双子姫と登校
「しかし、噂の双子姫が正樹の小学生時代の幼馴染だったとはな」
「私もびっくりしたよ。 特に佐奈ちゃんが好きな人は兄さんだし」
「まぁ、おかげでその二人が学校では守ってくれるみたいだし、なるべくトラウマを克服していきたいかな」
「それが一番大きいな。 真由と連絡がしやすくもなったし」
「でも、まだお局教師と悪野と葛宮がいるかもしれないし、時間は掛けた方がいいよ、兄さん」
次の週の月曜日。
この日から俺は真由と啓介だけでなく、高岡姉妹とも一緒に登校することになる。
二人が来るまで、自宅前で啓介と真由を交えて、校外学習後の話をした。
俺のかつての幼馴染が、あの双子姫だと知った啓介は驚いていた。
もちろん、佐奈の好きな人が俺である事も。
ちなみに週末の日にも双子が遊びに来たが、その際に俺は流石にちゃん付け呼びは失礼だろうと思って、呼び捨てで呼ぶことにした。
奈々も佐奈もそれに了承してくれたが、二人の俺への呼び方はそのまま『まーくん』になったようだ。
二人ならではの愛の証なのだろうか、特に佐奈の。
ともかく、学校に到着しても奈々と佐奈が守ってくれるので、これを機にトラウマも克服出来たらいいかなと思う。
悪野と葛宮、お局教師がいるうちは難しいだろうけど。
「お待たせー」
「ごめんね、準備に手間取ったよ」
そうしていると、奈々と佐奈が自宅に来たようだ。
これで5人そろった事になるな。
「じゃあ、一緒に学校に行こうか」
「そうだね」
「しかし、双子姫と共に投稿する日が来るとはなぁ」
奈々と佐奈が来たので、俺達も一緒に学校へ向かう。
啓介は、双子姫と一緒に登校することになろうとは思わなかったようで、少し緊張しているな。
「これからはまーくんと一緒に登校できるからね。 住んでる所も近所だし」
「それを初めて聞いた時は驚いたな」
「私も。 あそこのマンションに住んでるんだって?」
「そうだよ。 うちはさらに下の弟がいるんだけど、集団登校だからね」
日曜日に奈々と佐奈が住んでいるマンションが俺が住んでる家……、実際には真由の自宅の近所に構えている事を初めて聞いた。
だからこそ、双子姫と一緒に登校できるんだけど。
あと、双子にはさらに下の弟がいるのだが、方角が別なのと集団登校なので、ここにはいない。
「じゃあ、行こっかまーくん♪」
「おおっと、そうだな」
「積極的ねぇ、佐奈は」
「私達も負けていられないよ、啓介」
「競うな競うな」
早速、佐奈に腕を組まれつつ一緒に学校へと歩く。
俺の腕には、当然ながら彼女の胸が当たっている。
佐奈の柔らかい胸の感触を堪能しつつ、真由と啓介の漫才を見た。
まぁ、二人は俺のせいでろくにデートとかもできなかったし、これを機にデートとかにも精を出してもらいたいかな。
「とりあえず、問題はファンクラブかな?」
「ああ、それはお前の事情を知るクラスメイト達が中心に動いてて、二人の恋路を応援するらしいぞ」
「なるほど。 それなら大丈夫か」
「むしろ、要注意なのはファンクラブに属さない生徒だね。 奈々ちゃんと佐奈ちゃんにしつこく告白した生徒たちは、ファンクラブに入ってない人物らしいから」
さて、ここで心配になるのはファンクラブなどの動きだ。
だが、啓介曰くファンクラブは、俺の事情を知るクラスメイト達が中心に動いてて、佐奈と俺の恋路を応援するという事で団結したそうだ。
そして、真由曰くむしろ気を付けるべきは、ファンクラブに属していない生徒たちだという。
今まで奈々と佐奈にしつこく告白をした生徒たちの共通点は、ファンクラブに入っていないという事だ。
奴らは、何が何でも俺と佐奈を引き離したがるだろうし、確かに気を付けるべき相手は奴らだろうな。
「大丈夫。 ボクは何があってもまーくんから離れないからね」
「一応、自重はしようね、佐奈? 若干ヤンデレ入ってるから」
「さ、流石にまーくんが傷つく事はしないよ!?」
そこで佐奈が俺から離れないと宣言する。
だが、奈々から若干ヤンデレ気味になってると突っ込まれ、慌ててそれはしないと否定する。
とはいえ、佐奈は言った事はちゃんと遂行する女なので、そこは安心かな?
「お、学校に着いたか」
「じゃあ、奈々ちゃんに佐奈ちゃん、兄さんをお願いね」
「うん」
「まーくんは、ボク達に任せて♪」
そうこうしている内に、学校に着いたので、校舎内で真由が奈々と佐奈に俺の事を頼んだ。
ここから、二人に守ってもらう形になる。
トラウマ持ちの俺にとっては、助かるのだが、いい加減にトラウマを克服しないとなぁ……。
ま、じっくり頑張ってみますかね。
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