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寂しい…

さかき美織みおり12歳

私立KM女子中学に通う1年生。



私の彼、廣澤ひろさわしゅうくんは幼稚園からの幼馴染で、同じ歳、隣の家に住むの男の子です。


でも… この春から別々の学校になりました。


彼は家から徒歩30分程の所にある、私立 S大学附属中学校に通う1年生。

大好きなサッカーが存分に出来る環境で、朝、放課後、休日と練習漬けで忙しそうです。


家は隣同士なのに こんなに会えないなんて…


私は自分の部屋の窓から隣の家を覗き込む。

窓の縁に手を置いて、それから頬杖をついた。


こんなに 秀くんと会わないの 初めて…


暫くぼおっと秀くんの家を眺めてから

机の上に置かれた、6歳の時に秀くんがくれた消しゴムを見る。


立ち上がって、消しゴムをひと撫でする。

この消しゴムは数々の不安を払拭してくれたお守り。


秀くん… 寂しいよ…


消しゴムを握りしめる。


でも、寂しいなんて言ったら

秀くんを困らせるだけだよ。

大好きな事を追いかける彼を応援出来ないなんて…

彼女失格だよ…


その時


トントン  


部屋のドアを叩く音がした。


「はい…」

私は慌てて涙を堪えて返事をする。


部屋のドアを開けると


秀くんが立っていた。


私は驚いて目を擦る。


とうとう幻まで見る様になったのかな?


「みおちゃん? … 泣いてた ?」


秀くんが心配そうに私の顔を覗き込む。

秀くんの手が私の頬に触れる。


秀くんの体温を感じると涙が止まらなくなった。


「…っ!」


ぎゅうっと秀くんに抱きつく。



コレは夢かな?

あまりにも私が望んだから…

神様が憐れに思って くれたのかな…




朝の礼拝…

マリア様の像に捧げた祈りは 

KM女子生らしからぬ、不謹慎なモノだった。


『秀くんに 会いたい…』


マリア様に向け、形だけのお祈り…

先生が知ったら  怒られただろうか…


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