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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
コインゲームギャンブル
106/129

猫は金貨を賭ける コイン四枚目

登場人物


ロスト 二つ名 虚栄の城壁ヴァニティ・キャメロット

黒い短めの髪と黒いパーカーがトレードマークの幼女

本当に幼女なのだが中身は冷鵺 (男)

設定として吸血鬼のハーフ


アリス 二つ名 鏡の中の歩行者ドッペルゲンガー

見た目まんまアリスの少女

鏡の中を移動できる

「お、今回は見越して早く持って来たか」

ゲスの笑みが似合う明らか頭領(ドン)な男はミユが持って来た金袋(かねぶくろ)の中身を確認しながら言う


「またお店をぐちゃぐちゃにされては敵わない物で」

それに対して明らか不機嫌そうな顔でミユは言う て言うかいつもの口調じゃ無いし、いつものあの「~っス」口調どうした


何だが親が実は裏で相当働いている事に気付いた子供のような感覚を感じながら僕はミユと頭領っぽいヤツの会話をその場で盗み聞いている


スラム街にたいな区画の一角、お世辞にもキレイとは言えない住処の中、僕は存在を偽造して(かくして)二人の会話を見ている

ちなみにアリスはミユの動向を探るのは僕一人で十分と分かったので、映り込む物が無いとこっち側が見えない不便さもあるのでこの建物の捜索をしてもらう事にした


「全くお前も物好きだな、たかがあんな物の為…… そう睨むなよ」

金袋を部屋の隅に投げながら頭領は言う


「むしろ今のは褒め言葉なんだぜ? お前みたいな馬鹿のお陰で俺たちは儲けられてるんだからさ」


「………」

怒りとも軽蔑ともとれる眼差しを向けるミユ かなり言われたい放題である


「それにしても、アイドル?だったか? ホント中々の商売方法を取るな、正に偶像(アイドル)の為に寄付をする(かねをなげる)感じだな、そう考えると宗教もいい商売道具になりそうだな」


あ、悪徳宗教ェ………

分かった、もう絶対ミユはこいつに何か弱み握られてるわ、よし倒そう


この頭領に嫌悪感がして思わず後先考えず行動しようとした時、


「それより、本当にまだ無事なんだよね」

少し、いやかなり張り詰めるような感じでミユは言う


「ん? あぁ、店で言った事を気にしてんのか?」

からかうように頭領は言う


……店?


「『そんなに支払いを拒否するならあいつを傷つけるぞ』ってヤツか?」


………… 自分でも分かるくらい目が細くなる感覚

あいつを傷つけるって、まさか………


「安心しろ、今回はしっかり俺の耳に届いた日に金を持って来てくれたからな もしもこれでもう一度拒否してたら傷つけてたが、今回はしない」


その言葉にあからさまにホッとするミユ ……やっぱりミユらしくない感じがする

いつもいつもヘラヘラ笑って妙に掴めない怪しさがある店主だった感じのかけらも感じない


でも、これで確信が完全的な決定となった

弱みどころか、もっと大切な物、本当にお金より大切な物を握られてる となると、あの頭領に握られているのは………


「それにしても、逃げていたお前がここまで支払いをし出すとは驚きだな」


「そりゃどうも」

相も変わらずに不快そうにミユは言う


「親の借金背負わされて、逃げるついでにもしかしたら借金返せる望みにかけてトレジャーハントしてたお前があの雄猫と乗り込んできた時と同じくらい驚きだぜ?」


「…………」

ギュっ と音がするくらい、いやさせながらミユは拳を握る


あの雄猫……、深月(みづき)ちゃんが言ってたトラサっていう猫の事か 確かあの猫はミユの呪いを解くとかカッコイイ事言ってミユとどっか向かったんだったよな

つまり、ミユを借金から解放(のろいをとく)為にこの頭領に乗り込んだ、と それで返り討ちに……


「ホント、あの猫はウザいくらい有能だったな 一気に俺の組織潰してくれたからな」

あ、勝ったんだ! トラサカッコイイ!!


「だがま、そんなんで俺たちは終わらない」


「…………」

目を逸らすミユ


「だから今お前に復讐してるんだよ、呪いから解放してくれたあいつが、今お前にもう一度呪いをかけている、これま中々の傑作だぜ!!」


…………………


「本当はあのままぶっ壊したかったが、そこはお前の誠意だ 良かったな、この俺が寛容で」


「っ…………!」

何か叫ぼうとして、結局何も言わなかったミユ


「…………ロスト」


「ん?」

唐突に小さい声で誰かが僕を呼ぶ


「ロスト、鏡」


「……あぁ」

僕は一旦その部屋から出て、誰も居ない事を確認してから手鏡を開く


「居たんだ、クロク」


「うん、実はずっとアリスの隣に居た」

鏡には真っ黒い毛並みでベストを着たウサギ、『鏡兎(うつしうさぎ)』のクロクが居た


「事情は全て聞いてたからアリスと一緒にこの建物を探索してたんだけどさ……」

と、クロクは少し歯切れの悪い感じで、

「その……I、ちょっとイヤな物見つけちゃって」


「イヤな物?」


「とりあえず、ちょっと付いてきて アリスはもうそこに居るから」

そう言って動き出すクロク その後を僕は追う


鏡の中で動いているので変な位置に鏡を置かないとクロクが見えない不便さを抱えながら後を追っていると、鉄の棒が沢山縦に並んでいる部屋が沢山ある場所、牢屋に辿り着いた


「牢屋…… って事は………」

と、


「あ、アリス」

そこには牢屋の一部屋をじっと見つめているアリス


「………あら、ロスト」

少し疲れた感じでアリスは言う


「?どったの?」


「ちょっと、これ………」

と、さっきまでアリスが見ていた牢屋を指す


「これが、もしかして………」


「?」

良く分からないが取り敢えずアリスの横へ来て、アリスが指差す牢屋を見…………て………………


「……え?」


ミハヤ)にゃー‥‥……


ロスト)‥‥……


ミハヤ)にゃー?


ロスト)……素直に最近言う事が思いつかないって言えば?

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