体育の授業(前編)
すみません、今回は短いです。
「さて、男子も女子も揃ったな? まずは、準備体操からやっていこう。 その後、トラックを2周走るからな」
さて、不安要素の体育だが、担当の教師が幸いにも俺の事情を理解してくれているらしく、俺は奈々と佐奈に挟まる形で並んでいた。
女子担当の体育教師もタイムウォッチを手にしているあたり、本当に陸上だったみたいだな。
まずは準備体操をしてから、トラックを2周走るとの事。
この学校のグラウンドのトラックは陸上競技場と同じ1周400メートルだ。
それを2周なので、800メートル走るのだ。
運動が苦手な人にとっては、多分800メートルすら苦しいだろうな。
俺はそれほどでもないけど。
「よし、それではトラック2周走るぞ。 運動の苦手な者は1周で終えても構わないぞ」
準備運動が終わり、まず最初にグラウンドのトラックを2周分走る。
幸い、運動が苦手な人は1周で終えても構わないそうだ。
それなら多少は安心だろうな。
「まーくん、キツそうだね」
「まぁ、小学生の時はスプリンターだったはずだし」
「それもあるせいか……。 心なしか足が重いなぁ」
走り始めてから少しして足が重くなった俺を見て、佐奈と奈々が心配そうに声を掛ける。
ただ、佐奈が言うように、俺は小学生の時はいわゆる短距離走者寄りだったから、昔から長距離は苦手だった。
俺の身体が800メートルは長距離だと訴えてるんだろうな。
思った以上にペースが上がらない。
「無理せずに走ろう。 ボクがまーくんのペースに合わせるから」
「わ、悪い」
「じゃあ、私は田井中さんと並走するね」
そんな中で佐奈が俺と並走してくれるらしい。
俺のペースに彼女が合わせる形なので、申し訳ない感じだ。
なお、奈々の方は後ろを走る田井中さんと並走するみたいだ。
もしかして、田井中さんも運動が苦手なのだろうか?
「あと一周だよ。 頑張ろう!」
「あ、ああ。 しかし、上手くペースが掴めないな」
「焦らない、焦らない」
そうしている内に、1周目を走り切る。
短距離と違ってペースが上手く配分できないので、今にも止まてしまいそうだ。
それでも佐奈と並走している事もあってか、これ以上かっこ悪い所は見せられないのだが、彼女から無理はするなと言われてるしな。
「よし、走り終わった者は順次ストレッチをしていこう。 その後は100メートル走などをやっていくぞ」
「次はまーくんの得意な短距離だね」
「みたいだな。 身体をほぐしてから短距離走で挽回するか」
佐奈に身体をほぐしてもらいながら、次は短距離走らしいので、ここいらで挽回していこうかな。
幸い、トラウマはまだ発生してないし、クラスのみんなや教師たちは空気を読んでくれてるし。
少しずつ接するようになれればいいかなと思いつつ、ストレッチを終えた俺は他のみんながストレッチを終えるまで待機していた。
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