双子姫と母親の誕生日⑥
「さて、まずは私達からだね」
京也さんの一声でプレゼントを渡す時間になったので、まずは春日井一家からプレゼントが渡されるようだ。
代表として、冬さんが奈々と佐奈、紗友里さんに向けたプレゼントが渡された。
「あ、これは……」
「新しいスマホカバーだね。 ありがとう」
「私の方は、新しいコーヒーメーカーね。 豆もあるし、後で淹れてみようかしら」
奈々と佐奈には、新しいスマホケースをプレゼントし、紗友里さんにはコーヒーメーカーをプレゼントしていた。
前者は、夏奈さんと淳くんからだろうし、後者は冬さんあたりだろうな。
「なら、次は私達か」
「年頃になるとなかなかいいものが見つからないからね。 その中で何とか見つけて来たわ」
「どれどれ……?」
次は達也さんと朱里さんだ。
だが、年月が経つにつれて、いいものがなかなか見つかり辛くなるようだ。
まぁ、佐奈も奈々も年頃だしな……。
そんな中で、達也さんと朱里さんがプレゼントしたものとは、一体なんだろうな。
「あ、これは最新作のレースゲームソフトだ!」
「こっちはラノベ一式だね。 ちゃんと私達の好きなジャンルを把握してる」
双子向けのプレゼントは、最新作のレースゲームと、奈々と佐奈のそれぞれの好きなジャンルのラノベ一式だ。
確か、朱里さんは出版会社の社長さんだったのだが、あえて他社のラノベを用意したようだ。
「次の休みの日に、一緒にこのレースゲームでもしようよ、まーくん」
「ああ、いいよ。 楽しみだな」
佐奈が嬉しそうな笑顔で、ソフトを抱えつつ、次の休みの日にやろうという約束を取り付けた。
俺自身も欲していたソフトなだけに、楽しみで仕方がない。
「本当に佐奈ちゃんと正樹君は、仲がいいわねぇ」
「ああ、7年ぶりだからな。 5歳から5年間は一緒に遊んでくれてたからな」
そんな様子を朱里さんが微笑ましそうに京也さんと見ていた。
まぁ、出会って5年間はほとんど双子と遊んでたしな。
特に佐奈と遊ぶ日は、楽しかったという記憶はある。
「私の方は、最新の液タブね。 丁度13年分使い込んでたから買い替えようかと思ってたし、ありがとう」
「役に立ててよかったよ」
一方で、紗友里さんには新しい液タブをプレゼントしたようだ。
しかし、前の液タブを13年も使い込んでたのか……。
「前の液タブは、父さんからのクリスマスプレゼントとして貰ったやつなんだよ」
「ああ、なるほど」
「それだけ大事に使ってたんだね」
そんな事を考えてる俺に、佐奈が小声で教えてくれた。
どうも前の液タブは、京也さんがクリスマスの時にプレゼントしたものらしいのだ。
ここまで大事に使われていたのなら納得だ。
真由も横で聞いて、納得の表情を浮かべていた。
「次は田井中さんからか」
「うん。 まぁ、いつものだけど」
「あはは、ハンカチとかリボンはもっと欲しいくらいだしね。 ありがとうね」
「あら、私向けには丹後地方で飲むコーヒー豆と紅茶セットね」
「美味しそうだな。 機会があれば紅茶も飲むか?」
「ええ、そうね」
次の田井中さんは、双子向けにはハンカチとリボンだったが、紗友里さん向けには丹後地方で飲めるコーヒー豆と紅茶の一式が入っていた。
紅茶は……、アールグレイらしい。
機会があれば、京也さんと二人で飲むつもりらしいな。
まぁ、和哉くんは紅茶は苦手だと言ってたし、奈々と佐奈もあまり紅茶は好きじゃないみたいだしな。
「兄さん、最後に私達だよ」
「ああ、真由が両親に頼んで買った奴だけど」
そして、最後に俺達の番がやってきた。
緊急的に両親に頼んで買ってきた代物だが、気に入ってくれるといいかな……。
次回は明日か明後日になるかは不明です。
少し、スケジュールがやばいので。
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