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佐奈ちゃんの決意

「それじゃあ、私と奈々ちゃんはあっちにある私の部屋でお話してるから」


「まーくんは、まず佐奈と仲を深めてね」


「というわけで、ごゆっくりー。 あ、トイレはこの階と下の階にあるからね、佐奈ちゃん」


 佐奈ちゃんに抱きつかれながら、彼女が好きな人が俺だと知ったりなど、色々話をしていると、不意に奈々ちゃんと真由が立ち上がり、二人は真由の部屋でガールズトークをするようだ。

 気を利かせてくれたのかは知らないが。

 幸い、佐奈ちゃんに抱きつかれてもトラウマが発生するどころか、温もりで安心感を与えてくれたので、大丈夫だろう。

 奈々ちゃんについても同様で、近い距離で話してもトラウマは発生しない。


 それはともかくとして、真由と奈々ちゃんは俺が使う部屋を出ていく。

 真由の部屋は、倉庫的な部屋を挟んで奥側にあるから、ガールズトークは余程の大声でないと聞こえないはずだ。


「全く真由は……」


「あはは、気を利かせてくれたんだよ。 で、嬉しくて抱きついちゃったりしたけど、大丈夫だった?」


「いや、トラウマが発するどころか、安心感に包まれたよ」


「そっか。 それなら良かったよ」


 俺の部屋で佐奈ちゃんと二人きりになった所で、佐奈ちゃんが大丈夫だったか聞いて来た。

 7年前の転校先の小学校でのいじめがきっかけでトラウマになったのを聞いていたのに、抱きついたりしたからだろうが、俺は大丈夫だと返した。

 その答えを聞いた佐奈ちゃんは、ホッと胸を撫でおろす。


「それでも、まーくんにとって安心して接する事が出来る人が増えただけなんだよね」


「ああ、義妹(いもうと)の真由とその恋人の啓介、そして佐奈ちゃんと奈々ちゃんだな」


「あー、あの男子か。 真由ちゃんと付き合ってるんだね」


「なのに、俺の事情を知って支えてくれている。 いい親友だよ」


「そっか……」


 真由から話は聞いているとは思うが、改めて佐奈ちゃんに真由と啓介の関係を話した。

 同時に、啓介が俺にとっての親友である事も。

 佐奈ちゃんは、それをちゃんと聞いてくれている。


「よし、決めた!」


「ん?」


 一旦下を向いた佐奈ちゃんが、意を決したかのように顔を上げる。

 それが気になった俺は、佐奈ちゃんを見るが、彼女も顔を俺の方に向けた。


「これからは、可能な限りボクもまーくんの傍で支えるよ」


「佐奈ちゃん……」


 佐奈ちゃんの決意。

 それは、可能な限り俺の傍に居て支えるという事。

 多分、学校とか用事のない休日とかには、一緒にいるという事だろう。


「でも、いいのか?」


「今でもボクはまーくんの事が好きだからね。 例えあの小学校でいじめに遭った事でトラウマになったとしても、ボクの好きなまーくんに変わりはないから」


 彼女の意思はこれでも固い。

 小学生の時からそうだったと思い出す。

 だからこそ、俺は佐奈ちゃんと一緒に遊べたんだろうけど。


「悪いな、佐奈ちゃん。 こんな俺だけど……、頼むよ」


「もちろん! 女に二言はないからね!」


 自分の胸を軽く叩き、笑顔を見せる佐奈ちゃん。

 小学生の時と同じ、可愛くて眩しい笑顔がそこにあった。

 改めて、やはり彼女はあの時の佐奈ちゃんだった。


「さて、折角だしお互いマーキングしちゃおうか」


「いいのか?」


「うん。 まーくんだからね」


 彼女の決意を受け入れた俺は、佐奈ちゃんと抱き合いながらキスをした。

 久しぶりに再会した事もあってか、そのキスはかなり濃厚となった。


 その後、俺は抑えきれなかったのか、彼女を押し倒してしまい、さらに下着が見えるまでスカートを捲ってしまった。

 だが、佐奈ちゃんは全く抵抗せずに受け入れていた。


 とはいえ、時間が惜しいのでそこで止めた。

 校外学習の帰り際に寄って貰ってる形なので、佐奈ちゃんも理解してもらった。


 そして、真由と奈々ちゃんのガールズトークが終わるまで、俺と佐奈ちゃんはゲームやラノベの話で盛り上がるのだった。


 ちなみに、今日の佐奈ちゃんの下着は……ピンクだった。


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