予言
何事も無い、平凡な毎日。
私はこの村で独り暮らしている。
?「ああああっー!!」
突然悲鳴が上がり、耳の奥まで響きわたる。
「何だ?」
外へ出て辺りを探ってみるが人影は無い。
「気のせいだったのだろうか…」
と、奇妙な物を見つけた。
十数本の人の「髪の毛」だ。
私は自身の背筋が凍るのがくっきりと分かった。
「ひょっとすると………先程の悲鳴は……」
ぴと…
何者かの「手」が私の肩に触れた。
その手はとても冷たかった。
ドクン、ドクン……
心臓が大きく鳴るのが分かった。
バクン、バクン、バクン、バクン…
心音は確実に大きくなる。
心臓が口から飛び出そうだ。
??「おい」
「!?」
恐る恐る後ろを振り返る。
するとそこに見馴れない顔が居た。
「…お前は誰だ?」
??「俺は『予言者』だ。」
「は?」
予言者「この村はとてつもない危険に犯されようとしている。一刻も早くこの村の住民全員をここに集めるのだ。」
「お、おう……」
「(何だよ偉そうに……)」
30分後
私含め村人全員が集められ、一気に緊張感が漂う。
予言者「俺が皆を集めたのは他でもない。この村が再び危険に晒されている。」
村民「ええっ!?」
「(…?)」
「待て。」
予言者「?」
「『再び』とはどういうことだ。」
予言者「ん、知らないのか」
「?」
予言者「1000年前、得たいの知れない怪物が地中から突然現れてここを襲った。多くの犠牲者が出た。そして、1000年の時を経てまた復活しようとしている。予測される出現までの猶予は30日。およそ1ヶ月だ。その間に村から逃げて自身の命を助けるか村に残って村民達と犠牲になるか、考えておくといい。」
「くッ…そんな……!」
この選択で生死が決まる。
私は、この突然現れた予言者によって生死の分かれ目に立たされている。
第1章 了
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