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3. 初日の成果

更新日付を1日間違えて設定していました。

大変ごめんなさいでした。

「あぁ~最高の一日だった」


 そう呟きながらフカフカのベッドにダイブする。


 現在時刻は夜の7時を少しすぎたくらい。


 ここは冒険者ギルドの近くにある食堂付きの宿屋の一室だ。


 立地やサービスが非常に良く人気の宿屋だが、奇跡的に一室空いていたのでギリギリで滑り込めた。


 予定では日が落ちる前に宿を取るつもりだったのだが、探索(食べ歩き)に熱中してつい遠くまで行ってしまった。反省反省。


 大の字で寝転がりながら今日のことを振り返る。


 今日一日の探索の成果は2つ。


 まず1つ目は、教会にあるはずの『並行門(パラレルゲート)』が無くなっていたこと。


 『並行門(パラレルゲート)』とは横5m、高さ10m程の大きな門だ。


 『トリワル』はシングルプレイヤーゲームなので、マルチプレイをするにはまず、この門を開放する必要があった。


 その大きさ故、門が設置されている教会は限られていたが、この町には確かに設置されていたと記憶している。


 ところが、この巨大な門は教会内のどこを探しても見つからなかった。


「───ま、ぶっちゃけ並行門が無くなったところで……って感じではあるんだよな。それよか、ゲームと現実で変わった点がある、ということが分かったことの方がデカい。」


 『平行門』のゲーム内での説明は世界観を大事にした、いかにも(・・・・)な文章だったけど、要するにこれはマルチプレイのための装置であり、現実となったことで存在が消えたのだろう。


 全てがゲームと同じ世界じゃないと分かった時、正直なところ安心した。


 言葉にするのは難しいけど、なんて言うか……ゲームとの差違があることで、逆にこの世界が現実にあるものだと証明された、みたいな。


 とはいえ、ゲームと違う点があるというのが分かったのはいいが、次に気になるのは具体的にどこが変化しているのか、だけど……。


「こればっかりは今考えても仕方ない、か。」


 『平行門』のほかにも変わった部分は必ずあるだろうし、これからも継続して観察していくとしよう。


 次に2つ目は───


 上体を起こし、部屋に設置されている鏡台の前まで歩く。


 青みがかった銀髪に整った顔立ちの好青年が鏡の奥に見える。


 うむ、イケメンだな! 丹精込めてキャラメイクしてよかったと心の底から思う。


 これに気付いたのは教会で身分証を作成した時だ。


 見覚えがある顔と名前から、これが寝る直前に作成したセーブデータ───『クロト』だとすぐに分かった。


 そして、それと同時に寝る前に何をしていたのか、何をしたかったのかも大体思い出した。


 この『クロト』を作ったのは、とある人から「ラスボスのTA(タイムアタック)をしてみないか」と誘われたことが発端だ。


 トリワルは決まったストーリーがなく、唯一「『邪神』と呼ばれる存在を倒す」という目標のみがあるだけだった。


 この唯一の目標も、『普通』の難易度であれば余程変なことをしない限り、誰でも倒せるような親切設計になっているため、「邪神(ラスボス)を倒すまでがチュートリアル」と言われたりもしていた。


 とはいえ、一応ゲーム的にはラスボスであることに変わりはないので、完全に倒しきるまではそこそこ時間がかかる。


 そのしぶとさときたら、黒い・速いでお馴染みのアレ(G)に負けるとも劣らない。


 ……かなり話が逸れてしまったが、要するにこの『クロト』というキャラは、レベル1であり生まれたての赤ちゃんと変わりないということだ。






 ───とまぁ、ここまでが今日の成果だな。


 さて、ここからは明日以降の行動目標を大まかに決めておこう。


 目標……何がいいだろうか。


 繰り返しになるが、トリワルはこれと決まったストーリーがなく、「『邪神』と呼ばれる存在を倒す」という使命があるのみ。


 そして、倒した後はその使命からも解放され、自由の身になってトリワルの世界を気の向くままに遊ぶことができる。


 トリワル最大の魅力は、その自由度の高さ。


 人の数だけ遊び方があると言われるほどであり、やろうと思ったことは大抵できる。


 そんな無限にある選択肢の中で、俺は最強になることを目指しプレイしていた。


 いつの日か、憧れの人と夢の大舞台で戦うために。


 その過程で、足りない要素があればその都度データを作り、武器防具のほかアイテムの作成など、メインキャラを補助する形でサブキャラを育成してきた。


 ───だが、『クロト』は違う。


 例えるなら、この今の状態は、何の色も塗られていない真っ白なキャンパスだ。


 何色にも染まっておらず、何色にでも染まることができる。


 一度塗り始めたら簡単に消すことはできないため、最初の内からある程度あたり(・・・)を付けておかなければ……。






 暫くの間、腕を組んで熟考し、おもむろに顔を上げる。


「───RTA、やるか。」


 『クロト』を作った最初の目的を果たすため、というのもあるが、相手は腐っても邪()だ。


 討伐が一つの過程に過ぎないとはいえ、放置していれば当然被害は出るため、早いうちに倒せるならそれに越したことはない。


 幸い手順(チャート)は鮮明に覚えているし、そこまで難しくないとも聞いている。


 「……よし! とりあえずの目標はラスボスRTAで決まりだな。さっさと倒して気兼ねなくこの世界を楽しむとしよう!」


 そうと決まれば行動あるのみ。


 まずはとっとと寝て、明日の朝一番に冒険者ギルドで登録をしなきゃな。


 再びベッドにダイブして数分後。思いのほか疲れていたらしく、すぐに意識がなくなった。


前話で「諸々の雑事は明日の自分に丸投げして」と言った割に身分証の発行はしてるという。

お腹が膨れてきたところで休憩がてら教会に入ったとかなんとか。




前話に引き続き、『多分本編では出ない設定開示コーナー』です。


平行門(パラレルゲート)

この世界は無限に広がる可能性の中の一つにすぎず、それらは決して交わることはない。 だが、理を覆す"超常の干渉"が起こるとき、並び立つ世界は交差する。 『平行門』とは、その交差の瞬間に開かれる接続点であり、異なる世界に生きる者たちとの邂逅を可能にする。 この門を開くことが許されるのは、選ばれし者のみ。 あなたがその資格を持つならば、門は応え、並行する運命を招くだろう。

(有志作成非公式wikiより)

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