第六話 夏休み襲来
中間テストも終わって、期末テストが始まる前の時期だろうか。
僕はあれから何とか、みんなの信頼を取り戻す事には成功したと思う。
そもそも俺は陰キャだから、みんなあまり気にしていなかったらしい。
俺は夏休みも兼ねて、筋トレをしようと思っている。今はだらしない体でなんとも不甲斐ない。
こんな体をしていれば、どれだけスクールカーストが高くとも恋愛のレの字もやってこないだろう。
特別、彼女が欲しい訳でもないけれど、恋という物に憧れはあるから、一度は経験してみたい。
でも、テスト勉強もしなきゃだなぁ。
「原田に頼むかぁ。あいつ不思議な奴だけど、頭はめちゃくちゃいいんだよなぁ。前ちゃんもそう思うだろ?」
原田は変なやつだが、クラスの中で1番頭が良いし、みんなから人気者である。
前ちゃんとは前田の愛称だ。この1ヶ月でだいぶ他校だった子達との仲も深まってきた。
「そうだよなぁ。あいつは頭いいのに変な奴なんだよ。でもさ、頭良い奴って変な奴多いらしいぞ。」
「確かにそうなのかもしれないな。夏休みあいつに勉強教えてもらおうの会を開かないとだな…」
「そうだな。おっと、授業が始まる…また後でな!」
そうか。もうすぐ夏休みだな。再認識すると嬉しいな。女の子と制服で海へ行きたいな。
夕陽を並べた海岸場で、肩を並べて戯言を言い合いたい。
別に彼女じゃなくていい。そんな女の子の友達が欲しかった。
儚い世界が好きな人は余りいない。俺はこの美しい世界をみんなに知ってもらいたいけど、みんなは
そんなことを言っても対して気にしない。
人それぞれ趣味は違うから強要はしないけど、みんなにもわかって欲しいものだな。
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期末テストが終わった。
結果は五教科205点だった。
俺は今まで隠していたけど頭が悪い。
わかっているかそんなこと。
俺は一体誰に対して話しかけてるんだろうか。
漫画のナレーションでもあるまいのに…
俺はテストが返された日から筋トレを始めてみた。
やっぱりきつい。けれどそれが人生と言うものだ。
苦しいことは常日頃、痰が絡むように着いてくるのに、楽しいことは涙のように呆気なく落ちてしまう。
腹筋が割れるぐらいで最初はいいんだ。
それが目標だ。バキバキのボディビルみたいな体をまだ目指す訳では無い。まずは小さな目標からだ。
少しづつでいい。だからこそ成し遂げられる物がある。
夏休み中、何をしようか……遊ぶ約束はまだない、というかまだ立てる気もない。
詩を書いてみるか。それをネットにあげてみようか。バズるバズらないは置いておいて、自己満にはなる。
そうして夢叶の夏休み計画が始まった…
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「キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーンー…」
「ふぁー授業は面白くないなぁ〜そんなことより、夏休みのことを考て欲しいぜ〜」
「そんなこと言うなよ!前田!先生達も必死に授業作ってんだぞ!」
「そんなに言わなくていいじゃないか〜そんなんだから昭和のままなんだよっ笑!」
「本当に障害者ばっかかよ笑
ここは障害者施設じゃないぞ!笑」
「おうおうおう、それはマズイんじゃないのか?桜井笑」
「あんま、障害者施設バカにすんな笑赤坂!」
「ごほん。それでは、第一回中学夏休み計画をここに始める。」
「何だいきなり?あぁ夢叶か。そういえばもう夏休みか」
「それでは諸君。夏休みの予定を考えて行こうでは無いか。」
「夢叶に決めれんのか?笑原田がやる方がいいんじゃないのか?」
「俺か?ならまず女の子を2,3人連れて沖縄に行こう。そこで乱の交パーティだ。」
「おっと…そう来たか…今回は夢叶に任せた方がいいのか?」
「じゃあ俺がやるよ。夢叶みたいに頭悪くないし、原っちみたいに飛び抜けてないこの俺が行く!!」
「そうじゃん!稲田に頼めばすぐ済むジャーン!」
俺の役が奪われてしまったか。
だが、これも青春だ。何気ない会話の日常は未来では絵物語でもなり得ない美しさを誇る。
今回は稲田に任せよう。
「よし!まず、夏休みはプールor海だ!どちらかには行こう!」
「そうだなー女の子はいなしプールの方が楽だしプールでいいんじゃないのか?」
「たまにはやるじゃないか、上代君。」
「おうおう舐めたこと言われても困るぜ…」
………
そんなこんなでとりあえずプールに決まった。
終業式を終えた俺は、プールに行く予定日までスヤスヤと眠れずに待ったのであった…