悪野達の襲撃(前編)
ゴールデンウィーク明けの登校日。
俺は、いつも通りに真由と啓介と佐奈と奈々の4人と一緒に登校する。
そんな中で、啓介から不穏な話を聞いた。
「悪野と葛宮と粕原が徘徊している?」
「ああ、ファンクラブ内の情報でな。 最近になって学校周辺を徘徊しているらしい」
「でも、あの三人って退学になったり、教員免許を剥奪されたんじゃ?」
「だからだろう。 奴らはその処分に不快感を抱いている。 奴らは自業自得の結果を受け入れないからな」
「本当に自分ルールを貫いてるのか……」
ファンクラブの情報で、退学処分になった悪野と葛宮、そして教員免許を剥奪されたお局教師の粕原が学校周辺を徘徊しているというらしい。
奴らが起こした自業自得の処分を未だにあいつらは受け入れていないようだ。
本当に自分ルールを徹底している感じか。
「警察には?」
「【グエル】先輩曰く、九条校長が通報している。 しかし、警察を見ると奴はすぐに姿を消すらしい」
「何か……、あの男を思い出すね」
「うん」
「奈々、佐奈?」
どうも久留里校長が警察に通報しているのだが、あいつらは警察を見るとすぐに姿を消すらしい。
それを聞いた佐奈と奈々は、不快感を抱きながらどうも昔を思い出していた。
同じような感じの事が、昔にもあったのだろうか?
「何かあったの?」
「うん。 まーくんと出会う前に、ボクと奈々の前の父親が同じことをしていたんだよ」
「当時は倒産した後で転職活動をせずに私達に八つ当たりをしたりしたから、叔父さん達の力を借りて離婚にこぎつけたんだけど」
「それを未だに認めず、ボクと奈々と母さんを探しに徘徊していたんだよ。 その際も今みたいに警察の姿を確認すると姿をけしてたみたいだし」
「マジか……」
奈々と佐奈の過去にそんな事があったのか。
俺が二人と出会う前にも似たような流れがあったとは……。
確かに二人からして悪野達の行動は、そっくりだと思っていたのだろう。
「ファンクラブ間でも警戒は強めているが、多分狙いは奈々さんと佐奈さん、そして正樹だろうな」
「まーくんも!?」
「そうか、あいつらにとっては兄さんは絶好のいじめターゲットだったから……」
「自分達にいじめられるべきの存在がのうのうと楽しく学園生活を送ることが気にくわないのだろう」
「酷いね。 最悪だよ!」
「うん。 許せないよ……」
どうも奴らは奈々と佐奈以外にも、奴らにとっての恰好の獲物だた俺をも狙っているという。
いじめられっ子のくせに、楽しく過ごす事が許さないとか……、本当に独り善がりにも程がある。
奈々と佐奈もより怒りを露にしていた。
「ともかく、教室まで俺達で固まっていこう」
「そうだね。 どこかに潜んでいる可能性もあるし……」
警戒を強め、五人で固まって校門に入る。
「あ、おはよう、五人とも」
「おはようございます」
校門をくぐると、久留里校長が出迎えた。
「警察には常にこの辺りを見張って貰ってるけど、何かがあるといけないから、私も同行するよ」
「わざわざすみません」
「いいよ。 キミ達も大切な生徒だしね。 校長として奴らから守って行かないと……」
久留里校長も教室まで同行する事になった。
そして、それと同時に……。
「見つけたぞぉぉぉ! クソ陰キャぁぁぁぁ!!」
「なっ!?」
「悪野達か!!」
悪野と葛宮と粕原が突然校内に現れたのだ。
その手には……、ナイフを持っていた。
次回は明日の昼に更新します。
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