その後、再び自宅にて
「そうなのね、高岡さんが……」
「ああ。 そうそう、紗友里さんが母さんの事も心配していた」
「兄さんは大丈夫だった? トラウマとか……」
「ああ、それに関しては大丈夫だった。 京也さんも紗友里さんも俺を支えると言ってくれたしな。 母さんも紗友里さんに元気だと伝えてやった方がいいぞ。 これが今の連絡先だ」
「分かったわ。 明日にでも連絡するわね」
高岡家で奈々と佐奈の両親と話をした、その日の夜。
高岡家に向かった事について、母さんにも話した。
ついでに学校で双子とも再会していた事と、高岡家が住むマンションの一室で和哉くんとも再会した事も。
そして、紗友里さんが母さんの事を心配していたという事も連絡先を渡しながら伝えた。
幸い、高岡家に関してもトラウマが発症せずに済んだので、これからは安心して佐奈と奈々の家にも遊びに行けるな。
あの事もあるし。
「しかし、兄さんが引っ越しした当時は三歳だった男の子も、兄さんの事を覚えていたなんてね」
「ああ、一旦佐奈が事情を話して、少しずつ距離を縮めてみたが大丈夫だったよ。 和哉くんも覚えてくれてたのはありがたいな」
「多分、佐奈ちゃんと奈々ちゃんと遊ぶ傍らで三人で面倒を見てくれたのだろうね。 正樹くんにとっては無意識だろうけど」
「それが鮮明に覚えてたのか、和哉くんが」
そう。
あの事とは、和哉くんの事だ。
紗友里さんに奈々たちと一緒に昼ご飯をご馳走させてもらった際に、和哉くんが帰って来たのだが、その際に俺を見て『にーちゃん!?』と言って驚いていた。
佐奈がすぐに事情を話して、和哉くんと少しずつ距離を縮めながら接したが、トラウマが発動しなくてよかったと思う。
「あ、そうだ。 悪野と葛宮の親族が逮捕されたね」
「そうなの?」
「ああ、夕方のニュースで報道された」
それから話は変わり、悪野と葛宮の親族が逮捕されたとお父さんは言った。
真由が本当なのかと聞くが、どうやら夕方のニュースにも流れてたらしい。
俺も真由もその間はネットニュースを見てなかったしなぁ……。
「何で逮捕されたの?」
「どうも、ある地方に住む少女に対するわいせつ未遂で逮捕されたらしいね。 しかも、立場を失った事への八つ当たりで。 目撃者が多くいたし、警察も近くにいたから現行犯としてね」
「わいせつでかぁ……。 しかも八つ当たりって……」
真由が逮捕の理由を聞いた所、どうやら別の地方の少女に八つ当たりによるわいせつ行為を行おうとしたらしい。
目撃者も多く、警察も巡回していたので現行犯での逮捕に至ったようだ。
何だかなぁ……。
「調査次第で、君の前の父親をひき逃げ死させた事でも罪に問われると思うぞ。 立場を失った格好だから、今後も余罪はでてくるだろうし」
「後は、報復だね。 あの三人が認めるわけがないからさ」
「ああ、そこは私でも弟や知り合いと連携して注意を促しておくよ」
だが、今後の捜査次第では前の父をひき逃げして殺したのを含めての余罪も出てくるだろうという。
そうなれば、悪野と葛宮当人も影響が及ぶだろうな。
とはいえ、まだ悪野と葛宮、粕原本人の報復が無いわけではない。
真由もお父さんも、注意を促したり警戒を強める事にしている。
ファンクラブの間でも、悪野と葛宮、粕原の件は共有されてるしな。
特に、悪野と葛宮は、奈々と佐奈を襲ったこともあるし。
「それじゃあ、そろそろご飯を食べましょうか」
「あ、私も手伝うよ」
そろそろ夜ごはんの時間なので、母さんと真由はキッチンへ向かう。
そういや、真由も母さんの指導で料理が上手くなってるからなぁ。
今日の夜ご飯を楽しみにしつつ、俺はその間はお父さんと色々話をして盛り上がるのだった。
次回は明日の昼に更新します。
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