佐奈とデート(ゲーム編)①
「ただいま」
「やっほー、また来たよー」
「あ、二人ともお帰り。 丁度兄さんの部屋にお菓子とお茶を用意し終えたよ」
「悪いな、真由」
「いいよ。お父さんとお母さんはショッピングデートだから、まだ帰って来ないし」
前半戦となる公園でのデートを終えた俺と佐奈は、次は家でゲームをしながら色々な話題を振る形だ。
お父さんと母さんは、真由曰くまだ帰ってこないらしい。
久々のデートだからだろうか?
「ささ、佐奈ちゃんも上がってね」
「お邪魔しまーす」
「そういえば、佐奈はどんなジャンルが好きなんだ?」
「ボクは、RPGやレースゲームかな? 対戦格闘やパーティーゲームもそこそこやるけど、前者は下手だしね。 パーティーゲームもやるゲームがなくなったらやるよ」
「なるほど。 格闘ゲームは俺も苦手だからな。 まずはレースゲームをするか?」
「うんっ♪」
靴を脱いで家に上がりながら、俺は佐奈の好きなゲームジャンルを聞いてみた。
佐奈は、RPGやレースゲームが好きで、格闘ゲームは苦手らしい。
あの【栗鉄】こと【栗次郎鉄道】等のすごろくゲームを始めとしたパーティーゲームは、そこそこやるが上記2つのジャンルほど好きじゃないみたいだ。
だが、パーティーゲームは、他にやるゲームがなかったらやるつもりらしい。
なので、俺はまずレースゲームをしようと佐奈に提案する。
もちろん、笑顔でOKサインが出た。
「やはり、まーくんの部屋は綺麗でいいね」
「一応、掃除はしてるしな。 で、佐奈は何してんの?」
「え、あー、ベッドの下に何かないかなーって」
「アレな本だったらないぞ。 あったら真由に真っ先に処分されるからな。 あと、スカートで四つん這いはやめてくれ。 スカートの中が見えそうだし」
「まーくんになら見られてもいいよ。 あ、懐かしい代物が」
相変わらず佐奈は、俺に対しては無防備だ。
スカートの中を見られても構わないってさ……。
こっちは冷や汗モノなんだがね。
そう考えてると、佐奈は何かを見つけたらしい。
そういえば、エロ本はないが7年前にはよく遊んだあのゲームハードがあったんだ。
時代に一歩遅れたハードだが、DVDも再生出来たので、アニメを見るのにもよく利用していたハードだ。
「ほら、ゲームターミナル2が。 これ、7年前にはゲームターミナル4が世に出てたけど、DVDが再生出来る事と、当時のハード価格が高かったから根強い人気があったんだよね」
「確かにな。 今は使わないから、片付ける場所に困ってベッドの下に置いてたんだよな」
懐かしそうな様子でゲームターミナル2を手にする佐奈。
上には、対応したゲームソフトだ。
RPG一つと、レースゲーム一つだ。
今はゲームターミナル5があるから、使わなくなったしなぁ。
今の世代から見れば古いゲームハードなので、動くという保証もない。
「一応、動かしてみる?」
「長い事埃を被ってるから、動く保証はないぞ」
「人間は度胸、何でも試してみないとね」
「色々危ないからやめれ」
佐奈が別の意味で危ない台詞を言ってるが、ひとまずお試しで動かしてみる事にする。
窓を開けて、埃を払ってからプラグを差し込む。
挿入口は、問題なく動いているが、問題はソフトだ。
DVDの裏面が傷ついている箇所もあるから、動くかは不透明なのだ。
とはいえ、せっかく引っ張り出したので、ダメ元で起動してみる。
「お、起動出来たみたいだね」
「じゃあ、まずはさっき入れたレースゲームをしようか?」
「うんっ♪」
無事に起動出来たので、起動実験として入れたレースゲームをまずやることにした。
佐奈もやる気満々だしな。
コントローラーも異常はないみたいだしな。
そんな感じで、まず懐かしいゲームターミナル2のレースゲームで、佐奈と楽しむのであった。
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