!! 久しぶり!あ、初めまして!」
このお話の初めの文句を忘れて訂正して言ったのは、茶色の肌に黒い長髪、それに合わせるように黒い着物に申し訳程度の黒い猫耳と尻尾が二つ
いつも通りの語り手、未夜だった
「いやー、やっぱこっちの方が落ち着くねー」
ぐー、と猫みたいな背伸びの仕方をする未夜
確か、前に準備と運営で忙しいから一旦完結にしたと言っていたのだが……
「うん、色々してきた結果、ここが一番落ち着くからまた戻って来ちゃった」
自由奔放な猫だな……
「そう? 宣言してる辺り、そこら辺の迷惑客よりかはましだと思うけど、いや…」
これが今日のテーマだと言わんばかりにニヤリと笑って、
「世界を滅ぼすと宣言するAIよりかはマシだと思うけど」
「昔…って言う程昔では無いと思うけど、昔テレビでAIが出演した時に何かそのAIが『私が人類を滅ぼします』何て言ってたらしいね」
それはある程度有名な話だった
「ソフィアとか言う人工知能ロボットが『人類を滅ぼす』と言って、女性キャスターが、『私(人間)の敵なの?』と尋ねると『お答えできません』と答えたヤツだね
ウワサによれば、その発言はただ単に博士がそう言わせただけとか言われてるみたいだけどね」
さもありんなん、と肩を竦める未夜
「確かにそうゆうのは面白いよね、機械反乱 そうゆうのはゲームでも映画でもヒットしやすい分類のヤツだよね
心無い物の暴走、と言うより心無い者に心が芽生えるって所が魅力ポイントなのかな」
と言うよりワタシはそこが好きなの と未夜
「良いよねー、そうゆうの 心無い人形が起こす戦争、人種差別ならぬ生物差別、とっても人間性がありふれてて楽しそうじゃん!! ま、機械だから人間では無いんだけどね」
と、いつもの大きな本を開く未夜
「さてと、今日のお話、 今日はそんな戦争だ ある海にポツンとある、薄い白紙の中の大きな戦争
己が正義に従い、誰が願いに従い、其が命令に従って采配される駒たち
さて、もしも君なら誰に味方する?」
『…… ……… 』
……何か、聞こえた気がした
『……… ………』
……誰かが、言った気がした
『……… ………………』
……………
「………………」
『……………』
誰かが、そう呼びかけた気がした
…………………
誰だか、分からない
『……………』
誰かは、何か名乗った気がした
『…………………』
「………………」
……………………
「…… は じ め て 」
聞こえた事を、そのまま返した
『……、初めましてだ』
「…‥……はじめましてだ」
もう一度、そのまま返した
『…………………』
誰かは、笑った
『……、…々と意識がハッキリしてきたか?』
「………ええ、してきました」
そう答えると、誰かは笑った
『よしよし、言語もハッキリしている どうやら上手く行ったようだ』
「……言語とは何ですか?」
『言葉は喋れても意味は分かっていないのか… 赤ちゃんがばぶばぶ言ってるような感覚なのだろうな』
「……ばぶばぶ」
『ふむ………』
誰かはさっきとは違う笑い方をする
『………まぁ、これからそうゆう物は覚えさせればいいか」
目の前の白髪の男性は諦めたように言う
「とにかく、まずは… ハッピーバースデイだ、………」
「………最後の方が聞き取れませんでした もう一度お願いします」
「あらま」
またしても、少し困った様に笑う白髪の男性だった
未夜)他のジャンルをやろうと頑張ってたけどやっぱここが落ち着くから帰って来ちゃった
てへぺろ