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悪役令嬢の兇器はドス黒い鈍器《パイプ椅子》です ~前世は病弱、今世は物理最強。魔法もチートも私には勝てません~  作者: 月館望男
【第7部】黄金の都・カジノ&地下闘技場編 ~借金1億? ならば筋肉とプロレスで倍返しですわ~
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第059話 四天王:疾風? 鉄壁? 毒霧? ……面倒なので、まとめて3分以内に料理(KO)します

 ゲイルとの試合以降、わたしはさらに連勝を重ねた。

 下位・中位の剣闘士たちからも「姐さん」「レヴィーネ様」と慕われるようになり、地下の熱気は最高潮に達しつつあった。


 ――その日の試合後。

 わたしはまたしてもVIPルームに呼び出され、ゴルドーの怒号を浴びていた。


「簡単に勝ちすぎだ! これはショーなんだぞ!?」


 ゴルドーが顔を真っ赤にして机を叩く。

 連日の秒殺劇により、カジノの売り上げ(賭けの寺銭)は上がっているものの、試合内容への不満と、わたしの「強さ」を測りかねる恐怖が彼を苛立たせているようだ。


「……ま、まぁいい!! これまでは中位までの闘士だったが、明日でお前は確実に負ける!」


 彼は血走った目でわたしを睨みつけ、宣言した。


「この地下格闘技場四天王との連戦だ! 面子を潰されたスポンサー達が、選りすぐりの刺客を送り込んできたんだよ!」


 ゴルドーはモニターに4人の選手のデータを映し出した。


「目にも止まらぬ速さで獲物を切り刻むスピードスター、『疾風の斬り裂き魔』ジャック!

 ミスリル合金の重装甲で鉄壁の防御を誇る、『不動の城塞』ガストン!

 猛毒の霧で相手をなぶり殺すサディスト、『紫煙の魔女』ヴァイオレット!

 そして、巨大なチェーンソー斧で全てを両断する、『処刑執行人』ゾルダート!」


 彼は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。


「どいつも上位中の上位の闘士だ! 今までの有象無象とは格が違うぞ! ……せいぜいみっともない負け方をするんだな!」


 四天王。なんとも響きの良い、悪役心をくすぐる言葉だ。

 わたしは鉄扇を口元に当て、ニヤリと笑った。


「あら、楽しそうですわね。……やっと『準備運動』が終わって、本番が始まるのかしら?」


「減らず口を……! 明日、マットに沈むのは貴様だ!」


 ゴルドーの捨て台詞を背に、わたしは部屋を後にした。

 四天王との連戦。

 望むところだ。わたしの「最強」を証明するための、最高の踏み台になってもらいましょう。


 そして翌日。

 会場は、メインイベントとして発表された、わたしの対四天王連戦というカードに沸き上がっていた。今日こそ負ける。いや四天王も吹っ飛ぶ。そんな熱気がデカゴンを囲んでいる。


 第一試合。『疾風の斬り裂き魔』・ジャック。

 某国の貴族がパトロンについている、人気のスピードスター。


「ヒャハハ! 俺の速さは誰にも止められねえ!」


 残像を残して迫る彼に対し、わたしは一歩も動かず、あくびをした。

 背後に回った彼がナイフを突き立てようとした瞬間、ノールックでの裏拳一閃。


「……ハエが止まったわね」


 バキィッ!

 ジャックはきりもみ回転しながら吹き飛び、金網に激突。

 その反動でゴムボールのようにバウンドし、わたしの足元まで無様に転がってきた。

 白目を剥いて痙攣している。経過時間、3秒。


「ジャ、ジャックぅぅぅ!? 俺の賭け金がァァァ!!」

 悲鳴が上がる。


 第二試合。『不動の城塞』・ガストン。

 武器商人が出資して作らせた、ミスリル合金の超重装甲全身鎧を着込んだ巨漢。


「硬い? 重い? ……持ちやすくて助かるわ」


 突進してきた彼を正面から受け止め、そのまま垂直落下式ブレーンバスターで頭からマットに突き刺す。

 グシャア。鎧が缶詰のようにひしゃげ、中身ごとKO。


「嘘だろ!? 最新鋭の鎧が紙屑みたいに……! 商談がパーだ!」

 武器商人が頭を抱えて泣き崩れる。


 第三試合。『紫煙の魔女』・ヴァイオレット。

 闇ギルドが送り込んだ毒霧使い。

 わたしは毒霧を深呼吸で吸い込み、ニッコリと笑った。獣の穴の朝霧の方がよっぽど喉に悪いわ。


「換気が悪いわね。外で頭を冷やしてらっしゃい」


 彼女の足を掴み、ジャイアント・スイングで大回転。遠心力で毒霧を吹き飛ばし、最後は彼女自身を金網越えの場外ホームラン。


 第四試合。『処刑執行人』・ゾルダート。

 巨大なチェーンソー斧を振り回す大男。一番の稼ぎ頭だ。


「凶器の使い方がなってないわ! 道具への愛が足りなくてよ!」


 ここでは初となる『贋作パイプ椅子(フェイク)』を魔力で生成し、斧を受け止めへし折ると、勢いそのままに相手の身体をステップすると顔面に膝を叩き込んシャイニングウイザードで沈黙させる。


 四天王、全滅。

 観客席は、もはやお祭り騒ぎだ。


「つ、つえええええ!!」

「四天王がゴミのようだ!!」

「レヴィーネ! レヴィーネ!!」


 だが、VIP席やスポンサー席は、お通夜のような有様だった。

 贔屓の選手がゴミのように処理され、賭け金が藻屑と消えたスポンサーたちは、抜け殻のように椅子に沈んでいる。


 そして、ゴルドーは顔面蒼白で震えていた。


「お、終わりだ……。オッズが崩壊した……。スポンサーたちも激怒している……」


 彼は血走った目でわたしを睨みつけ、そして最後の手段に出た。

 それは「八百長の強要」だった。

四天王(笑)との連戦でした。カジノ側としては大誤算、オッズ崩壊の危機です。追い詰められたオーナーが切る、次なる汚い手とは……?


四天王をゴミのように片付ける無双っぷりが楽しかった方は、評価ポイントにて応援をお願いいたします!

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