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青春聖戦 24年の思い出  作者: くらまゆうき
33/140

第33話 関東3位の風格

週末。



ナインズの本拠地である人工芝のグラウンド。



全体練習をしてキングスを待つ。



しばらくするとキングスの監督がグラウンドへ一礼して入ってきた。



大柄で強面の監督が堂々と入ってくる。



関東3位の司令官だ。





『お願いしまーす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』







爆音にも聞こえるほどのキングスメンバーの挨拶がナインズを圧倒する。



選手の数はなんと120名もいる。



圧倒的強豪感を出してグラウンドへ入ってくるがその手際の良さ。



レギュラーメンバーだけが準備運動を始めて控え選手達はベンチで道具をセッティングしたり、フェンスに横断幕をかかげたりと120名もの少年達がまるで軍隊の様に規律正しく動き始める。



その光景に圧倒されるナインズのメンバー。



50人にも満たないナインズは数でも圧倒され声が出ない。





「お前らっ!!! 試合するのは9人だろ!! ビビってんじゃない!! 気合い入れんかい!!!!!」






佐藤コーチのドスの聞いた声はキングスの威圧感を吹き飛ばす。



我に返った様にナインズは試合に向けて準備する。



祐輝は健太とエルドと共に試合の準備をベンチで行っていた。



3年生と2年生は試合に向けて最後の練習をしている。





「おお祐輝。」

「はい!」

「お前は先輩に混じってアップしてこい!」

「わかりました!!」





驚きながらも祐輝は先輩とウォーミングアップを始めた。



そしていよいよキングスとの試合開始。



だがナインズメンバーを驚かせる事が起こる。





「初回!! 0点で行くぞっ!!」

『おーう!!』





それはキングスのキャッチャーだ。



キャッチャーは9人のポジションからなる野球において司令塔の役目を担う。



ピッチャーが投げる球種を指示するのもキャッチャー。



内野、外野の守備位置を打者の打力に合わせて前後に動かすのもキャッチャーだ。



キングスの司令塔はなんと1年生だったのだ。



ナインズが予選で敗退した関東大会でも3本のホームランを打っている新宿の怪童だ。



彼の名は越田こえだ



1年生とは思えない太い体。



キングスの先発ピッチャーはこれもまた関東大会で異彩を放った2年生エースの速田はやた



ストレートはなんと138キロという怪童だ。



「怪童」とは文字通り怪物の様な童だ。



野球界では逸材の選手を怪童と呼ぶ事がある。



そしてキングスには怪童が2人もいるのだ。



今までに見た事のないストレート。



試合開始前にキャッチャーが見せるセカンド送球はキャッチャーの見せ場だ。



セカンド送球とは1塁ランナーが盗塁した際にセカンドに投げてランナーをアウトにするプレーだ。



セカンドベースはキャッチャーから最も離れたベースだ。



送球するためには精度と速さが求められる。



ランナーにタッチをする事でアウトになる。



つまりただボールが届けばいいわけではない。



越田はベースの少し上に完璧な送球を見せた。



試合が始まる前に盗塁したくないと思わせる強力な送球だ。



いよいよ試合開始。



余裕の雰囲気を出すキングスと2人の怪童に圧倒されるナインズ。



ナインズの3年生エース中村は落ち着いた表情で投球練習をしている。




「プレイボール!!」

『しゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!』





何もかもが圧倒的なキングス。



関東3位の風格。



怪童2人に挑むナインズ。



祐輝は同い年の怪童をじっと見つめているのだった。

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