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7. 神の加護

はぁ、はぁ、お待たせしました……2話目です。

週2投稿でこれなのに毎日投稿してる人やっぱ凄い(小並感)

 長蛇の列に並ぶこと暫く。


「身分証をお持ちですか?」


 詰所の中に入り、複数ある受付の一つで守衛さんのチェックを受ける。


「確認しました、お入りください。」


 ゲーム内も含めて親の顔より見たやり取り。


 こんなことを言うと「もっと親の顔見ろ」と言われそうだが、この世界は小さい村や集落等を除き、入る度に毎回チェックを受けないといけないのも事実。


 門から出た瞬間に引き返す、みたいなのは流石に免除されるが、門番の視界から消えた者はそれが数十秒であっても再度検問を受けないといけない。


 ゲームではこれが結構テンポを乱してくるのだが……現実になってみると治安のためには仕方がないのかなとも思えてくる。


 犯罪を起こしたことがある者は身分証であれば赤く染まり、審判球に触ると赤く光るので少なくとも外部からの侵入は防げるようになっている。


 犯罪歴の基準は詳細に決まっているらしいのだが、普通に日常生活を送っていればまず問題ないので正直覚える必要はない。


 とはいえ現実になった今、その人が犯罪を犯したかを決めるのはどこの誰だろうという疑問が出てくる。


「ゲームでは身分証を作った際に『神の加護』というものが与えられ、それによって犯罪を犯したかどうかも判別できる、という設定だったか。とするとこの世界では本当に女神───様が見て判断しているのかもな。」


 神の加護というのは平たく言うとゲームでよくある「ステータス」というやつだ。


 その人の全てが数値化されている訳ではないが、例えばSTR(筋力)AGI(敏捷)等はトリワルにもあった。


 昨日何度も意味もなく眺めていた自身のステータスはこんな感じだ。



────────────────────


クロト     Lv 1



SP      10 pt



HP      10

MP      10


STR      0

INT      0

STM      0

DEF      0

AGI      0

DEX      0

SEN      0


────────────────────



 上から名前と現在のレベルがあり、その下に各種ステータスの数値が書かれている。


 名前とレベルは言わずもがな、この世界での俺の名前は『一勢玄人』ではなくセーブデータ名である『クロト』になっており、レベルは魔物と呼ばれるモンスターを倒した際に貰える経験値を累積させていくことで上がっていく。


 SPは『ステータスポイント』と読み、この数値を各ステータスに振り分けていくことでプレイヤーはオリジナルのキャラを作り上げていく。


 振り分けられるのはSTR(筋力)INT(知力)STM(持久力)VIT(防御力)AGI(敏捷)DEX(器用さ)SEN(感覚)の7つ。


 HPとMPには振り分けることができず、レベルが上がる度にSP、HP、MPの3種はそれぞれ10ポイント手に入る。


 そしてHPは残りの体力を表し、MPは魔法を使用する際に消費することで発動することができる。


 多くの場合、HPが0になると死んだことになるがトリワルの場合は異なる。


 そもそもステータスとはプレイヤーが勝手に呼んでいるだけであり、正式名称は『神の加護』だ。


 これはつまり「神から与えられた力」という言葉通りの意味であり、言ってしまえば「後付け(・・・)の力」だ。


 それ故に、STR(筋力)が0でも物を持てるしINT(知力)が0でも計算ができる。


 話を戻すと、HPが0になってもこの世界で死ぬことは無い。


 だが、その代わりにHPを回復させない限り各種ステータスが機能しなくなる。


 機能しなくなるというのはMPを含む全ての数値が0になるということであり、戦闘中であれば生身で敵の攻撃を受けることになる。


 基本的にHPが1でもあれば火炎を受けようが体を切られようが死ぬことはまず無いし、身体自体の治癒力も上がったりする。


 しかし、生身であれば話は変わる。


 火炎を受ければ肌は焼けるし、切られた場所は切断される。


「ま、これらは全部ゲーム内での話っていう但し書きが付くんだけどね。幸い今日はまだ半日くらい時間残ってるし、やることやって時間が余ったら要検証だな。」


 そのためにも今日のノルマであるEランク昇格を早く終わらせないとな。


 さて、このEランクへの昇格にはいくつか条件があるのだが、その内の一つに「依頼を6つ完了する」というものがある。


 冒険者にはランクによって一度に受けられる依頼の上限数が決まっていて、Fランクだと3つまでとルールで定められている。


 これは低ランクの冒険者には実績がなく、信用されていないためだ。


 端的に言えば、「君新人なのにそんなにたくさんの依頼を同時進行でこなせるの?」ということだ。


 現在俺は「薬草の採集」という依頼を3つ受けており、それの完了報告のためにこうしてギルドに向かっている訳だが……この長い距離の往復をもう一度する必要はない。


 


「確かこの店で曲がった先に───あった。」


 石畳を目を凝らして見ていると、数メートル先にキラリと光る物を発見した。


 近付いて拾い上げると、落ちていたのは真珠のような白い珠のイヤリング。


 今朝ギルドで見たイラストとそっくりのそれをマジックバッグにしまい、再びギルドに向かって歩みを進める。


 Fランクで受けられる依頼は薬草採集や落とし物探し、ほかには町の住民の手伝い等の雑事がほとんど。


 この中で、最も簡単に終わらせられるのが薬草採集3つと落とし物3つの組み合わせだ。


 本来であれば最初に町に来るときに森で薬草を採り、町に入ってから落とし物を探すというのが最速なのだが……昨日は町に着くまでまさかここが現実だとは思ってなかったので仕方ない。


 まぁその場合は金貨の入っていた巾着袋は勿論、服のありとあらゆるポケットに薬草を突っ込むことになるのだが。


 ゲームでなら問題ないが現実でそれをやるとまず間違いなく服が汚れるし、臭いも付くだろうな。


 決して悪臭という訳ではないのだが……なんというか野草特有の臭みがあるんだよね。


 邪神RTA的にも今の進捗で問題ないから結果的にはこれで良かったのかも、と考えながら2つ3つと落とし物を見つけ、ギルドに到着した。


第1章も今話で7話ですね。

本来、6話と7話は1つの話であっさりと終わってたはずなんですが、気が付いたらやたらと文字数が増えていました……


さて、ここで一つ悲しい(?)お知らせです。

この第1章の中でこの先セリフ+名前があるキャラは第一発見マッチョマン、もといジャスさんのみです!

これには深い訳がありまして、「なろう系ってヒロインが早々に登場しすぎじゃない?」とほんの少~し逆張りの気持ちが無い訳ではないんですが、それ以前に第1章はクロトくんのソロプレイ(意味深)がメインなのでほかのキャラを出しにくかったんですよね……

第2章ではヒロイン(になるかは不明)が登場するので、華のない展開がしばらく続きますがもう少々お待ちくださいm(_ _)m

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