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悪役令嬢の兇器はドス黒い鈍器《パイプ椅子》です ~前世は病弱、今世は物理最強。魔法もチートも私には勝てません~  作者: 月館望男
【第7部】黄金の都・カジノ&地下闘技場編 ~借金1億? ならば筋肉とプロレスで倍返しですわ~
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第061話 熱演:会場に響く「くっ、殺せ!」。……もっと罵りなさい! 観客のブーイングこそが悪役の栄養源です!

 メインイベント。

 会場は、これまでにない異様な熱気に包まれていた。

 これまでの連勝でわたしのファンになった者たちと、金を吸われ続けてわたしを憎むアンチたち。その両方の視線が突き刺さる。


 わたしは再びデカゴンのマットに立った。

 対面に立つのは、身長3メートルはある巨漢、獣王ガルフ。全身が剛毛に覆われ、目は赤く光っている。


 ゴングが鳴る。

 ガルフが咆哮と共に突っ込んでくる。


「グォオオオオッ!!」


 丸太のような腕が振り下ろされる。

 いつもならデコピンで迎撃するところだが、今回は違う。


(――受けるッ!)


 わたしは身体強化の出力を極限まで落とし、筋肉の鎧をあえて緩めた。

 そして、その一撃を身一つで受け止めた。


 ドガァッ!!


 派手な音が鳴り、わたしは後方へ大きく吹き飛んだ。

 金網に激突し、がっくりと膝をつく。


「ぐっ……! な、なんて重い一撃……!」


 わたしは口の端を切って(自力で噛んで)血を流し、苦悶の表情を浮かべた。

 観客が沸く。「おい見ろ! あの女が吹っ飛んだぞ!」「ざまあみろ!」「ガルフ、もっとやれ!」


(ふふっ、いいわ。今の受け身、完璧だった! ダメージはゼロだけど、見た目のインパクトは十分!)


 ガルフが追撃してくる。

 蹴り、踏みつけ、投げ。

 わたしはそれら全てを「あえて」食らい、悲鳴を上げ、ボロボロになっていく(フリをする)。

 コスチュームが破れ、バンダナが飛び、美しい金髪が乱れる。


 ガルフがわたしの髪を乱暴に掴み、強引に引き起こす。


「これ以上ない屈辱的な負け方をさせろというオーダーでな。まだまだ嬲らせてもらうぞ」


 ガルフが嗜虐的な笑みを浮かべて囁く。

 ああ、なんて三流な悪役台詞。最高だわ。


 わたしは涙目で、震える唇を開いた。


「……くっ……! (わたくし)を……辱める気……? くっ、殺せ……! 辱めを受けるくらいなら、いっそひと思いに……殺しなさい!」


 会場が一瞬、静まり返る。

 そして次の瞬間、爆発的な歓声と罵声が渦巻いた。


 観客たちは、強者が地に落ち、プライドをへし折られる瞬間に酔いしれている。

 最高だ。このドロドロとした欲望の渦こそが、わたしが求めていた「熱」だ。


(完璧……! 今のわたし、最高に「悲劇の悪役(ヒール)」してるわ! もっとブーイングを! その野次がわたしのエネルギーになるのよ!)


 牢屋のモニターで見ていたアリスが「レヴィちゃん、ノリノリだなぁ……」と呟き、ミリアが「あの角度! 一番美しく、かつ儚げに見える計算された倒れ方です! さすがレヴィーネ様!」と絶賛しているのが目に浮かぶようだ。


 さあ、溜めに溜めたヘイト。

 そろそろ、解放の時が近い。

完璧な「くっ殺」ムーブでしたね(?)。観客の憎悪と熱狂が最高潮に達したこの瞬間こそ、カウンターの絶好機です。溜めに溜めたフラストレーション、次回一気に解放します!


このあとの大逆転劇に期待してくださる方は、今すぐページ下の【★★★★★】で応援をお願いいたします!

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