表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に魔法はないんだよ  作者: バル33
第二章:殺意そして恋へ
14/32

第二章‐2


「う……うーん……うん」


 眉間にしわを寄せて理解してない表情でコクコクと頷いていた。

 やはり説明不足か。

 くっ、語力がないのが恨めしい。


「食べる物に困らないからこの際、ブンメイとやらの難しい言葉はどうでもいいわ」

「左様でございますか」


 にぱっと可愛い笑顔。

 言葉が思いつかない俺にとっては助かる。

 人に説明するのってほんと難しいと痛感する。


「いやー、しかしキノコって短期間で生えて簡単に増やせるのに驚いたわ。 栽培するってのも新しい発想にも驚いたし」

「……俺の方が驚いたけどな」


 ボソッと一言返す。

 菌類にしろ、植物にしろ、成長スピードが尋常じゃないほど早いのだ。

 二日もすれば立派に成長し、花を摘めば二日で元に戻っている驚異の生命力。


 改めて異世界なんだなと実感させられる。

 常識が通用しない日はそう遠くない。


「昼だってのに寒いなあ。 ふう……夜になるとさらに冷え込むな」

「……だったら一緒に寄り添わない? 二人ならより暖かいし」


 もじもじと身体をくねらせ、リアの顔全体がトマトのように真っ赤になっている。

 寒いから赤くなったのか?

 確かに引っ付き合えば寒さが多少マシになるだろう。

 ここは―― 


「断る。 寒いなら余っている毛皮を使って二重巻きにすればいいだろ」

「…………にぶちん」


 小言でなにか呟いたリアだが聞こえなかった。

 メンチビームを放ち険相な顔でそっぽを向きご機嫌ななめだ。

 正論を言ったまでだろうに…………ああ、もう!

 

 人の気持ちがまるでわかってないと目で訴えかけるなよ。

 だんごになればいいんだろ。 なれば!     


「……たく、今回だけだからな」

「あら、意外とレディの心わかってるじゃん」

「うるさい」


 頭皮をぼりぼりと荒くかきむしりストレスの発散しながらも、背中合わせで肌に触れあう。

 さすがに真正面で抱き合うのは恥ずかしくて到底不可能。

 万が一、あったとすれば理性がたもてる保証はできない。

 

 一応男だからね。 性欲が無いってわけじゃない。

 リアは女性として魅力的だ。

 よく笑い、気遣いも上手で、二次元から飛び出したかのような美少女ときた。


 正直嫁にしたいとさえ思ってしまう。

 だが、恋愛感情を抱くことは絶対に許されない。

 いつ死んでもいいと自己しか考えず、他人を気にしない低能野郎に恋愛する資格はないからだ。

 リアを見るたびに己に十字架の楔を建てている。



 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ