朱狐の運命操作(クローズベット) コイン二枚目
登場人物
ミユ
旅人風の格好をしている白猫
白錬屋の店主で素材さえあれば何でも作る事が出来る能力を持っている
ロスト 二つ名 虚栄の城壁 (ヴァニティ・キャメロット)
黒い短めの髪と黒いパーカーがトレードマークの幼女
本当に幼女なのだが中身は冷鵺 (男)
設定として吸血鬼のハーフ
アリス 二つ名 鏡の中の歩行者
見た目まんまアリスの少女、リアスのドッペルゲンガー
鏡の中を移動できる
輝闇 仁 二つ名 最悪の吸血鬼
人間と吸血鬼のハーフの男の子
二面の顔を持ち、間抜けな感じがする時一人称は『ボク』、怖い時には『オレ』となっている
「……………」
ジャラ……
金貨、銀貨の枚数を数えていつもの袋に入れる
これでもう何回目なのだろうか、あいつの言いなりになるの
………はぁ……
声には出さず、心の中だけでため息を付く 言葉にしてため息を付くと何だか心が折れてしまいそうな気がしたからだ
そして何より、そんなため息をトラに聞かれそうで、心配されそうで………
「………」
今度は心の中でもため息を付かないように
ピンと耳を立てて周りの音を聞く
うん、深月は今夜もぐっすりのようだ 冒険をよくしていた為こうゆう索敵はお手の物だった
「…」
行ってくる
心の中でそう呟いていつも通り音を立てないように、静かに店のドアを開けたのだった
相変わらずあいつへ行く道中は足取りが重くなる
いつもいつも会う時はかね金金、本当に自分よりもあいつの方が守銭奴だろうと思う
それとも、あいつはお金よりも誰かを苦しめるのが好きなだけだったりするのだろうか
何にせよ、もっと金を貢いで取り返さなければ
………本当に、返してくれるのだろうか
正直言って、こればっかりは賭けとしか言えない
それはまるで、仁殿から聞いたパチンコと言うヤツで本当に当たりが出るのか、本当に当たりの穴に入るのかどうか
……いや、せっかくコインを使っているのだからこう例えた方がいいだろう コインゲーム、プッシャー機のように
せっせとコインを投入して目的の大当たりが落ちるように頑張る、きっとその台の名前は釣り合わない額の賭けだろう
あのコイン一枚一枚が本物の金貨、しかもコインは落ちて来ないから必ず赤字、増える事は絶対無い
ただ一つ、大切な物を落とす為だけにせっせとコインを投入する、逆を言えばそれを落とさない仕組みすれば赤字どころか一生分の無駄となる
「……………それでもいいから」
それでもいいから、やり続ける 少しでも落ちる可能性がチラついているのなら、やるしかない
「ホント、お前は良い招き猫だ ずっとお前を追いかけ続けた価値があるって物だ」
何で毎回ここに来るたびにそんなイヤな話しを聞かされないといけないのか
「はいはいそうですね」
そう適当にあしらっておく ……本当は同じ場所で息もしたくは無いが、もう泥水として甘んじてすするしか無い
「それで、今日はもうこれでいい?」
特に一緒に話しをする間柄でも無い、用事は済んだのでとっとと帰ろとしたのだが、
「まぁ待てよ」
「………何?」
本当に一緒に居たく無いので少し切れ気味になりながら返す
「そう不機嫌になるな」
あいつはゲスっぽい笑いをさせながら言う
「そろそろさ、俺らはここを離れるのだが」
「は?」
「お前はどうする?」
「……………」
こいつがここを離れる、だと……
「……………それは、分かれのプレゼントととしてもうそろそろ返してくれるって事?」
「まさか」
肩をすくめてそいつは言う だろうな
詰まる所、大切な物を返して欲しくば俺らに付いてきてその場所で金もうけをしろと言う事だ
しかし、疑問は残る 何故この場を去らないといけないのだ?
ここでもしっかり隠れられているはずで、おまけに今ブームに乗れる大儲けの手段もあるのに
「…………」
だが、そんな事を聞いたところで答えてくれるはずも無く、最悪気分を害して何かされては困る
でもだからって此処を去る? 折角持った店を捨てて、そして深月を置いてきぼりにして………
…そんなの、イヤだ 折角心の許せる従業員、いや、家族が出来たのに
トラ以外で、初めて心の拠り所になった家族だったのに
それとも、拾い子の深月は自分の事を家族だとは思っていないのだろうか
いや、深月だけでは無い 常連の仁、最近よく来るユウキ、それに深月の友達のロストまでいる
此処を捨てると言うには、あまりにも名残惜し過ぎる
…………でも、
「………分かったわ、付いて行けばいいのね」
「それでいい」
それでも、やっぱり替える事は出来ない諦める事は出来ない
それ程までに大切な物だから、絶対に諦めきれないから
「それで、移動の事は誰にも言うな、特に最悪の吸血鬼には 中々お前とは顧客だったみたいだからな お前が居なくなると分かると何をしてくるか分かったものでは無い さもなくば」
「分かってるよ さもなくば大切な物を傷つけぞ、でしょ いちいち脅し文句言わないの」
………最悪の吸血鬼、仁、殿か…
あの人は随分と変わった人だったなぁ
怖い噂が立つ一方本人は割と優しめな人柄で、いつもよく分からないが図面を持って来て、いつも支払いが良くて、本当に強面の常連客な人だった
そして噂通りかなり強いってのもまた凄かったよなぁ………
「………………」
もし、もし仁に助けを求めたら全部解決してくれるだろうか
どっかに行かなといけない危機が店に迫っている、ずっと商品をタダで提供するからどうか助けて欲しい、
大事な物を取り返して欲しい、って
………ダメか
そんな慈悲で動く人では無いと知っているし、何よりやっぱりバレたくない
きっと、こんな事をしていると知ったら信用はガタ落ちな上、おかしなやつだと思われるだろう
自分だっておかしいのは分かっている でも、でもそれでも絶対に……………
「ところで、何で唐突にアジト変えをするんだ?」
「あ? そんな事一々聞く―――――――あ?」
自分では無い、ましてはあいつでも無い この声……まさか!!
「もしかして、オレにバレそうになったから、か?」
いつの間にか開いていた窓の淵に座る黒い影 赤色のパーカー、首にはヘッドホン、そんなダラダラしたような格好の少年、いや吸血鬼が、牙をちらつかせて闇夜を背景に笑う
「まっさがオレの常連のお店がこんなヤツに利用されていたとはなぁ」
失望のような言葉とは裏腹に楽しそうに仁は言う
「さ、最悪の吸血鬼!? 何故此処が!!」
「何故ってそりゃ……」
「僕が仁に教えたからね」
またしてもいつの間にか、まるで闇夜そのものから分離したように、そこにいるのに違和感なく現れるのは、深月の友達のロストだった
「虚栄の城壁… キサマ……」
「アタシもいるわよ?」
そして鏡からポンと現れたのは鏡の中の歩行者のアリス
「いやー、そこの白猫ちゃんを何となく鏡から観察してたらアナタたちがお店を荒らすは荒らすは、流石にこれは相談案件だったから、ちょっと吸血鬼にチクっちゃった」
……あの場面、見られてたのか
「お、おまえら………」
「ま、何でミユがこんな事してるかは後で聞くとして、」
そしてこれが理由で笑っていたのであろう、仁は楽しそうに言う
「さて、取り敢えずお前殺すか♪」
ミハヤ)まさかの投稿間違える大失態、ですっ!
ロスト)おい
ミハヤ)いやーびっくりしたー 間違えてもしかしたら次やるかもしれないやつが投稿されててマジでびっくりしたー、一回見直してよかったぁー
って、あー!! 原本消えた―! 間違えて投稿したやつ消えたー!!
ロスト)ふんだりけったりだね………