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パワー特化のパーティ編成で

 


 ツアーの団体を森に送り込んだキャリア官僚、スーツ姿の人型(ひとがた)AI戦闘ユニットたちは、辨野(べんの)たちを『認識』しながらも動きはなかった。


 ツアーの人間がもう少し奥に進むまで待っているようで、『警戒』の状態のまま待機していた。



 レジーとキャンティはザクザクと足音を立てながら、人型ユニットたちに近づいて行った。


「なーなー、お前ら。一般人を盾にしようとしてんだろうけど、俺ら別に痛くも(かゆ)くもないぜ?」とレジーが言った。

一般人(あいつら)を殺したかったら殺せば? 死のうが生きようがカンケーねーし」とキャンティが冷たく言い放った。


「そうか」

 人型ユニットたちは双子の言葉を『理解』し、戦闘体制に入った。




《──っこい、しょっと》




 森の入り口付近が突然暴風に襲われ、木々は激しい音をたてながら揺れ動いた。

 その場にうずくまるしかないツアーの人たちを竜巻のような暴風が包み込み──突如一斉に姿を消した。



「どういう事だ」


 人型ユニットが『理解不能』でいると、

「よっしゃ、無事どっか行った」

 ボギーはひと安心し、臨戦体制に入った。


「さて、俺らの出番らしいよ、じーちゃんたち」


 ボギーが拳を握って走り出すと、辨野以外も走り出し、人型ユニットの群れに向かった。



 ヘリが戦闘モードにトランスフォームし、上昇しながらボギーたち目掛けて連射。重機ロボットのアームが伸び、先頭のボギーをガッと掴んだ。


 人型ユニットたちは腕をナノブレードに切り替え、音も立てずにレジーたちに向かって走り出した。



 その間、辨野の後ろに姿を現したのは、重機ロボットより巨大な影。


《──私も参戦する。(いくさ)用の結界を張ったぞ。森や街には影響ない。さあ、行くぞベン》

「あ、ハイ……」


 辨野と大きな影が重なり合うと、辨野の姿がみるみる大きくなり、影に取り込まれるように辨野の姿が変化していった。


 青黒色(しょうこくしき)の顔に憤怒(ふんぬ)の表情、長い布の『天衣(てんね)』を身に(まと)った巨大な姿。



 ボギーは重機ロボットのアームに振り回されながらも、辨野の初めての姿を見て目を輝かせた。

「デッカ! すげー迫力の絵面(えづら)! ワハハハすっげー!」


 スイッチが入ったボギーは、だんだん顔が浅黒く口角が耳元まで広がっていった。

 目は(くぼ)んで奥で赤く光り、(よだれ)を垂らした裂けた口からは、鋭い牙が光っていた。

 


 憤怒の姿になった辨野は、結界で高く飛べないヘリを1機ずつ片手で掴み──合掌。

 ヘリを粉砕した。

 向かって来た重機ロボットには右腕を一振りすると、重機ロボットが吹っ飛んで結界にぶつかった。



 別の重機ロボットが人型ユニットと戦闘中のキャンティを掴んで、空高くアームを伸ばした。


「テメ、フリーズドライにしてや……」


 重機ロボットはハンド部分に圧をかけた。

「クッソが……!」


 キャンティの体から白い(もや)がブワッと放出され、ハンド部分の内側から急速にパラパラの鉄粉となって崩れていった。

 その速さが圧に勝り、キャンティは空中に放たれた。

 

 すかさず重機ロボットの頭部から補助アームが展開、回転ブレードを出しキャンティに向かった。

 だが一瞬で、上からの巨大な拳が重機ロボットを地面に叩きつけた。


 憤怒姿の辨野が右足で踏みつけると、大地に大きな穴があき、重機ロボットは穴の底で停止した。




 ()き出しの大地に、人型ユニットの残骸、スクラップのように圧縮されたヘリ2機、屑鉄(くずてつ)と化した重機ロボット1機分が広がっていた。


 辨野によって停止した残りの重機ロボットは、双子が心ゆくまで(ちり)にし始めていた。




那羅延天(ならえんてん)様、お久しぶりです」

 ビリーが見上げて言った。

「おお、大きいっすね!」

 ボギーも見上げて言った。

 那羅延天の体から離れた辨野は、胡座(あぐら)をかいて地べたに座り込み、首を垂れてぐったりしていた。



 かつて仁王(におう)像で親しまれた那羅延天は、ボギーも写真で見た事があると言った。


《お前が例の新しい奴か》

「ウス」

《神仏習合時代のよしみでな、ベン(こいつ)の守護神をかって出たのだ。──だが久しぶりで張り切り過ぎたようだ、ワッハッハハッ! 自分で張った結界を自分で壊すところだったわ》

「ウッキウキじゃないすか」



 戦闘が終った様子を見て、森の入り口から数人のガタイの良い男たちが出て来た。

「ありがとなあ。お疲れ様」

「この残骸どうする」

 残骸が山のように出来上がり、地面に巨大な穴があいていた。

「この穴に埋めるか」

「速攻で回収しに来るだろう。結界の外に捨てよう」

「ところであのツアーの人たちは、どこに捨てられたんだ?」


 辨野が顔を上げ、

「あれは……風神様でしたか?」と那羅延天に聞いた。


《ああ。東北の何処(どこ)かの山奥に持って行ったそうだ。あれ、わしの門番仲間》



 数時間後、ツアーの人たちは見知らぬ山奥で目を覚まし、(ふもと)に降りて助けを求めた。

 この事で『本当に神隠しに遭う』という禁足地の噂を、益々拡大させた。





突然のまんが日本昔ばなし。そんなつもりじゃなかったのに。

とりあえず風神の声を、常田富士男さんか市原悦子さんに脳内変換してください。セリフやめるか悩んでます。


ベンさんはデビルマンみたいにしたかった……。

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