双子姫と母親の誕生日⑤
「お久しぶりです、京也さん、本社社長」
「紗友里さんもこうして顔を合わせるのは久しぶりですね」
インターホンが鳴り、紗友里さんが対応すると、やはり春日井家の人達が来たようだ。
初対面というのもあるのか、少し恐怖感を覚え始めた。
「まーくん、大丈夫だよ」
「あ、ああ……」
俺の様子を察した佐奈が、俺を抱きしめる。
田井中さんと服部君も俺の付近にいるので、すぐに話を振る事は可能だ。
「それより佐奈、この人たちが?」
「うん。 父さんや達也叔父さんの会社の支社長の春日井 優真支社長とその妻の冬さん、そして夏奈ちゃんと淳くんだね」
この人たちが春日井家の人達だった。
達也さんの会社の支社長を務める優真さんとその妻の冬さん、その子供の夏奈さんと淳くんらしい。
「そういえば、春日井って聞いたことあるよね」
「確かに、早紀先生の苗字も春日井だったでござるな」
そこで田井中さんと服部君が思い出したかのように早紀先生の事を話し始めた。
早紀先生の苗字も確かに春日井だったからだ。
何か関係があるのだろうか?
「えっと、君が京也さんや達也社長の言っていた正樹君かな?」
「あ、はい、そうです」
「あー、紗友里さんから聞いてはいたけど、流石に私達は初対面だという事もあってか、顔色が悪くなってるね……」
「すみません……」
「気にしないで。 事情は聞いてるし。 あんな目に遭ってたのなら、トラウマになるのは当然だもんね」
一応、距離を置いて優真さんと冬さんが話しかけてくれたのだが、トラウマスイッチが発動してしまう。
佐奈のおかげで抑えられてはいるが、冬さんが言うには顔色が悪いようだ。
それでも、事情は知ってくれているから、助かるな。
「奈々さん、久しぶりです」
「淳くんも久しぶりだね。 夏奈ちゃんも」
「うん。 なかなか連絡できなくてごめんね」
一方で、夏奈さんと淳くんは奈々と話していた。
奈々も淳くんという男子と話す時は、すごくいい笑顔だ。
(佐奈、もしかして奈々の彼氏候補って……?)
(うん。 彼氏候補の一人が淳くんなんだよ)
ひそひそ声で佐奈に聞いてみると、やはり奈々の彼氏候補の一人は淳くんのようだ。
田井中さんも服部君も聞き耳を立てて聞いているが、少し驚いていたな。
「あと、奈々と佐奈のクラスメイトや正樹くんの今の義妹もいるよ。 よろしくしてやってくれ」
「そっか、クラスメイトの子も来てるんだね。 私は春日井 冬です。 よろしくね」
「僕は、高岡商事東支社の支社長の春日井 優真だよ。 で、奈々ちゃんと話しているのは息子の淳と娘の夏奈」
「よろしくお願いします」
そして、京也さんから真由と田井中さん、服部くんに話を向けるようにしてくれている。
ただ、冬さんは優しそうなので、多分大丈夫にはなるだろうな。
丁度、二人は気になった事もあったしな。
「そういえば、うちの担任にも春日井の苗字があったんですが、何か関係が? 春日井 早紀先生なのですが」
「ああ、早紀ちゃんあなた達のクラスの担任になったんだね」
「彼女は僕の従妹でね。 高校生時代はまだ赤ん坊で、よく懐いてくれてたんだよなぁ」
「そうなんですか」
早紀先生は、優真さんの親戚だったようだ。
優真さんが高校時代の時は、まだ赤ん坊だったようでよく懐いてくれてたみたいだ。
時代は変わるもんだよなぁ。
「しかし、春日井君の息子さんと娘さんも大きくなったな」
「ええ。 手がかかるようになりましたよ。 幸い反抗期はなかったですが」
「うちの娘もだよ。 素直に育ってくれてて助かってる」
で、京也さんと優真さんで子供の事について話し出した。
春日井家の子供も奈々と佐奈も反抗期はなかったようだが……?
まぁ、俺と真由もそうだが、俺の周りはそういう奴らばかりだろうな。
殆どの年頃の人達は、反抗期真っただ中だしな。
「さて、そろそろプレゼントタイムといこうか」
色々話したりしたところで、京也さんからプレゼントタイムを宣言したようだ。
まだ、春日井家の子供二人と話をしていないが……、そこはしょうがないか。
次回は明日の昼に更新します。
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