猫は金貨を賭ける コイン二枚目
登場人物
深月
朱い毛並みの獣人の女の子
白錬屋の店主、ミユに拾われて住み込みで働いている
ロスト 二つ名 虚栄の城壁
黒い短めの髪と黒いパーカーがトレードマークの幼女
本当に幼女なのだが中身は冷鵺 (男)
設定として吸血鬼のハーフ
レイ 二つ名 反王
ふんわりした感じの男の子
体としては冷鵺なのだが中身は別物
アリス 二つ名 鏡の中の歩行者
見た目まんまアリスの少女
鏡の中を移動できる
「大丈夫よファンのみんな、アタシは逃げたりしないから ん?前は逃げてただろって? それはそれ、これはこれよ♪」
「はいはい並んで下さいねー 列に並ばない人は考えに反して後ろに並んでもらいますからねー」
「………えと……………」
取り敢えず、何処からツッコめばいいか一回悩んで、
「取り敢えず、何がどうしてこうなったの?」
今目に前で起きている長蛇の列は緊急なアリスさんによるサイン会、握手会が行われた為である
ここ最近アリスさんとリアスさんの双子(見た目全く同じだからそうゆう事にしてる)のアイドルとして大ブレイクをかもしだしている
元々そんな文化はアヴァロンには無く、仁さんの思い付きでやらせたのだが、まだライブ?(って言うんだっけ)は一回しかやって無いのにこの人気ぶり
「ホント、男ってバカなんだね………」
「ははは…… まぁ否定はしないよ……」
告知無しの突発的な会なのにここまで人が集まるとはロストも予想していなかったようで、喜ぶような呆れるような、物凄い複雑な表情をしていた
「ホントこんな物語書くよりもRな小説の方が人気度高いって一体どんな世の中なんだよ…… こっちはまだ応援コメントとか一度も来た事無いのに……」
「……何の話?」
「あれが訓練されれし豚どもだって事」
でもま、とロスト
「あのバカどものお陰でミユが儲けられているから文句どころか嘲笑の笑みでありがとうを言わないとね」
と、チラリとミユを見て言う
「はいはいサイン色紙はこちら! 握手券もあるっスよー!!」
すっごい楽しそうなミユさん それもそのはず、このサイン会はミユさんには「お店の被害のチャリティーとしてやってあげる つまり売り上げは白猫が総取りしていいわよ 勿論ギャラは一銭も要らないわ」とアリスさんが言った為、ミユさんはハイテンションなのである
「……ミユさんって意外と単純なんだね……」
「ま、猫だしね どうしても目の前で動く物を見ると追いかけたくなるんでしょ」
しょうがないねと言うような感じで肩を竦めるロストちゃん
ま、まぁ確かにこれでいつものミユさんな感じに戻ってくえるなら良いか 少しミユさんのイメージ崩れそうな…… いや変わんないや やっぱいつも通りのミユさんだ
「それで、何でこんな事やってるの?」
「ミユさんを儲けさせる為 正確には儲けた噂を流す為かな?」
「噂……?」
「そう、ウワサ」
これは推測だけど、とロストちゃん
「きっとライブ後のタイミングでミユの店が荒らされたのって多分ライブの儲けが原因だと思うんだ 取り立て屋か何か知らないけどカツアゲ相手が儲けた話しを聞いたら絶対に真っ先に飛んでくるはずだから、それは結構おっかない事だけど逆を言えば誘いやすいって事だからこの方法がいいかなって」
「成る程……」
流石のロストちゃんと言わざるを得ない ロストちゃんは中々頭がキレる時があるので本当に頼りになる
「まぁ、このやり方どっちかって言うと僕の都合に合わせただけなんだけどね」
「? 都合って?」
「いやホントを言えばミユが金を担いでどっか行くのをずっと張って見ているのが正しいやり方だしミユにリスクを背負わせないで済むんだけどそれだと一週間単位の張り込みになりそうだからちょっとなぁ…」
少し気まずそうに頭を掻くロストちゃん
まぁこればかりは仕方のない事なのだろう 正直に言えばこの話はロストちゃんには関係の無い話しなのだ
だからわざわざ私生活を放っておいてまでやって欲しいとは私も思わない
「…ありがと、ロストちゃん」
「そのセリフは後にしといた方が良いよ」
だってまだ何も解決してる訳じゃ無いんだから
……何か危惧しているのか、少し気を引き締めるような声でロストちゃんは言ったのだった
ミハヤ)………
ロスト)………
ミハヤ)………
ロスト)………いや何か喋ろ?