魔女と俺の穏やかではない日々
「馬鹿なんですか。仕方ないので助けにきました」
「危機一髪でした
本当に喰われると思いましたっ!!」
廃墟に追い込まれた俺は時間が止まったようだった。だが助けに来てくれた彼女の登場でまた動きだした。
ネオン街の中に聳える廃墟〔ギミック・タワー〕
人通りの多い道を選んで帰宅していたつもりだったが、いつの間にか目をつけられたらしい
俺は必死に走った
俺は必死に逃げた
俺は必死に灯りを求めた
廃墟の一室に追い込まれた俺は時間が止まった気がした
万事休す。行き止まりだ
ネオン街の喧騒がテレビのボリュームを一気に上げた時みたいに大きくなった気がした
でも、ヤツが大きな口をあけた瞬間
ネオン街の喧騒は優しくなり消えた
聞こえるのは俺の心音
聞こえるのは俺の呼吸音だけ
ヤツと目があった瞬間
俺は
「馬鹿なんですか。仕方ないので助けにきました
ですが、此処に誘い込んだことは誉めてあげます
偉いですよ、遠崋さん」
とおか さん
名前を呼ばれた瞬間正直助かったと思った
情けない話だが俺はヤツに対抗する力を持っていない。俺よりも2つ下の彼女に頼るしかないのだ。
だから正直に彼女に向かって叫んだ
「危機一髪でした
本当に喰われると思いましたっ!!」
彼女は俺の焦りを知ってる
彼女は俺がヤツに対抗できないと知ってる
彼女は普段からは考えられないような不敵な笑みを面に出してこう言った
「助けてあげます。守ります。絶対に」
危機一髪で絶体絶命のピンチを脱した俺は不覚にも彼女の台詞と笑みにキュンとしてしまった
彼女が助けにきてくれたからもう大丈夫
彼女はヤツに対抗できる
彼女は負けない
だって彼女は魔女だから
彼女の名前は泉妻初啝
いつも感情を面に出さず、冷静に総てを見透す
彼女に守られる俺の名前は行天遠崋
ある一点を除けばどこにでもいる高校生だ。
書きたかった場面を本当に短く書いてしまいました。イメージを文章にするのは難しくて、わけのわからない内容になってしまいました(笑)泉妻初啝には他にも愉快な仲間たちがいます。いずれ彼女たちも暴れさせられればいいなぁ。いや、イメージはあるんです。ただ私の力不足…って