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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
コインゲームギャンブル
113/129

損した物以上の報酬

登場人物


深月みづき

朱い毛並みの獣人の女の子

白錬屋はくれんやの店主、ミユに拾われて住み込みで働いている


ミユ

旅人風の格好をしている白猫

白錬屋はくれんやの店主で素材さえあれば何でも作る事が出来る能力を持っている

「おはよう、ミユさん……」

目をこすりながら下の階へ降りる 何だか、昨夜はかなり寝つけが悪かった 昨夜だけ妙にミユさんの事が気になりまくって寝ては起き、寝ては起を繰り返していた


「おー、おはよう深月、何だか眠たそうっスねー」

私とは対照的に何だか楽しそうに朝食の準備をするミユさん


……何だか珍しいなー 何か良い事でも………っ!!

思わず顔に出そうになったが何とかこらえる


良い事、この状況で良い事になると言えばもう一つしか無いだろう

もしかして、仁さんが解決してくれた!?


「き、今日の朝食は何なの?」


「今日はスクランブルエッグと………どうしたんスか、そんなに尻尾を振って? 何か良い夢でも見たんスか」


「い、いや、別に!」

慌てて尻尾を隠す私に不審げな顔をするが直ぐにご機嫌な顔に戻る


「今日は気前よくソーセージを二本足してるっスからしっかり食べるように」


「え、本当に!?」

朝食とかのおかずはいつもなら結構渋って量が少な目な事が多いのにこの気前のよさ………

やっぱり、支払う必要が無くなった気持ちの証、なのかな


きっと仁さんがどうにかしてくれたんだ と心の中で仁さんにお礼を言いながら朝食を食べようとして、ふと、


「あれ? ミユさん、そのポンチョみたいなの、どうしたんですか?」

いつもミユさんの服装は変わらないのに、今日は少し変わっていた


「ん? あぁ、これっスか」

なんだか珍しい、茶トラ猫の柄のようなポンチョを着ていたミユさん

そのポンチョを何故か大事そうに撫でながらミユさんは言う


「ちょっと昨晩作ってみたんスよ 自分、鉱石加工だけで無く皮の加工も出来るっスから」


「へー」


「防水防火防塵防汚も兼ね備えた超凄いヤツに仕上がったんスよ、中々良いでしょ」

いつものミユさんでは中々やらない、本気の誇らしげな顔


「……うん、とっも似合うよ、ミユさん」


「……そう言われると、照れるっスね」

何だが普段見ないミユさんを見て、少し顔が綻ぶ

本当に、仁さんは上手くやってくれたんだね


「………ずっと、一緒っスよ、トラ」


「ん? 何か言いました、ミユさん?」


「何でもないっス!! ささ、冷めないうちに早く食べて食べて!」


「は、はぁ……」

今絶対何か言った気がするんだが……


「まぁ、ではいただきま———「あ、そうだ 深月、自分の養子になる気は無いっスか?」うぇあ!!?」

あまりに驚き過ぎてご飯を落としそうになってしまった


「い、いきなり何なんですか! 私をからかってるんですか!?」

突然の事でどう反応すればいいか分からず、体温が上がるのを自覚しながらそう言う

養子…… それってミユさんの娘になるって事? ……家族っぽい関係から家族になろうって事………


「そうゆう事っス」

私が冷静になるのを待って、先回りしてミユさんは言う


「それとも、そうゆう関係になるのはイヤっスか?」


「い、いや、そうじゃ無いけど…… でも、急にそんな……」


「深月、」

と、ミユさんは優しく私を抱きしめる

「………本当はね、もうそろそろ店を畳もうと思ったんだ」


「っ!!」

仁さんが言っていた事、『下手をすると廃人みたいには言い過ぎにしても店を開けない状態になるかもしれない』 仁さんの感は当たっていたという事だ


「な、何で……」


「ちょっと、色々あってね……‥」

いつものミユさんとは全く違う口調、雰囲気 一度だけ見たすごい悲しそうな雰囲気のミユさん


「それで、それが昨日やっと終わって、それで、その後どうすればいいかなって………」


「…………」


「本当は、期待してたんだ、もしかしたら、帰って来るんじゃ無いかって、もう一度会えば戻って来てくれるかもって………」

ミユさんは泣きながら言う


「でも、当然戻って来なくて、そのまんまで…… もういっその事一緒にそっちへ行けばいいかなって……」


「ミユ、さん………?」


「…………でも、やっぱりまだ行けない」

ようやく離してくれて、涙をぬぐいながらミユさんは言う

「やっぱり、深月を残しては逝けなくて」

ニコリ とくしゃくしゃの笑みでミユさんは言う


「この感じが、家族なのかなーって、それで」


「それで、私を養子に、本当の家族にと」

コクリ、とミユさんは頷く


………昨晩、何があったんだろう

今のところどうなったか何にも聞かされていない、結末は一切知らないし、どうしてミユさんの心にこんなにも変化が起きたのかは知らない


でも…………

「……うん、いいですよ」


少し、気恥ずかしい笑みを浮かべて、

「その代わり、もう少しお小遣いは増やして下さいね」


「……ぷっ、はは!!」

ミユさんはたまらず思いっきり笑う

「そこっスか、そこなんスか! 何かそのお金の執着っぷりは正しく我が娘ながらって感じっスね!」


「ええ、だってミユさんの娘になりましたから」


「何なんスかその得意げな顔」

ミユさんは自分の涙を拭いながら言う


「ま、そうゆう事で商談……じゃ無いな…… 誓約成立って事で、今日からまた新ためて宜しくっス、深月」


「うん、よろしくお願いします、ミユさん」

そしてお互いに握手を交わす

この世界に養子になった書類どうこうは無いので、ミユさんの養子になったからと言っても大して変わり何て無く、ぶっちゃけ居候でも養子でも何ら変わりは無いのだが、それでも、養子になったと言う口約束だけでも、ミユさんとの関係がとっても良くなった気がした


「……ところで、自分の娘になったんなら、ミユ『さん』っておかしく無いっスか?」


「あ、そうか」

そう言われればそうである


「じゃ、改めてよろしく、ママ!」


「ぶっ!!」

唐突に、凄い速さでテーブルに額を打ち付けたミユさん


「え、ど、どうしたんですか!?」


「い、イヤ……… ち、ちょっと、母性愛が刺激されて………」


……何だか、ママになった途端頼り無くなったなぁ………

未夜)あー、どうしよう! 次どうしよう! ちょっとやってみたい事あるけど、何か思いっきりジャンル代わりそうだし でも、それでもいい気がしないでも無いけど、この物語の続きとしてやるか、別に新しい物として別の連載として載せるか、それとも本当に新しい別の物にするか、あー、ホントどうしよう!!


ミハヤ)ホント凄いそれ悩んでますよね


未夜)しばらく投稿遅れそうな雰囲気で絶賛悩んでる

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