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佐奈とデート(出発編)

「来たよ、まーくん」


「ああ、悪いな。 わざわざここに来てもらって」


「いいよいいよ。 ボクとしては真由ちゃんとも挨拶したかったしね」


 そして週末の日曜日。

 この日は佐奈とデートの日となっている。

 だが、俺の抱えるトラウマの状態を考慮して、最初は公園での思い出話をしてから、この家でゲームをすることになっている。

 これらは全て、佐奈からの提案なのだ。


「そういえば、金曜日の病院はどうだった?」


「ああ、ひとまずカウンセリングは受けたかな。 接しても大丈夫な人が増えたと言ったら安堵していたよ」


「そっか。 でも、これはゆっくり克服していこう。 焦りは禁物だしね」


 出発前に佐奈から金曜日の病院について聞いて来た。

 知っての通り、俺の抱えるトラウマが大きいので、毎週金曜日に病院に学校帰りに向かっている。

 その理由は、俺や佐奈、真由が通っている【私立ゆらめき高校】が完全に土日が休みなのと、金曜日の授業は午前中……つまり4限目までのみだからだ。

 それもあってか、通いやすい時間帯である金曜日に病院に通っているのだ。


 カウンセリングの時に、人と接することが可能な人が増えたと正直に話すと、担当の医者も安堵していた。

 とはいえ、一気にではなく徐々に克服していこうと思っている。

 遊園地やショッピングセンターなどは、ある程度克服してからの方がいいな。


「あ、佐奈ちゃんおはよー」


「おはよー、真由ちゃん。 今日の後半はお邪魔するからよろしくね」


「うん。 家でゲームだよね。 公園に行ってる間にお茶とか用意しておくね」


「じゃあ、近くの公園に行ってくるな」


「頑張ってね、兄さん♪」


「ああ、行ってくる」


「じゃあ、また再度ここに来た時にね」


 真由に見送られる形で、俺は佐奈と近くの公園に行く。

 その間に真由は、お茶やお菓子を用意するみたいだな。

 母さんとお父さんは、ショッピングだし……。

 そういえば、再婚してからあの二人もラブラブなんだよなぁ。


「緊張してる?」


「ま、まぁな。 再会してから初めてのデートだし」


「緊張しなくても大丈夫だよ。 ボクはまーくんと一緒ならどこでもいいしね」


 そんな事を考えながら歩くと、佐奈が話しかけてくる。

 再会してからの初めてのデートなので、緊張していたが、佐奈は俺と一緒ならどこでもいいという。

 佐奈は本当に優しいよな……。


「近くの公園といっても、まーくんと真由ちゃんの家からだと歩いて10分は掛かるけどね」


「それなりに大きいんだろう?」


「うん。 遊具もあるみたいだし、公衆トイレもあるしね。 自販機もあるよ」


 まず俺と佐奈が向かう公園は、家から徒歩10分の所になる。

 その公園はそこそこ規模が大きく、自販機や公衆トイレも完備、遊具も多いそうだ。

 多くの子供たちと遊ぶにはもってこいの公園だな。


「そういえば、佐奈の服装が可愛いな。 この日の為に着てくれたのか?」


「えへへ、そうだよ。 どうかな?」


「すごく似合ってる。 一瞬見とれてしまったよ」


「ありがとね、まーくん♪ 褒めてくれて嬉しいな♪」


 公園へ向かう間に、俺は佐奈の服装を見て感激した。

 白のフリルブラウスに赤いリボンタイが付けられており、下はスカートで赤色基調のフリル付きのプリーツスカートだ。

 元が美少女の為、ボクっ娘の佐奈でも見とれてしまうほどにすごく似合っている。


 佐奈は、俺に褒められて嬉しかったのか、思いっきり俺の腕を組んでくる。

 相変わらずの積極的な子だな、佐奈は……。

 胸の感触も制服の時と違って、かなり柔らかさを感じるし。


「あ、着いた。 この公園だよ」


「ここかあの公園なのか。 そういや行った事はなかったな」


「学校と真逆の方向だからね。 さぁ、行くよ」


「ああ」


 昨日までに色々とニュースが流れて情報が追い付かないのもあるが、今はそれを忘れてまずは公園で思い出話に花を咲かせることにしよう。

 佐奈と一緒に居ると、楽しいと言う感情が湧いてくるしね。



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