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幕間~自分の非を認めない者達~

今回は幕間です。

退学処分を受けた悪野達の話です。

 正樹が双子姫と呼ばれている奈々と佐奈にも支えられているおかげで、徐々にクラスメイトと接することが出来るようになったが、その一方では……。


「くそっ! 九条本家が校長に就任した事で俺達があっさりと……!」


「まさか、退学させられた挙句に、多くの私立からブラック入りさせられていたなんて……」


 九条(くじょう) 久留里(くるり)という教員免許も持っている九条家の本家の女性が校長に就任したと同時に、悪野と葛宮は退学処分にされ、粕原は教員免許が剥奪された。


 その後の悪野と葛宮は、現在何とか入ることが出来た公立の高校でひっそりと恨み節を嘆いていた。

 何でひっそりとだと言うと、この公立高校はいわゆる不良生徒の受け入れ学校となっており、色んな不良が校内にんるという。

 教師もそれに屈しないような屈強な教師なので、口でも身体でも二人には到底勝てそうにもないのだ。


「こうなったのも、あの陰キャと……そいつを庇う奴らのせいだ」


「あの双子姫も、あの陰キャを好いていたしな……。 ムカつくぜ……」


 不良に目を付けられないように逃げながらも、お門違いも甚だしい位に正樹や彼のクラスメイトのせいにする悪野と葛宮。

 やはり、自分こそルールだという主張は変わらず、自業自得なのは認めないようだ。


 きっかけは、悪野と葛宮の両親や一族が従事していた粕原一族の一人の政治家が、衆議院選で落選したからだ。

 それに伴って、与党内の総裁選で粕原と対立していた真面目な議員が総裁となり、そのまま首相の座に着任した事で、内閣改造を決行。

 落選した粕原議員は、当然ながら内閣に入ることが出来ず、さらに次々とスキャンダルやら闇が炙り出されてたので、政治家生命も終わりを告げそうになったからだ。


 その影響は一部の地方の教育委員会や粕原一族が掌握していた警察にも及び、粕原一族や悪野、葛宮一族やその影響を受けた人員は一掃され、真面目な人員が代わりに入ったと言う。

 ここまで動かせる程にあの【週刊文冬】の【文冬バズーカ】の威力はすさまじいものである。


「裏門から出よう」


「ああ、こんな所に居てられるか!」


 不良や屈強な教師の目を掻い潜り、学校を抜け出す二人。

 裏門から抜け出した後、周囲に目もくれず、一気に走って逃げる。


「あの廃ビルに逃げ込もう」


「ああ、そうしよう」


 こそこそと逃げたその先は、廃ビルだった。


「粕原先生」


 そこには、窶れた粕原がいたのだ。


「あなた達……、どうしてここに?」


「あの学校を退学されてから、俺達は無理やりあの不良校に入れられたんです」


「あそこは酷すぎて、今抜け出した所です。 カツアゲとかされたりして……」


「そう……」


 粕原に自分達の現状を話す。

 不良校に無理やり入れられて、不良たちにカツアゲされたりしている事などを。

 彼女は、そんな二人の話を淡々と聞く。

 そして、粕原はそれを聞いてある決意をしたようだ。


「話は分かったわ。 三人が揃ったし、乗り込みましょうか」


「あの学校にですね」


「ええ。 私達を追い込んだあの学校と、いじめられて当然なあの陰キャを殺すために」


「やりましょう!!」


「ああ、俺達が正しいんだってこと、思い知らせてやる!!」


 三人が揃った所で、粕原が復讐を持ち掛ける。

 悪野と葛宮も自分ルールな上に、いじめられて当然という粕原のコンセプトに同意している。

 故に、のうのうと学校生活をしている正樹を殺そうと企んだのだ。


 そういう決意をした三人は、いつ決行するかなどで話し合った。


 だが、彼らは知らない。

 その決意は、周囲の者たちによって無駄に終わらせられることを。


 さらに三人が自分自身で罪が重くなる事すらも……。



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