5話美月の決意
能登半島地震発災直後に執筆しておりますので、このまま、投稿させていただきます。
実際にある地名を使用しておりますが、その地域にお住まいの方でで不愉快に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ご了承下さい。
かつての教え子に、シェルドランカ債権を託すことになった美月。「ふぅ〜」「大沢補佐っ。」「あっはいっ。まだ慣れないなぁ・・・。」「僕達も同じです。生徒の時の呼び方でお願いします。」「分かった。」「りかさんっ。」「妊婦だけど私もMIYABIの一員だよ。」「ふふっ♥」「あっ名刺ケースかっこいいっ♥もしかしなくても」「そういうこと。」「レザークラフト作家坂下智咲《ちさ》と言えば・・・。」「本名大沢美月さん」「そういうこと。あっこれは早いけど、椎名さんの出産祝い。双子ちゃんって聞いて・・・。育児バック。友達と多分同級生になるかもね。それとこれは、みんなヘ開店祝いのお礼。万年筆は、私と菜々から開店のお祝いのお返しと、私と椎名先生から、起業祝い。インクとペン先と細いのか中字か選んで。2本入るように、作ってあるから。お返しは辞退するから。」美月がサンプルで、2つの字体で自分名前を書く。「MIYABIで使うつもりならブラック系を選んでね。インクは、付箋のとこが、ブラック系。この2本は、RCCとここ用でインクは、ブルーブラックにしているよ。あとはお任せ。1人2本ずつ注文書を書いてね。60枚あるけど、書き損じの予備だからぁ。住所は、みなと商事にして。市川洋平で書いてあげて。あいつの知り合いのとこで、注文するから。あいつもみんなヘ、ある意味MINAMIにもかんでるから、出したいんだと・・・。女性用の軸のカタログ。3冊あるからゆっくりね。どうせ、開店祝いって相良君も、入ってるんでしょ。それを見越しての11人分ですっ。余ったらいつかようにとって置こう。」「ドキっ・・・。えぇーとこの後先輩に会うんで。」「吉沢君この後の打合せを。」「はいっ。」「相良君には、私から連絡を入れるから。」「お願いします。大沢補佐っ。」「うわぁー慣れないなぁ。かつての教え子にみなとの方の肩書で呼ばれるの・・・。」「もうすぐ半年ですよぉ。いい加減慣れて下さいって。」「ど・・・。努力しますっ・・・。」数分後思い出したかのように美月が、呟く。「そういや・・・。みんなの名刺って全員フルネームのローマ字だしひらがなでルビ入りなんよねぇ。」「あぁー神宮寺とかは大丈夫だけど、一部の人は、名前キラキラネームだからルビふろうって。」「確かに。気遣いですねぇー」「さすが・・・。イヤ禁句でした。」「吉沢工業の御曹司ということは内密に。」「美月ぃ。お待たぁー。」「洋平っ遅いっ。ごめんねぇ。この資格大バカも一緒に行くから。」「どもっどもって資格大バカの市川洋平でぇーすっ。」「いやぁー市川さんいてくれて助かります。MIYABIの通訳はあの通りなので・・・。」「洋平が、資格大バカで、助かります。何カ国語操れるんだっけ??」「19ぐらい。美月も、数カ国は通訳できるだろぉ。」「英語・ドイツ・フランス・韓国・イタリアは通訳できるけどぉ。」「市川さんすみませんっ。代役お願いして。」「りかちゃんのお願いなら・・・。」「言っときますが・・・。」「わってる。尊敬している椎名先生の奥様だろぉ♥」「大沢せっ・・・。補佐って主人尊敬してたんですかぁ。」「まぁねぇ~。お菓子作りを趣味にしてて。製菓衛生師になりたくて、RCC調理製菓専門学校のオープンキャンパスに行ったんだんよねぇ。時間あったから、時間潰しに調理器具新調したけど、それを椎名先生にチラ見された訳。」「へぇー。」「ナイフも購入したかったけどさすがに、凶器と思われるのイヤだから、ぼうるとか消耗品系かなぁ・・・。」「ふふっ♥」「補佐ぁーそろそろ経理課に、行って来て頂きたいんですが・・・。お願いしても・・・。」「わかりました。」「MIYABIメンバーは、相良先輩と大沢補佐のファン組。中には2人ともファンって子も・・・。」「10人中何人いるのかぁ~大沢美月としてのファン。」「私は、レザークラフト作家としての、大沢補佐のファンですっ。」「お世辞でも嬉しいぃ。そこに、これを差してね。」「もしかして・・・。万年筆フォルダですかぁ。」「うんっ。約束したでしょ・・・。みんなの就職祝い出させてって。今年は、少しトラブルもあって、迷惑をかけたからって。椎名先生と2人で・・・。椎名さんっごめんなさい。この出費だけは、目をつぶってくれたら嬉しいです。」「えっとぉ・・・。実は、彼例のアフィリエイトはじめたみたいで・・・。あのSweetsバカ。私よりも、稼いじゃってぇー」「ふふっ♥椎名先生、文書得意だから。」「500万ぐらい差が出ちゃってぇ・・・。」「ふふっ椎名先生文系得意だから。」「そうなんですよぉ。先に始めた私よりも、アフィリエイトで、稼いじゃってぇ・・・。本当のあのケーキバカぁ・・・。名刺と名札取りに来ただけなんで。」「りかさん在宅ワークで当面は・・・。」「トップの気遣いに感謝します。」数ヶ月後「無事出産。ってりかさん。男の子2人とも。」「やんちゃ坊主かぁ・・・。そういや古谷ちゃんのお兄さんのとこもだったよね。」「ふっふー。男の子の双子ちゃんです。サイズアウトの服の貰い手見つけ。」「えっ。」「ここからはフリマに、出さないでって言っておくよ。」数分後「古谷ちゃん以外はランチ行っておいでよぉ。」「ごめん。急用で、早退させてもらいます。」「状況分かれば連絡してね。」「うん。みんなごめんねぇそしてありがとう。」数時間後「MIYABI小川です・・・。古谷さんっ」「ごめん。古谷です。」「落ち着いて・・・。」「実家の方で大きな地震発生していたということで、状況とかまだ把握できていないかな・・・。」「ごめんなさい。自宅が震源地に近いということのみしか今のところは・・・。」「ありがとう・・・。バタバタしているだろうけど、古谷さんが、冷静に行動が取れるようにサポートはするから、遠慮なく言ってよ。」「ありがとう。今収集中、万が一のことも、想定しての早退。吉沢君には、感謝。」「ふふっ。」「とにかく、落ち着いて動いてね。」「うん。」「大震災被災者でもあるから俺。」「そうだったね。」「今家。」「うん。」「情報収集しっかりしてあげて。ごめん。吉沢君から、こっちでも情報収集したいから、実家の場所を。」「うん。今地震情報見れる??」「あぁー」「震度大きい地域の鈴谷市」「えっほぼ直下じゃん・・・。鈴谷市って。みんなに共有しておくよ。」「ごめん。ありがとう。」「気にしないの。」「何があっても俺達10人は、団結することにするって。」「そうでした。お互いに助け合いの精神で進む。」「そうでした。」「落ち着いて。大丈夫。ご両親の無事を祈ろう。」「うん。小川君ありがとう。」「バーカぁ。いつものように、怒り飛ばせよ。古谷琴美。」「いいのぉ。」「いいんだよ。いつもの口調で、話してくれた方が、逆に落ち着くから・・・。」「ふふっ。」数分後「竜ー古谷ちゃんの情報くれる。」「ご実家は、鈴谷市。」「えっ・・・。震源地ほぼ直下じゃん。」「そうそう。まだ、ご両親とかの安否不明。現在、情報収集中。」「鈴谷市の地震情報かき集めてくれる??情報分析の達人ちゃん。」「あいよぉ。ってもう情報分析中やねん。」「早くねぇ・・・。」「そりゃそうですよ。私旅行趣味ですしぃ・・・。鈴谷市一番大好きな場所ですからぁ・・・。」「古谷さんのご実家が、鈴谷市って聞いて驚いているけど・・・。大好きな場所だから・・・。情報分析はちゃんとしたい。」泣きながら力説する、美希「三沢さんっ。ありがとう。」「ううん。」「古谷ちゃん。」「ごめんなさい。家1人だから・・・。怖いんだ。」「いいんだよ。いたかったらいてくれても。」「吉沢君っ。」泣きじゃくる美琴を抱きしめる亮。「古谷ちゃん落ち着いた??」「うん。」数分後「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっキセキやんかぁ、さすがぁ兄貴ぃ・・・。わかったよ。ありがとう。」数分後「今兄からで、両親と兄無事だから安心しろって連絡が、電波状況悪いから、なかなか連絡できずにいて心配させてすまないって。残念ながら自宅は全壊判定で、兄のところも半壊で、2人とも今は一緒に仮住まいにいるからって。」「なぁー古谷ちゃん迷惑じゃなければ、ご実家の片付け手伝わせてくれる??」「えっ??嬉しいけど・・・。わかったよ。みんなの予定があえば行こうよ。私も連絡は、もらっているけど、やっぱ心配だしね。」数日後。MIYABIの面々は、美琴の実家へ行くことになった。仮住まい先にご両親と兄に挨拶をして、ボランティアスタッフとして、活動を続けるMIYABIの面々。「美琴ちゃん・・・。皆さんは・・・。」事情を知らない義理の姉の奈美「あっ・・・。専門学校のクラスメイトであり、会社のメンバーだから。安心して下さいっ。お姉様。」「美琴すまん。サイズアウトの服。」「いいよ。今は兄貴とかみんなが、無事なの確認できたことで、ホッとしてるんだからぁ。気にしないでいいよ。」「お父様っ、ご指示を下さい。」男子が父親と片付けをしている。「さすがぁ小川君っ。震災経験者。」「えっ。」「実は、僕震災の被災者なんです。」「そうだったんですか・・・。」「防災士の資格も取っているし、ADEの普通救急も持っているんで。」「美琴すまん。」「それ言わない約束でしょ。お父さん。」「すまん。つい。」「ふふっ。」「これよかったら皆さんで・・・。」「ありがとうございます。」バタバタの中あんなものまで用意していたとは・・・。亮の行動力には驚くばかりの面々。「いつの間に・・・。」「ふふっ。さぁーな。」「怖っうちのトップ。」「どうともでも言えよ。」「バカぁ。亮っ。」手土産用に色々と詰め合わせセットにして持ってきていた亮。甘い物大好きの兄夫婦が真っ先に飛びつく「シェルドラのスイーツって・・・。」「実は僕達も、このシェルドランカの民事再生に関わっておりまして。妹さんに弊社を代表して食品衛生責任者を任せることになっております。」「さすがぁ美琴ちゃん。趣味をある意味仕事にしたね。羨ましいよぉ・・・。」「お姉様の影響ですからぁ・・・。」「こいつっ♥」「ふふっ。お父さん。ちゃんと約束は守ったよ。」「あぁ・・・。」「和菓子も入れております。美琴さんからお聞きして、和菓子職人のお父様の反対をおしきって、パティシエールの道へ進むというお話でしたが、こちらのHURUHURUは、美琴さんがメインで開発させていただいております。HURUHURUだけは、店頭にもまだ出しておりません。お父様の許可を頂くまでは、絶対に店頭に出さないでという、美琴さんの強い要望もございましたので、まずはお父様に食べていただいて感想を聞いてから、商品化をしようと思っております。洋菓子店に置く和菓子ということで、ご教授ください。」「美琴・・・。実は店の方も全壊判定だ。再建は難しいと思う。お前さえよければ俺も・・・。」「えっ・・・。」「ここを離れるということだ。」「吉沢君っ。君が、トップと聞いて頼みが・・・。」「わかりました。和菓子部門立ち上げる計画でいたので、お父様さえよければ、ぜひ。」「ありがとう。親子でお世話になるよ。」「お父さん・・・。」「あぁ・・・。わかっている。お前に跡を継がせることはしないよ。安心しろって。後継者はちゃんといる。」「心配するな。」「ならいいけどぉ。」数日後MIYABIの面々とともに、美琴の両親も一緒に行くことになっている。「転出届出して来たよね・・・。」「あぁ・・・。母さんが出しに行ってくれるよ。俺は先に、新居の方の準備をするからな。被災者申請で、転入届を出すつもりだ。鈴谷からな。店の方の移転届やらなんやらは母さんの方が、詳しいからな。多分道具とかも新調だな。吉沢君が、資金繰りをしてくれるから、安心だがな。」「ったくぅ・・・。一応MIYABIから融資だからね。そこ忘れないでよ。被災者だから返済は当面免除だからね。とは言え、娘の私が当面融資肩代わりで返済するからね。起動に乗ったら吉沢君にじゃなくて私にだからね。間違えないでよ。返済先。あとお母さんに言うけど・・・。」「わかっているさ。すまん美琴。」「ったくぅ。どうせ、和菓子職人しかできんから。」数分後「美琴さんですよね。親方のお嬢様の。」「はいっ。もしかして。後継者の方。」「すみません。ご挨拶遅れまして。笹塚と言います。」「改めまして、娘の美琴です。父の跡をお願いすることになりまして。」「いえいえ。娘さんも、ジャンルは違うが、職人さんとお聞きして。」「小豆が、苦手なので、和菓子職人の娘なのに笑えるでしょ。」「こいつ小豆よりも豆類苦手だし。おつまみ系の豆類だけは、唯一食えるけどな。」「酒豪の父親の遺伝子のせいです。」「そいつは悪すぎたなぁ。」「ふふっ。」「鈴谷で和菓子とくりゃ、菓子問屋古谷。」「だよなぁ・・・。ったく隠し玉発掘・・・。」「えっとぉ。内密によろ。」「多分その内密が、難しいと思うぜ多分。古谷ちゃん」「だねぇ。改めて菓子問屋古谷の娘の古谷美琴です。」「もう知ってるっつーの。」「ふふっ♥」ようやく美琴にも笑顔が見え始めた。「和菓子部門立ち上げってぇ。」「茶道家だから母親が、でっ和菓子少ないから、なんとかいうことで・・・。」「そういうことかぁ・・・。」「そそっ。でもぉ古谷ちゃんの実家が、有名店とはぁ。」「頑固者の父親ですからぁ。」「悪いか。」「別にぃ。」