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体育の授業(後編)

「さて、次は100メートル走を始めよう」


 クラスのmんながストレッチを終わらせた所で担当の教師から次の内容を告げる。

 短距離なら俺は得意だからな。

 それでも、運動が苦手な人たちはゲンナリしてるが。


「そういえば、奈々と佐奈は走りが速かったっけ?」


「ボクは短距離も長距離もいけるよ。 中学生の時は陸上部だったし。 高校じゃ諸事情で帰宅部なんだけど」


「ああ……、察した」


「私は長距離はいいんだけど、短距離がね。 スタートダッシュが苦手なの」


「なるほどね」


 佐奈は短距離も長距離もやれるようで、中学生の時は陸上部に入っていた。

 しかし、高校ではおそらく【双子姫】と呼ばれて多くの男子に告白され続けていた影響もあってか、帰宅部になっているようだった。

 人気すぎるのも考え物という事か。

 奈々の方は、スタートダッシュが苦手らしく、短距離はやや苦手意識があるみたいだ。

 同じ双子でもこういった違いもあるもんだな……。


「じゃあ、まずは女子からいこうか。 まずは……」


 流石にこういう短距離走は男女別らしいな。

 最初は田井中さんを始めとした運動が苦手な女子が走るようだ。


「タイムは測るが、気楽に走ろう。 悪野や葛宮みたいにそれをダシにマウントを取る奴はいないからな」


 確かにここに悪野と葛宮がいたら、運動が苦手な田井中さん達にマウントを取っていじめていただろうな。

 自分より弱い奴をターゲットにしていじめるのは、去年からあったらしいからな。

 ここにいる教師たちは、ちゃんと情報を共有しているようで安心した。


「田井中さん、お疲れ」


「うー、ビリだったよー」


「でも、よく走ったよ」


 そうしている内に田井中さんが走り終えたみたいで、彼女はビリだった。

 しかし、よく走れたと佐奈と奈々は労う。

 見た目も美少女だが、こういう優しさも人気の要因なんだろうな。


 その後も奈々と佐奈を含めた他の女子も走り終え、次は男子の番となる。

 やはり奈々の方は、スタートダッシュに失敗して出遅れたし、佐奈は安定の走りでトップだった。

 佐奈の方はスペック高くなってないか?

 姉よりも優れた妹なんていないはずだろう? 双子だけど。


「もうすぐまーくんの番だね」


「らしいな。 俺を含めて走ってないのが4人だ」


「頑張ってね、まーくん」


 佐奈にそう言われた所で、いよいよ俺の番だ。

 教師に呼ばれて、スタート位置に立つ。

 女子担当の教師がタイムウォッチを手に持ってタイムをみるようだ。


「よーい、スタート!」


 そして、男子担当の教師の掛け声で俺はスタートを切る。

 こういった形なら、俺の両隣に挟んでもトラウマは起きないな。

 競ってるからだろうか?


 ともかく、全力で走り抜き、一着でゴールラインを越えた。


「すごいわね、二宮君。 タイムが11秒5よ!」


「短距離には強いんだな、二宮は。 状態が良くなったら陸上部に入るか?」


「さ、流石に遠慮します」


 双方の教師に褒められて少し照れながら、そそくさと双子の元へ向かう。


「すごいね、まーくん。 もうすぐ11秒を切るかもって勢いだったし」


「小学生の時から、短距離の足の速さは変わらないね。 流石だよ」


 双子が俺にくっつくような形で労ってくる。

 その様子を見たクラスメイトは何故かほっこりしていたし、本当に平和だな。


「さて、着替えの時間の確保をしないといけないから、今日の授業はここまでだな。 身体をほぐし、早めに着替えて昼食に間に合うようにな」


「「「はい!」」」


 この後が昼休みになるから、着替え時間確保の為に10分早く授業は終わるようだ。

 着替えに関しても適度に距離を取れば問題はないが、そろそろ克服はしたいかな。

 

 ともかく今日の体育の時間は無事に終わり、午後の授業もやり切ったのだった。

 

 なお、今日も佐奈が俺の分のお弁当を作ってくれたようで、美味しくいただいた。



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