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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
コインゲームギャンブル
105/129

猫は金貨を賭ける コイン三枚目

登場人物


ロスト 二つ名 虚栄の城壁ヴァニティ・キャメロット

黒い短めの髪と黒いパーカーがトレードマークの幼女

本当に幼女なのだが中身は冷鵺 (男)

設定として吸血鬼のハーフ


アリス 二つ名 鏡の中の歩行者ドッペルゲンガー

見た目まんまアリスの少女

鏡の中を移動できる

「……… はぁーぁ………」

お金を数えながら人知れずため息を付くミユ


草木眠る丑の刻という表現がしっくりくる真夜中の時間帯、深月ちゃんが完全に寝静まるのを見計らってかこんな時間に起き出してお金を数えるミユ


「ホント、アリス殿や深月に気を使われちゃったなぁ……」

サイン会の目的を察していたようで、嬉しいような困るような苦笑い気味の笑みでため息を溢しながらミユは一人呟く


「……………」

その後は何も呟かず一人黙々と硬貨を積み上げては袋に入れている作業を繰り返す

そして何回かその動作を繰り返した後、

「……これくらいで満足するかな?」


重さを確認するかのように金袋を数回持ち上げてから大きめのカバンに入れてそのまま店を出ていった



「………追いかけるよ」


『はいはい、アタシも移動するわ』

手鏡の中で少し楽しそうにアリスは言う


サイン会後の夜、予想通りこのタイミングで何処かにお金を持って行くようでその後を僕は闇夜に紛れて姿を消して、アリスは鏡の中で誰のも分からないように後を追う

と言ってもアリスは姿が映る物を経由しないとミユの姿が確認できない為、僕がビーコンとして手鏡を持ちながら歩いて、ミユが目指している場所が僕の幻影でも入れない場所ならアリスが鏡の中から様子を見るという作戦を取っている


「……ミユさん意外と早いね」

流石は元トレジャーハンターと言ったところか、中々に移動が速くて僕の足幅では中々付いて行くのが難しい


『アタシはアナタの手鏡に掴まっとくから飛んでも問題無いわよ』


「ん、分かった 『偽造翼膜(フェイク・バード)』」

僕は黒い翼を作り出しそのまま低空無音飛行でミユの後を追う


『さて、白猫ちゃんは一体何処に小判を運んでいるんで…… ちょっともう少し高く飛んでくれる? 今すっごい地面に当たりそうなの』


「ん、分かった」

こっちからは姿が見えない為よく分からないが本当に腕だけで手鏡にぶら下がっているようだ


「でも、本当に何処に運んでいるんだろうね」


『さぁ? …と、言いたいところだけど、この方角、確かスラム街の方角じゃ無かった?』


「スラム…… まぁ、スラム街か……」

あんまそんな言い方をして欲しく無かったが、確かにスラム街と言われてもおかしくは無い


この先の場所は街の中でも貧しい人が暮らす場所だった

と、言っても別に食う物に困っているとかそうゆうのでは無い みんな貧しいがちゃんと食べ物は支給されている、仁のお陰で


分かりやすく言えば(じん)の元で健康で文化的な最低限度の生活は出来ていると言ったところだ


その為貧しいというよりはどちらかと言うと社会不適合者、働きたくないニート、むしろ貧しい生活が好きなヤツ、そしてヤンキー思考の人が集まる区画となっている


要するに治安が悪いのだ


『で、そんな場所にお金を持って行ってる、と これはイヤな匂いがプンプンするわね』

楽しそうにアリスは言う


「でも、これは逆に良かったとでも言えるね」


『………ふぅん?』

その理由は? とでも言いたそうなアリス


「アリスは知ってるかどうか知らないけどこのスラム街は仁の庇護で成り立ってるんだよ、その区画の人は知ってるか知らなか分からないけど、仁が食べ物配ったり、定期的に脅したりして」


『お、脅す………』

明らかに誤解されそうな言い方だがこれが正しい言い方なのだ


「たまーにこのスラム街を歩く、それだけで中心街の人は近寄らないし、この区画に住んでいる人も悪さがバレると仁にシバかれるから中々出来ないし」


『警察のネズミ捕り(速度取り締まり)かな?』


「うんまぁそんな感じ 定期的に見張る事で自然に気を付けるようになるって事」

嫌われるのが仕事とは、仁も警察も大変なんだなぁとしみじみ思ってしまう


『でも、逆にそれは……』


「………うん」

見えないが一応手鏡越しに頷いて言う

「仁が知らないような巧妙なヤツにミユが弱みを握らされている可能性が高まってるって事だよね」


軽快に走り去るミユを見ながらそう呟いた

ミハヤ)最近頭が回らないですー……


ロスト)頑張って二月に本気出せ

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