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真由からの報告、そして……

『悪野と葛宮はそれぞれ教師二人ずつ配置して、行動を制限していたのは聞いてるよね』


「ああ、啓介から聞いた」


 通話を続ける俺と真由。

 啓介から聞いたが、悪野と葛宮は教師と同行するために、行動が制限されるはずだ。

 そんな中で、何をやからしたのか。


『どうもあの二人は、トイレ休憩を終えて出て来た高岡姉妹に襲い掛かって押し倒したんだよ』


「はああっ!?」


 まさかの内容に俺は驚きを隠せない。

 あの悪野と葛宮が、ついに双子姫と呼ばれる高岡姉妹を襲ったのか!?

 行動を制限しているはずなのに、何でだ?


『どうも、あのお局教師も一枚噛んでたみたいで、お局教師が二人を見張っている教師に食って掛かったの。 それを対応している隙を突いて、トイレから出て来た高岡姉妹を襲って押し倒したの』


「やってくれたな、あいつら……! でも、何で高岡姉妹が?」


『班決めの時に、自分達を拒絶したのが気にくわなかったみたい。 そこでお局教師に相談して決行したんだと思う』


「うわぁ……」


 お局教師も一枚噛んで、あの双子姫を襲うとか、最低だな。

 幸い、トイレを終えた後だからよかったのだろうが……。


『で、押し倒してスカートを捲ろうとした所で、双子姫と同じクラスメイトの男子がラグビーのタックルで吹き飛ばしたり、片割れの佐奈さんが葛宮へ向けた金的攻撃で対処後、もう一人の別の男子が葛宮にタックルしたしね。 あと、田井中さんが一部始終カメラの収めたから証拠として残るよ』


「それでも、もみ消しされないか? あいつら、謎の権力持ちだろう?」


『双子姫のファンクラブの人が多いんだよ。 クラスメイトにも多くいるみたいで共有と拡散と通報をしたみたい。 それに、あの二人は高岡家の子だから影響力も高いしね。 もみ消しは不可能だよ』


「なんとまぁ」


 聞けば聞くほど奴らの行動と理由が呆れてものが言えない。

 押し倒して、まずスカートを捲ろうとしてたとか、完全にアレをするつもりだったのか。

 クラスメイトが助けて、委員長が一部始終を動画に収めていたようだ。

 お局教師の謎の権力でもみ消されないか不安だったが、あの双子姫のファンクラブに入っているクラスメイトもいるようで、彼らを介して動画の拡散や通報をしていたようだ。

 

『その後は、警察が来てお局教師と悪野と葛宮は事情聴取の為に連れて行かれたわ。 田井中さんとかはその場で簡単な事情聴取をされたけど、お咎めはなかったわね』


「あの三人が連れて行かれたのか。 とはいえ、警察もなぁ……」


『あー、兄さんの小学生の時は警察もグルだったからね。 警察に対する信用度がどん底なのね。 でも、今回の警察はまともな人たちだから金や圧力に屈さないよ』


「だといいが……」


 そして、警察が来てお局教師と悪野と葛宮は、事情聴取の為にパトカーに乗せられたようだ。

 とはいえ、俺は7年前の一件で警察に対して全く信用ならなくなったのだ。

 いくら現在の警察の人達がまともだと言っても、不安でしかないのだ。


「それで、その後は普通に校外学習は終わったんだな?」


『うん。 少しだけ予定とは違ったけど、何とかね。 それでね、兄さん』


「ん?」


 そして、予定が少しだけ狂ったが何とかなったようだが、そこで真由が改めて俺に言おうとすることがあるようだ。


『現在、高岡姉妹も一緒にいるんだけど、二人とも兄さんに話がしたいって言ってるの』


「え!?」


 真由からのまさかの発言。

 あの高岡姉妹が、俺と話をしたいのだとか……?

 マジで信じられない出来事だよ!


『どうも、向こうは兄さんの事を知ってるみたいで……、今回のクラス替えを機に話をしたかったみたい』


「俺を……知ってる?」


 あの高岡姉妹が俺の事を知っている……、というか覚えてるのか?

 7年も時が流れてるのに、マジでか?


(考えても埒が明かないな。 トラウマを押さえながらだが、少し話をするくらいなら)


 今の俺は、真由と啓介以外の人と接する事が出来ないが、少し話すくらいならトラウマを無理やり抑えられるかも。

 なので、一応会って少し話をしてみよう。


「分かった。 少し話をしてみる。 真由達と一緒なんだろう?」


『うん。 住んでる所も近所のマンションだし。 じゃあそっちに連れて行くね』


「ああ」


『それじゃ、また家でね』


 真由がそう言い終えた所で、通話を終える。

 高岡姉妹との話か……。


 7年前に一緒に遊んだ『ななちゃん』と『さなちゃん』なのだろうか、確認は必要だろうな。

 そんな事を考えつつ、暫くベッドで横になってると玄関のインターホンが鳴ったのだった。


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