迫る中間テストと体育祭
「みなさーん、ホームルームを始めますよー」
下酢が警察に連行されてから一週間。
俺は、双子姫と呼ばれる佐奈と奈々、そして真由と啓介のおかげで1学期を無事に過ごせている。
今日もいつものように、早紀先生が教室に来てホームルームを始める。
ここまでで、色々あったからなぁ。
双子姫の再会から始まり、悪野達や下酢の事件などが起こったり。
あいつらがいないだけで、ここまで気楽に学校生活を過ごせるものなのだろうか?
「さて、五日後に中間テストも始まりますが、さらにその三日後……、今日から約一週間後に体育祭が行われます」
早紀先生の発言で、クラスメイトがざわつく。
中間テストと体育祭の両方でざわめいているのだろう。
(そうか。 中間テストもあったんだったな)
体育祭よりも先に中間テストがあったのをすっかり忘れていた。
一応、佐奈と奈々から授業内容を復習がてらに教えてもらっているが、如何せん苦手な教科があるので不安が残る。
その後の体育祭は、まぁ短距離でならエントリーしてもいいだろうから、そこは問題にはしていないが、先輩達との交流が問題なんだよな。
クラスメイトとはようやく話せるようにはなったが、それ以外の者達とは未だに接する事すら難しいのが現状だ。
真由や啓介、佐奈と奈々のフォローがないとトラウマが発症して吐いてしまうだろうな。
「今日の五限目に体育祭の競技に誰が出るかを話し合おうと思います。 希望する競技があったら、その時に挙手などで伝えて下さいね」
なお、どんな競技に出場するかは、今日の五限目に決めるようだ。
まぁ、五日後に中間テストがあるのだから、今でないと間に合わないのだろうな。
早紀先生がそう告げた所で、ホームルームが終わる。
そして、すぐに佐奈達とトイレに行ってから、再び教室に戻ってくる。
この間に、百合原と遭遇しなかったのは救いだな。
「そういえば、まーくんはどの競技に出るの?」
前の席から後ろを向いて、奈々が話しかけてくる。
俺が競技に出るのか気になるだろうな……。
「俺は、可能なら短距離走に出たいとは思う」
「そうだったね。 まーくんは、スプリンターだもんね」
俺の希望が短距離走だという事を告げると、隣の席の佐奈が納得した様子で頷く。
まぁ、あの時の体育の授業で長距離が苦手なのは理解してくれてるだろうけど。
「でも、まーくんには難関が発生するよね」
「そうなんだよな……」
「あ、そうか……」
そこに佐奈が、体育祭に関する俺にとっての難関が発生する事を言及した。
奈々もそれを察したようだ。
「二宮君は、クラスメイトには話せるようになったけど、他の生徒や先輩達にはまだトラウマが発症してしまう可能性があるもんね」
「そうなんだよな」
そこに田井中さんが話に交ざってきた。
まぁ、彼女はクラス委員長でもあり、双子姫のファンクラブの会長だしな。
佐奈と付き合っている俺の事も守ろうとしてくれているのは有り難いな。
「ひとまず、ボクや奈々、服部君と田井中さんでまーくんの周りを固めておこう」
「そうね。 話しかけられてもトラウマの発症を和らげれば、話せるようにはなるだろうし」
「後で服部君にも伝えておくね」
懸念している体育祭中のトラウマは、ひとまず奈々と佐奈、そして田井中さんと服部君で護衛する形で周りを固めておくことにしたそうだ。
二人以上のサポートがあれば、話しかけられてもトラウマの発症を和らげられるかもしれないしな。
「はーい、お待たせー。 さぁ、授業を始めますよー」
「起立! 礼! 着席!」
そう取り決めをしたと同時に、早紀先生が教室に入ってきた。
田井中さんの号令の後で、一限目の授業が始まる。
(体育祭もそうだが、中間テストも頑張らないとな……)
そう思いながら、俺も一限目の授業に臨むのであった。
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