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時は流れて、一週間後

「兄さん、お待たせ」


「悪いな、待たせたぜ」


「いや、こっちも悪い。 わざわざ保健室にまで迎えに来させて」


 保健室で待機していた俺の元に啓介と真由が迎えに来た。

 五限目が終わった所で、おそらく早紀先生が教えたのだろう。


「親父さんの通達、届いていたみたいだな」


「ああ、何とか校外学習の不参加は認められたみたいだ」


「その方がいいのかもね。 兄さんのクラスにはあの悪野と葛宮がいるんでしょ?」


「去年は違うクラスだったから安心した途端にな。 昼休みにも言ったが、三日目から陰キャと言われて虐められた」


「最低だな、本当に。 奴ら、例のお局教師との繋がりもあるみたいだしな。 去年も問題を起こしたにも関わらず、お咎めなしだったからな」


 

 実は、三日目から俺が現在、人と接するのが怖いと言うトラウマをネタに虐めてきている悪野と葛宮。

 どうも去年も同様に問題を起こしているが、啓介曰くあのお局教師との繋がりもあるらしく、それで停学や退学などの処分になるまでに至っていないのだとか。

 こっちもこっちで闇がデカいなぁ……。


「とにかく早く帰ろうか。 母さん達もヤキモキしてるだろうし」


「うん。 啓介もいいよね」


「ああ、早く帰ってしまおうか」


 そう言いながら、俺達三人は保健室の先生に挨拶をしてから保健室を出る。

 そして、そのまま校門までダッシュで走ったのだった。

 その間に例の双子姫とエンカウントする事はなかったが。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 あれから一週間後。

 学校では校外学習が始まっている所だろう。


 俺はというと、両親からの伝達のおかげで校外学習の不参加を認められ、家でゆっくりしている。

 今までにもあの二人による陰湿ないじめがあったと真由を交えて伝えると、すぐにクレームを入れてくれた。

 だが、例のお局教師などがそれを握りつぶしてくる可能性もある。

 あいつらが問題を起こしても、お咎めなかったのもそいつが絡んでいる可能性が強いからな。


(啓介と真由、楽しんでるだろうか?)


 俺は自室のベッドの上で、校外学習に参加している啓介と真由が楽しんでいるのかと思案していた。

 あの二人は常に、トラウマ持ちの俺を気に掛けているために、デートなどの機会はあまりなかったはずだ。

 この校外学習が二人が楽しめる数少ないイベントだと思っている。


(後で聞いた話だと、悪野たちは教師と一緒なんだってな……。 行動が制限されるからトラブルが起きる事はないだろうけど……)


 一昨日に啓介から聞いた話だと、悪野と葛宮は校外学習の班決めの際のトラブルで、教師と一緒に行くと言う流れになったそうだ。

 教師と一緒だと行動が制限されるから、トラブルは起こらなうだろうが、あの二人だ。

 それでも嫌な予感は拭いきれないのだ。


(ん? 着信? これは、真由からか?)


 そんな事を考えていたら、スマホの通知音が鳴る。

 真由からの通話が来たようだ。


(何だろうな……)


 恐る恐る通話のマークをタップして対応する。


「もしもし」


『あ、兄さん。 お休みできたかな? こっちは今下校中だよ。 でね、校外学習は無事に終わったんだけど、途中でアクシデントがあったんだよ』


「アクシデント、やはりあったのか……」


 真由との通話内容で俺はため息をつく。

 無事に終わったからいいのだが、途中でアクシデントが起こるとはなぁ。


 多分、あの二人だろうなとは思うが、俺は引き続き真由に聞いてみる。


「で、どんなアクシデントだったんだ?」


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