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36. ウンk……いいえ、泥団子です

前話で戦闘描写が無さすぎたので今回は戦闘メインです。

「───ふぅ、そろそろいい時間か。なんだかんだ15階まで来れたしかなり順調だな。」


 今日の最初の方はスライムゼリーを集め、更には階層が深くなって出てくる敵も確実に強くなっている。


 にも関わらずこの速度で攻略ができているのは、大量のMPポーションの存在が非常に大きい。


 そもそも、序盤の魔法職が不遇なのは、魔法の習得の難易度の他に「コストが嵩む」という点も挙げられる。


 周知の事実であるが、レベルの低い序盤は魔法の発動に必要となる『MP』の上限が低い。


 時間経過で自然回復するとはいえ、1時間待っても《ファイヤーボール》のような最低威力である《~ボール》系魔法を、せいぜい数発撃てるくらいだ。


 そのため、戦闘をする時間が長くなればなるほど、バリューを出し続けるためには高額なMPポーションを使ってMPを回復しなければいけない。


 そして今、俺の手元には50を超えるMPポーションが残っている。


 先週稼いだお金と、手付金としてミストさんから貰ったお金を必要最低限だけ残して全ツッパしただけあってまだまだ在庫は潤沢に残っている。


 この調子なら予定よりも相当早くこのダンジョンをクリアできそうだ。




 ダンジョンには5階層ごとに帰還用の魔法陣が設置してある。


 ただ、この魔法陣がどこにあるのかはランダムであるため、現在鋭意探索中である。


 余談だが、ダンジョンは入る度に中の構造が変化するため、マッピングは全く意味がないという訳ではないものの、絶対必要という訳ではない。


「───! 見つけた……けど魔法陣の前にいるなぁ。」


 そんなこんなしていると、曲がり角の先に白く輝く魔法陣が見えた。


 が、その手前には魔物が何体か群れているのが確認できる。


 上下にバウンドしている『リトロック』が4体に、座り込んで休憩をしている『ミニゴーレム』が2体、合計6体の魔物達だ。


 『ミニゴーレム』は泥と粘土が混ざった素材でできた土偶のような見た目で、身長は1メートル強。


 武器の類は持っていないが、その代わりに粘性の強い泥団子のようなものを飛ばしてくるので油断はできない。


 無視して魔法陣まで行けないこともないが、そこまで手間という程でもない。


 今日の締めにはもってこいだ。


「……よし、行くか。」


 頭の中で軽く立ち回りのシミュレーションをして、曲がり角から飛び出す。


 真っ先に気が付いたのは一番手前にいた「リトロックA」。


 力を溜めるようにバウンドの間隔が縮まっていき、こちらに向かって体当たりをかましてきた。


「ほんと、一つ覚えだな!」


 何度も見た動き(モーション)を頭を傾げるだけの最小の動きで回避し、奥へと駆ける。


 直後、リトロックB・Cがほとんど同時にそれぞれ頭と腹に向かって飛んでくるが、これをBの方は上体を仰向けに反らすことで躱し、Cの方は構えた盾で左へと受け流す。


 ぶっちゃけ、あまり格好の良い姿勢とはいえないが、誰も見ていないのでノーカンだ。


 腹筋を使って上体を起こし、前にいるミニゴーレムA・Bの攻撃に備える。


 体勢が整うと同時、筒状になっているミニゴーレムの腕の空洞部分から茶色の弾が4つ射出された。


 このドロドロした泥団子に触れると動きが阻害される上に、武器で触れても切れ味が落ちる厄介な特性がある。


 故に、この魔法を使う。


「《ダウンフォース》!」


 突如目の前に発生した下方向への突風が、迫ってきていた泥団子を一つ残らず床へ叩きつけた。


 ベチョッという音を立ててぶちまけられた泥団子は、その色といいまるでウン……


「……臭いが無いだけマシだな。《ウォーターボール》《ウォーターボール》《ウォータ───」


 次弾装填に時間がかかっているミニゴーレム達へ水球を撃ち込むが、その途中で前からリトロックDが突っ込んできたためキャンセルして回避行動を取る。


 少し遅れて背後から気配を感じ、振り返りながらマト〇ックスばりの神回避を見せる。


 更にその後ろからB・Cも飛んできた。


(泥団子が面倒だから早めにミニゴーレムを倒したかったけど、いちいち邪魔をされるのもダルいし先にこっちからやるか。)


 そう方針を転換し、B・Cを諸共巻き込むように《ウォーターボール》を放つ。


 2体とも光に変わっていくのを確認しつつ、攻撃準備をしているDへ距離を詰める。


「《ウォーターボール》」


 Dは飛んできたものの、こちらにダメージを与えるよりもHPが0になる方が早かったため、ぶつかる直前で光の粒子となりすり抜けて背後へ消えていく。


「さて、これで半分だな。」


 そろそろミニゴーレム達が再度攻撃を仕掛けてくるはず、と振り返ると、片方は両腕を構え、もう片方はこちらへ駆けてきていた。


「まずはお前からか。」


 近付いてきてくれるなら寧ろ好都合とばかりに《ウォーターボール》連射し、振りかぶった腕を下ろす間もなくHPを全損させる。


「残り2体!」


 残ったミニゴーレムは射程外のため腕を構えたまま微動だにしていない。


「ま、わざわざ近付いてやる必要はないんだけど。」


 ここまでくれば負けることは100%ない。


 それならば時間短縮のために、と再び駆け出す。


(さっき躱したリトロックAはすぐには攻撃してこなさそうだから、その隙にこいつを倒す!)


 予想通り、ミニゴーレムは射程に入ると泥団子を飛ばしてきた。


 先程同様叩き落としてもいいが、2つならば盾で事足りる。


 小盾を体の前に突き出して泥を受け止め、走る勢いそのままに猶も距離を詰める。


「《ウォーターボール》《ウォーターボール》《ウォーターボール》!」


 既に与えていたダメージと怒涛の3連射でミニゴーレムはHPが尽き、光に変わる。


「ラスト!」


 これが人間であれば、仲間が5人もやられては撤退を選ぶだろうが、相手は魔物。


 愚直に突っ込んできたところを《ウォーターボール》で撃ち落とし、戦闘が終了した。


 ドロップした素材を拾い、魔法陣で帰還するのだった。




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