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37. 魔法耐性が高い代わりに物理耐性が高い

 翌日。


 いつもの通り朝イチでダンジョンに来た俺は6()階層へと転移する。


 ダンジョンは下の階層に行けば行くほど出現する魔物の強さ(ランク)が上がり、数も増えていく。


 ここ『ロックストンダンジョン』では、11階から出現する魔物の系統がガラッと変わる。


 このダンジョンの特徴である岩石系の魔物は、1~9階の浅層では2種類しか出てこなかったが、11~19階の中層では4種類に増え、さらに21~29階の深層では7種類に増える。


 中層にスライムが全く出現しない訳ではないが、岩石系の魔物の方が確率が高い。


 それに、そもそも魔物の種類も増えているため、相対的に見てもスライムの出現率は低くなっている。


 そんな訳で、スライムを狩るなら浅層の方が圧倒的に効率が良いのだ。




 6階層に転移した後は、見つけ次第スライムを素手で倒していく。


 ゴブリンやリトロックは邪魔な時だけ倒し、それ以外はできる限り無視をして時間とMPの消費を抑えた。


 あらかたスライムを倒し終わったら階段を上って5階へ移動し、そこでもまた同じようにスライムを倒していく。




 ダンジョンに入ってから約1時間半。


 今日のノルマ分のスライムゼリーを集め終わったため、途中で見つけていた魔法陣でロビーへと帰還。


 長蛇の列に並びながら買っておいたパンやジャーキーで軽く腹ごしらえし、今度は昨日の最高到達階層である15階へと転移する。


 攻略に使える時間は7時間弱しかないが、これだけあれば今日中にボスのいる20階までは余裕で到達できるだろう。


「今日も一日頑張るぞー!」






 数時間後。


 一本道の突き当たりにある扉の前に俺はいた。


 ここまで長かったような短かったような。


 ともあれ、これからは今日の〆を飾るボス戦である。


「よし、行くか。」


 短く息を吐き、扉を開ける。


 暫くして部屋の中央に魔法陣が浮かび上がり、3つの影が現れた。


 ドームのような半球状のフォルムで、高さはへそより少し高いくらい。


 20階層ボス、『ロックスライム』だ。


 3体のロックスライムは、ぽよぽよと弾むようにこちらに近づいてくる。


 ボス戦というには些か迫力に欠ける光景を見ていると、不意にお腹が鳴った。


「……こいつら見てるとコーラグミ食べたくなってくるんだよな。」


 ロックスライムの体色は茶色なのだが、その色合いとフォルムが半球状のコーラグミにしか見えない。


「とはいえ、この世界にはコーラがないから作るとしたらまずそこからだよなぁ。レモンとカメムシを混ぜると似たような臭いになるらしいけど……そもそもカメムシみたいな虫がいるのかも謎だよな。」


 と、連想ゲームのように考えを巡らせていると、いつの間にかロックスライム達がかなり近くまで接近してきていたので慌てて思考を中断し、距離を取る。


「っと、今はこっちに集中しなきゃだな。《ウォーターボール》!」


 3体のうち、先頭にいたロックスライムAに向かって魔法を放つ。


 バシャッと音を立てて水球が着弾した……が、ロックスライムは怯むことなく前進を続ける。


 この世界……というか、その元となった『トリアル・ワールド』ではスライム種は一部を除くが、総じて魔法に対しての耐性を持っている。


 このダンジョンでは基本的に魔法の通り(・・)が良いが、唯一このロックスライムだけは例外で、魔法一本でここまで来た冒険者はここで躓いてしまう。


 制作側の明確な意図を感じてしまうが、難易度調整という意味では悪くないと思う。


 それに、最初の町の近くにあるダンジョンでここまで魔法と物理の優劣をつけてしまうと、それこそ魔法一辺倒のプレイヤーが続出しかねない。


 両方のバランスこそが重要なのだと示すためにも、ロックスライムは大事な存在であると言える。


 ……とはいえ、だ。


 20階層のボスを務めるボスが物理で余裕なのかと言われれば、それは断じて否である。


 マジックバッグから串を取り出し、剣先をロックスライムAに向けて構える。


「『走突』」


 静止した状態で足に力を込め、一気に踏み込んで突きを繰り出す。


(───当たるっ!)


 そう思った直後、甲高い音と共に手に衝撃が走り、持っていた串がポッキリと真っ二つに折れた。


 何度も使って減っていた耐久力が遂に0になってしまった。


 飛んで行った剣先は石床に当たり、カランと音を立てる。


「……おーけーおーけ。やっぱりそうしてくるよな。」


 見ると、刺突を受けたであろうロックスライムAは、丸々とした美味しそうなコーラグミの見た目から一変し、体色は灰色に変色してゴツゴツの岩のような見た目になっていた。


 後ろに控えるロックスライムB・Cと比べると、その違いは一目瞭然。


 ロックスライムの固有スキル、『石化』。


 名前の由来にもなっているそのスキルの効果は、「体を石のように硬化させる」というシンプルなもの。


 物理攻撃に弱いスライム種でありつつも、他の岩石系の魔物と同じように物理攻撃への耐性を手に入れることができるのだ。 


 故に、生半可な攻撃では大きなダメージを与えることはできない。


 ここ、20階層のボス部屋は「最初の難関」とも呼ばれ、数多のプレイヤー達を苦しめてきた。


 石化を解除したロックスライムが、再び動き出した───




魔物やダンジョンにも強さや難易度を表す指標としてランク付けがあるのですが、ただでさえ設定過多な気がする本文で冗長かなと思ってその部分を省略し続けた結果、完全に入れるタイミングを見失いました……

今後本文で急に出すかもしれないので先に謝っておきます()

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