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異世界に魔法はないんだよ  作者: バル33
プロローグ
1/32

凍える森の中にて


 真っ白な銀世界が広がる森の中。

 パチパチと鳴る、焚き火を見つめ、質素なモーフに包まりながら寒さに耐えていた。


 太陽が昇るまでずっと耐える。

 あぁ、寝れば楽になるが……永遠の安眠となるだろう。


 異常なまでの寒さは一か月前の記憶を呼び起こす。

 忘れたくても、忘れられない、あの言葉。

 一生記憶の片隅に存在する呪いの言葉


 ――異世界に魔法はないんだよ。


 染みついた呪いはもう拭いきれない。

 生涯は苦悩を背負って生きていく結末になるだろう。

 

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