表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に魔法はないんだよ  作者: バル33
第一章:白銀の少女
11/32

第一章‐10


「はい。 召し上がれ」

「……っ!」


 長い葉を受け皿の上にレインボー色に発光するおぞましいキノコが目に飛び込む。

 どう調理すれば禍々しい物体を作り出せるんだ。

 しかも、ぎやぁぁぁって唸ってるぞあのキノコ。

 くっ……食えるのか? 毒じゃないよね?


「食べないの?」

「………あっ」


 魔界の食べ物を表情変えずに口に放り込みやがった。

 ほっぺを抑えて「美味しい」と至福の顔をしてるぞ……胃に入れても大丈夫のようだ。

 危険な食い物じゃないとわかっても躊躇ってしまう。

 ……食べないのはリアに失礼だし……覚悟を決めるか。


「いっっっただきます!」


 意を決して七色のキノコを一口。

 歯で噛み砕き、舌でコロコロ転がし味わうと………美味い。

 超美味い。 絶品だ。

 どう表現したらいいのか……とにかく美味すぎるとしか口から出ない。


「人生で一番美味いの食ったかもしれない」

「大袈裟な。 焼いただけだよ」

「焼いてるレベルじゃないと思うが……」

「ま、私もなんで美味しくなるかわかんないし。 村じゃ普通のことだったし」


 よく人相があるレインボーキノコを食おうとしたな、おいとツッコミを入れたい。

 美味いのは否定しようがない事実だし細かいことは考えないでおこう。

 無になりながら食すのであった。




 悲鳴を上げるキノコを平らげ満腹になっていた。

 腹を満たしたことで雨風が凌げる屋根を作ることにした。

 といっても、ほとんどの作業をしたのはリアだ。


 細腕なのにバキバキと軽々しく枝は折り、折った枝を地面に突き刺し壁が完成。

 残った木々で屋根の台座を作り、そこに大量の葉を被せれば出来上がりっと順調に進みすぎて呆気に取られた。

 俺は材料だけを持ってただけで情けない感が半端ない。


 申し訳なくて彼女に謝るも笑顔で「気にしないの」と励まされる。

 なぜ愚痴の一言もないのか。

 キレてもおかしくない、悪口があってもおかしくない、蔑んでもおかしくない……なのにいつも最高の笑い顔で受け答えをしてくれる。

 

 それが俺にとって気にくわない。

 リアに対する不満をぶちまけようとしたが、言う直前で身体が固まった。

 自分でも理解不能で結局言うのをやめてしまった。


 そんな、リアの思考を読み取ろうと考えてると太陽は沈み月が昇っていた。

 彼女はそうそうに眠ってしまったが俺は眠れなかった。

 リアの心情が気になってもあるが、それ以前に自信の異変についてだ。

  


 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ